ソトブログ

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知識ゼロから作る電子書籍の軌跡――My Own Way to KDP_001

 

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KDP-001

電子書籍を作ってみたい/きっかけのようなもの。

 

 電子書籍を作ってみたい、と思っています。

 

 わたしのように頼まれもしないのに、好きこのんでブログのようなものを書いている人なら、同じように考える人もいるかも知れません。わたし自身はというと――以前に知人に頼まれて、電子書籍の表紙デザインをやったりしたことはあるのですが――、自分の書いたものを電子書籍としてまとめてみる、というのはこれまであまり考えてみたことはなかったのですが、最近面白いな、と思ったこんな本から、改めて作ってみたくなったのです。

 

若林恵さんの『週刊だえん問答 コロナの迷宮』(黒鳥社、2020年)

 

 といっても、わたしが手にしている単行本自体は電子書籍ではないし(Kindle版もあるようですが)、内容そのものが電子書籍と結びつくものではないのですが、本書の成立過程が面白いな、と。変わった題名の本ですが、「週刊」とあるとおり、本書は週刊連載をまとめたもので、ニュースメディア「Quartz」日本版(「Quartz Japan」)への連載が元になっています。そういう本は珍しくはないのですが、著者によるまえがき「だえんで眺めるポストコロナ世界」に以下のようなくだりがあります。

 

原稿を書くためには素材が必要で、もちろん自分で素材を探すことはとても大切な作業なのですが、個人的には「素材をどう料理してやろうか」のプロセスのほうが楽しかったりしますので、毎週料理するのはいいが、毎週素材を仕入れにいくのはめんどくさいというのがぶっちゃけた心持ちでした。

若林恵+Quartz Japan 編『週刊だえん問答 コロナの迷宮』(黒鳥社)より

 

 ――という、他の本にはあまりないであろう、いきなりのぶっちゃけ、が面白いのではなくて、そのあとに書かれた「放っておいても「お題」が自律的に生成されるような仕組みをどうしたらつくることができるか」という発想が面白いのです。そして、

 

 手持ちのカードは自分にとって既知のものですから、それについて書くことは、万一読む人にとって面白かったとしても、書く側にとってはそこまで楽しくなかったりします。

引用前掲書

 

 だから、手持ちにないカードが降ってくるしくみによって「週刊だえん問答」は書かれているのですが(それがどういうものかは、ぜひ『週刊だえん問答 コロナの迷宮』を読んでみていただければ、と思います)、若林恵さんのプロフェッショナルな仕事とは較べるべくもないのですが、自分を省みるに、わたし自身の考えたことや、手持ちのネタについてのみ、ブログに書き続けることから少し離れて、今、あるいはこれからやってみたいことを、リアルタイムで書いていくのはどうだろう、と。

 

わたし自身や読まれただれかによって、「手持ちにないカード」が手に入るようなものを作れたら。

FH000096

 

 といって、電子書籍をリリースするまでのHow toは、(わたしがそれをやるために検索してみているように(後述))よくできたわかりやすいものがたくさんあります。わたし自身は、そうしたHow toを書くのは得意じゃないし、わたしがそれらに新たに付け加えるべきtipsもknowledgeもありません。わたしが電子書籍にしようと思っているコンテンツは、この「ソトブログ」をまとめたものと、自作の小説、という、これまたありきたりなものですので、やっぱり世の中に、新たに付け加えるべきものじゃないかもしれません。

 

 世の中のあまたある社会時評の読み物のなかからチョイスして、わたしが『だえん問答』がいいな、手許において読んでみたい、あるいはもっといえば、触ってみたい。と思ったのは、宮崎夏次系さんのポップな装画、雑誌「文藝春秋」を模したようなペーパーバックの装丁、2段組み400ページ以上という厚み。そういう製品としてのガワ=見た目の面白さ、も大きかったように思います。わたしは元になった連載を読んでいないので、買う前にはどんなことが書かれているかわかりませんし。ブログ、あるいは電子書籍にとってそういう「面白さ」がなんなのか、今さらそんなものがあるのか、よくわかりませんが、わたし自身や読まれただれかによって、「手持ちにないカード」が手に入るようなものを作れたら。

 

 次回から、電子書籍としてまとめる予定の、小説を連載したいと思っています(毎週金曜更新予定)。

 

KDPへの登録についての参考など。

 

 リリースは以前知人の表紙デザインをやったのと同じ、AmazonのKDP(Kindle Direct Publishing)を考えています。実はKDPへの初期登録は既に済ませたのですが、いくつかのサイト、とりわけ下記「トラエラ人」さんを参考にさせていただきました。

 

manemichi.com

 

【以前の記事から:KDP本の表紙デザインをさせていただいた経緯についてまとめています。】

www.sotoblog.com