ソトブログ

文化系バーダー・ブログ。映画と本、野鳥/自然観察。時々ガジェット。

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2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

フィル・コリンズの名曲「ススーディオ」と映画『アメリカン・サイコ』。または80年代の狂気が持つ普遍性。

いつも読ませていただいているブログ、「Life Style Image」における下記の記事をきっかけに、ほぼ初めて、ちゃんとフィル・コリンズを聴いています。(…)

台風前日。小雨のなか河川敷でバードウォッチング。私たちのマイ写真図鑑に“イソシギ”が加わる。

先週に続いて週末になって天気が崩れて来るなか、土曜日の朝は台風はまだ未着だっため、小雨ながら、小2の長男といつもの下流域へ向かいました(会津川/和歌山県田辺市)。先日来、そろそろ冬鳥がやって来ているみたいだ、ということで、河川敷を歩きながら…

映画レビューの書き方。

映画レビューをいくつか書いていると色々と考えることもあり、自分のアタマのなかを整理する意味でも、読んでいただいている方に、「どういうつもりで書いていて、どういうふうに読んでもらいたいのか」ということがいくらかでも伝われば――という思いもあっ…

ア・ライフ・レス・オーディナリー(あるいは、普通の人の普通の日々 #001)

観そびれてしまったために未だに観ていなくて、おそらくこれからもしばらく観ない映画というものが誰にでもあって、映画を観ない人だったら小説でもマンガでもゲームでもいいのですが、そういうものは直接に生活に影響しないものだからこそ、その人の人生を…

映画レビュー『マディソン郡の橋』――ラブストーリーがくだらないなんて誰が言った?

“恋愛したらスクールカースト三段落ち”――真偽の程はアラフォーの私は知る由もないし知る気もありませんが、そんなことさえ囁かれる世のなかであって、20年も前の、アメリカの片田舎を舞台とした、「流れ者の中年男と有閑マダムの不倫恋愛映画を観る意味がど…

映画レビュー『マイノリティ・リポート』――あらゆる要素をまとめ上げるスピルバーグの“過剰さ”。

私も毎週聴いているTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で、明日、10月21日の放送において、リスナー投票で選出する“一番好きなスピルバーグ作品”を選ぶ『第1回スピルバーグ総選挙』が開催されるとのこと。私はスピルバーグ全作品…

映画レビュー『ベイビー・ドライバー』――独りでいた時間が、彼を育てた。

エドガー・ライト監督作品は、映画を日常的に観るようになったのがここ数年のため、ほとんど後追いですが『ショーン・オブ・ザ・デッド』から『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』まで、あるいはそれ以前のテレビドラマ『SPACED ~俺たちルームシェ…

左利きの左利きによる左利きのためのボールペン選び。【後編】feat.“雨の日は会えない、晴れた日は君を想う”

先日Chromebookの記事でも書いたのですが、個人のお気に入りの道具、というのは突き詰めるとフェティッシュな部分が大きくて、ボールペンにおいても一人ひとり持ち方書き方筆圧等々も異なるし、「左利きにとってこれが正解」というものがあるわけではないと…

左利きの左利きによる左利きのためのボールペン選び。【前編】feat.“冷たい雨に撃て、約束の銃弾を”

私自身左利きで、様々な道具が右利き用に作られていることから不便に思うことがいくつかあって(あるいは、「不便」であることにさえ気づいていないことも多い)、大学の卒業論文は「社会における左利き」というようなテーマで書いた憶えがあります。そのな…

“Chromebookにおいてテキストエディタ「Jota+」がウインドウサイズ可変で使えるようになった”、たったそれだけのことがこんなにも快適さをもたらすということ。

これを買うまで自宅のノートPCを毎日開くなどということはなかった私の生活を変えたChromebook、Asus C202SAにAndroid用テキストエディタ「Jota+」を入れてから早1ヶ月あまり。こちらも既にこれなしでは考えられなくなるくらい愛用しています。

映画レビュー『上海の伯爵夫人』――カズオ・イシグロ脚本で描く、世界史よりも広大な個人の内的世界とは?

先日ノーベル文学賞の受賞が決定した日系英国人の作家、カズオ・イシグロがオリジナル脚本を担当した作品。カズオ・イシグロというと私は『わたしを離さないで』の原作小説とその映画版を観たきりで、どちらもとても面白かったのですが、SF的ともいえる虚構…

市街地から車で10分の奇景、“奇絶峡”(きぜつきょう)

孤高の博物学者、南方熊楠のフィールドとしても有名な和歌山県の紀南地方、田辺市や白浜町には様々な景勝地がありますが、市街地のある河口から7km程度、車で約10~15分で行けるところに、その名も“奇絶峡”(きぜつきょう)という奇景の峡谷があり、先日の3…

朝。起きて、息子と二人。カワウの群れを追って。

日曜日の朝。前の晩に約束していたとおり、6時半に起きて小学生の長男と二人、カワウの群れを追いかけに行きました。彼は毎朝、7時過ぎに家を出ると、緩やかな勾配の登り坂の上にある小学校の近くで、空の向こうにV字隊列を成して飛行するカワウの群れを見送…

【書評】『ダンケルク』をきっかけに再読したい、物語を超越した「戦争小説」7選。

映画『ダンケルク』に物語がない、というのは実はウソというか、雑な言い方で、端的な語り口の問題だと思います。しかしながら、戦争を題材にしたフィクションには(少なくとも私の好きな作品には)、物語を逸脱していく傾向があって、戦争というテーマをフ…

映画レビュー『カイロ・タイム 異邦人』――アメリカの"YOU"ことパトリシア・クラークソンが魅せる、大人の関係。

はじめて観た彼女の出演作は何だったか、パトリシア・クラークソンは日本のタレント・女優のYOUにすごく似ています。見た目だけでなく、雰囲気、喋り方まで、互いに入れ替わっても違和感のないくらい。とくに、エマ・ストーンの母親役を演じた『小悪魔はなぜ…