ソトブログ

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誰かと誰かがどこかで二人出会ったら、小さな時間の輪がまわる。――Amazonほしい物リストから贈っていただいた、セイコークロックのネイチャーサウンド目覚まし時計「NR434M」のこと。

 

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だれかとだれかがどこかで2人出会ったら
小さな小さな祝福の灯がともって
そして小さな時間の輪がまわり
小さな想いがかけまわって
ひとりでそうかとうなずくんだ

 

フィッシュマンズ「MAGIC LOVE」より(作詞・佐藤伸治) 

 

 

「時計のねじを巻く」ように。

 

わたしの大好きな映画、オールタイムベストな映画の1本、鈴木卓爾監督『ゲゲゲの女房』では、吹石一恵演じる主人公・布枝が居間の壁掛け時計のねじを巻くシーンが何度か、登場します。およそ120分前後の作品のなかでドラマを進行させる劇場用映画(本作の上映時間は119分)においては、ドラマ上で流れる時間軸のなかで、「描く必要がある場面」が選択的に描出されているわけですが、ドラマ/話の進行そのものとは直接関係のない、この「時計のねじを巻く」シーンが複数回、描かれることによって、この家で布枝(と夫である漫画家・水木しげる)が確かに生きて生活していたのだ、という実在感が際立ちます。

 

 

とりわけ、生活苦のため時計を質に入れたのを失念していた布枝が「巻くべき時計がない」ことに気づく場面はとても印象的です。台詞で感情を多く語らないこの映画のなか、静かにエモーションが高まる瞬間でもあります。

 

――わたしが単身赴任のため暮らしているこのワンルームには、掛け時計や置き時計がありませんでした。もちろん腕時計やスマートフォンもありますし、これを書いているPC(Chromebook C202SA)でも時間を確認することができます。それで大きく不自由を感じることはありませんでしたが、このたび、この部屋に小さな置き時計がやってきたことで、かつて人々が時計のねじを巻いて感じていた(に違いない)ように、日々「小さな時間の輪がまわ」るのが、感じられるような気がしています。

 

それというのは先日誕生日を迎え不惑、40代に突入した翌日、当ブログでも紹介しているわたしのAmazonほしい物リストから、サプライズギフトが届いたのです。

 

www.sotoblog.com

 

ほしい物リストから贈っていただいた、セイコークロックのネイチャーサウンド目覚まし時計「NR434M」。

 

 

――それがこの、セイコークロックの目覚まし時計「NR434M」です。贈り主はブログ「おふぃすかぶ.jp」の鈴木章史さん

 

愛用しているPC、ASUSのChromebook・C202SAを購入する際に「おふぃすかぶ.jp」の記事を参考にさせていただいて以来、彼主催のChromebookユーザオフ会に参加したり、電子書籍の表紙デザインをご依頼下さる*1など、様々な形で交流させてもらっている方です。そもそも当「ソトブログ」を始めるきっかけになったのは、C202SAを入手して日常的にラップトップを開くようになったからですし、こちらの方が一方的にお世話になっているとも言えるのに、まさかバースデイ・プレゼントまで頂くことになるとは、思いもしませんでした。

 

 

上記の記事、<「あったらいいな」と思いつつなかなか買えないでいるもので、少しだけ生活や気分が変わる予感がすること。(私のAmazonほしい物リスト10+1選。)>のなかでは触れられていませんでしたし、今回こうして贈っていただいたことで、ほしい物リストからも削除していますので、リストに私が書いていたコメントを改めてここに引用してみます。

 

様々な野鳥の鳴き声を、デジタル録音で再現(!)して鳥のさえずりをアラーム音とした目覚まし時計。野鳥好きの方の好意的なレビューを見かけて、是非欲しいな、と思っている一品。普段はスマホのアラームを目覚ましにしているのですが、こんな目覚ましで起きて、息子と一緒に野鳥観察に出掛けたら、愉しいだろうな、なんて想像しています。 

 

――実はこれ、わたしは早合点していて、この目覚まし時計、NR434Mには、アラーム音として鳥のさえずりが使われているのですが、上記を書いたとき、わたしは電子音で鳥の鳴き声を「作っている」と思っていました。しかしそうではなくて、野鳥などの自然音の録音の第一人者である上田秀雄さんによる、実際の野鳥のさえずりの録音のようなのです。わたしの思っていた、電子音による再現だったとしても夢がありますが、実際の野鳥の鳴き声で目覚めることが出来るというのは、より、息子との鳥見行にふさわしい。

 

上田秀雄氏のサイト。上田氏の野鳥録音は、日本野鳥の会発行の鳥の鳴き声ガイドCD「CD 声でわかる山野の鳥」「CD 声でわかる水辺の鳥 北や南の鳥」などにも使われています。こちらも先日入手して、長男と二人、愉しんでいますので、機会があればまた、紹介したいと思っています。

 

実際に、その音声を録ってみました。*2

 


セイコークロック、ネイチャーサウンド目覚まし時計「NR434M」のアラーム音

 

一つ目が、バードA「カッコウ・ルリビタキ・コマドリ」、二つ目がバードB「サンコウチョウ・オオルリ・アオジ」です。コンパクトな目覚まし時計ですから音の拡がりはそれほどありませんが、それでも非常に臨場感があって、心地良い響きです。Bの方の鳥たちはわりと控えめ、地味めなさえずりなので、これだけで起きられるかというとわたしの場合少し心許ない気もしますが、サウンドはこのバードA、Bの他に一般的な電子音のアラーム(上記動画の三つ目)もあり、目覚まし時計としても実用的です。

 

アラームはバードA、バードB、電子音の3種類。アナログ式のダイヤルヴォリュームも付いています。

 

目覚まし時計というとわたしはここしばらくは、使い古しのsimを抜いたiPhoneのアラームを使っていました(現役のスマートフォンは、イヤホンでラジオや音楽を聴きながら寝るため)。ちょうど先日、ディスプレイ付きのスマートスピーカー・Amazon Echo Spotの日本での発売がアナウンスされました。今後、こうしたものに置き換わって、置き時計や目覚まし時計、あるいは固定電話といった、これまでどの家にもどの部屋にも当たり前にあったモノたちは、徐々にその役割を終えてしまうのかもしれません。しかしこのセイコークロックのネイチャーサウンド目覚まし時計、「NR434M」を眺め、実際に使ってみると、こうした道具が身近に使い続けられてきた理由がわかるようです。

 

野鳥のさえずり=ネイチャーサウンドというギミックもさることながら、秒針の音の静かなスイープセコンド(針がなめらかに流れる)、視認性の高いシンプルな文字盤、アラーム音量の調整、単3電池3本で約10ヶ月駆動、スヌーズ機能などなど、置き時計、目覚まし時計としての不可欠にして必要十分な機能を備えた目覚まし時計が手許にあることの安心感。

 

ささやかな出会い、「小さな小さな祝福の灯」によって。

向かって右上の煙突を押すとスヌーズ、と同時にライトが点灯します。機能性と意匠(の可愛さ!)の両立した素晴らしいデザイン。 

 

そんな目覚まし時計を、以前時計店のスタッフだった(腕時計、のようですが)という鈴木章史さんから贈っていただけた、というのも何かの縁というか、なんだか嬉しいものです。あなたが「ほしい物リスト」に入れていたのでしょう?と言われればそれまでですが。

 

そして今月は、先日紹介したプレイリストに続いて、さらにお二人の方から、Amazon Prime Musicのプレイリストを送っていただきました。誕生月とはいえ頭痛持ちのわたしには厄介な梅雨の6月ですが、こうしたささやかな出会い、「小さな小さな祝福の灯」によって、日々は少しだけ、明るくなるような気がします。万人に薦めるわけではありませんが、こうしてブログを書いたり、「ほしい物リスト」を公開してみたりするのも、なかなか悪くないですよ、ということを書き留めておきたいと思います。

 

プレイリストについてもまた改めて、こちらで紹介したいと思っています。

 

   

【野鳥が好きになると、自然のなかだけでなく、街へ出るのも愉しくなります。】 

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 【2018年6月のAmazon Musicプレイリスト、テーマは「雨」。】 

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*1:鈴木章史さんの電子書籍、『アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日』の表紙デザインをさせていただいた経緯については、こちらの記事に書いています。

*2:なお、セイコークロックの製品サイトでも、サンプル音声を聴くことができます。