ソトブログ

文化系バーダー・ブログ。映画と本、野鳥/自然観察。時々ガジェット。

ソトブログ

詩 #004―― 「私にとってナラティブの力は」

 

この記事をシェアする

Poems-004

「私にとってナラティブの力は」

作:津森ソト

 

私にとってナラティブは強すぎる。

その場で語られることばには私は、意味以上に、その場でのアトモスフィアに流される。強く、影響を受ける。

 

書かれたことば、今これを、手書きしているノートのように。タイプされ、印刷された書物のように。

そんなWritten Wordsであれば、その中身がいかに、濃密な/刺激的な/凄絶なストーリーであっても、私は受け入れる用意があり、拒絶する技術がある。

 

だが、ナラティブによって放たれたものが、ファストボールであってもスローカーブであっても、スピアーであっても――暖かい毛布であっても。

私には、一度受け止めることしかできない。

 

今回の文章(詩)は、久しぶりに書棚から手に取って、中井久夫を読み返し始めたらすぐに、(本書の内容とは直截の関りはなく)上記の詩の書き出しの一文が頭に浮かび、書き留めておきたくなって書いたものです。

 

【これまでに書いた詩の一覧はこちら。】

詩 カテゴリーの記事一覧 - ソトブログ