ソトブログ

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“窓辺には小鳥たちの声”――Birders' Songs(バーダーのためのプレイリスト)016

 

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Birders-Songs-016写真はエナガ(2021.3、和泉葛城山にて)

わたしにとっての「雀百まで踊り忘れず」とは?

 

 小学生時代はあらゆる可能性に満ち溢れている、というようなことがよく言われるけれど、そしてそれはある意味では事実であろうけれど、その可能性が開かれる方角は、実はずいぶんと狭いものではなかろうか。雀百まで踊り忘れず、というが、ほかの踊りを知らない雀は幸せなのだろうか。いや、これが自分の踊りと覚悟を決めた雀は、そんなことを考えるゆとりなどないのだろう。

「小学生の頃」――梨木香歩『不思議な羅針盤』(新潮文庫)より

 

 合言葉は「Music for Birders」。バーダー/探鳥家/愛鳥家のための音楽プレイリストをAmazon Music Primeで作る企画「Birders' Songs(バーダーのためのプレイリスト)」、今回で第16回となります。


 わたしは30代後半に、当時小学生低学年だった長男とともに鳥見を始めた遅れてきたバーダーですが、すでに淡くフェードした色彩の自らの子ども時代を振り返れば、1980~90年代の小学生当時――確かわたしが現在会員になっている日本野鳥の会がやっていたのだったか、野鳥の声を聴けるテレホンサービス。というのを利用していた記憶があります。季節ごとか毎月か、定期的に変わる鳥の鳴き声が、受話器の向こうから聴こえてくる、という現在からみれば大変に牧歌的な企画ですが、それなりに愉しみにしていたはず。


雀百まで踊り忘れず」というのなら、わたしにとっての「踊り」はかつて親しんだはずの野鳥の声に耳を澄ますことなのか、青春時代から好きであり続けた音楽や文学、映画など、あらゆるカルチャーに野鳥をも結びつけているわたしの今のこの「ソトブログ」のありようそのものなのか?

 

 当ブログでは、別の企画としてわたしの連載小説『踊る回る鳥みたいに』というのをこの数ヶ月、続けています。この小説は7年前にわたしが一度書き上げた作品を、改題しリライトしながら改めて仕上げようとしている(KDP=Kindle Direct Publishingで電子書籍化を考えています)のですが、当時、まだ野鳥観察を始めていなかったわたしは、映画を通じてその趣味に触れていたり、道端で出逢ったオウムや上空の猛禽に言及していたりと、彼らと既に関りを持っていたのです。それがこちらの片思いだとしても、毎日窓辺に義父が挿したミカンにやって来るメジロやスズメの姿を愉しみつつ、インディーロックからレゲエ/ダブ、SSWに現代ジャズまで、鳥に関係あるものもないものも、手前勝手に野鳥たちと連想を紡いで、今日もプレイリストを作ります。今回のプレイリストのタイトル、「窓辺には小鳥たちの声」は、ラストM12、塚本功「小鳥たち」の歌詞から。

 

プレイリスト「2022.03_窓辺には小鳥たちの声」

※以下、選曲は全て、「演者/曲名」で表記しています。
※プレイリストのリンクをクリックすると、Amazonプライム会員の方は、Amazon Musicで聴くことができます。

2022.03_窓辺には小鳥たちの声」(選曲:ソト

M01. The Dodos/Mirror Fake
M02. 石橋英子/i don't know where to go
M03. mabanua/Heartbreak at Dawn
M04. 七尾旅人/スロウ・スロウ・トレイン
M05. AOKI,hayatoとharuka nakamura/FOLKLORE
M06. Sweet Williamと青葉市子/あまねき
M07. エマーソン北村/帰り道の本
M08. Kip Hanrahan/Caravaggio / A Quick Balance
M09. Little Tempo/FLYING DUB
M10. Khruangbin/Cómo Te Quiero - Scientist Dub (Bonus Track)
M11. Marcin Wasilewski Trio & Joakim Milder/Austin
M12. 塚本功/小鳥

Sweet William と 青葉市子 - あまねき (Official Music Video) - YouTube

 

連載「Birders' Songs(バーダーのためのプレイリスト)」は、今後も毎週月曜更新予定です。次回もお楽しみに!

 

【Amazon Music オフィシャルサイト】
Amazon Music Prime
Amazon.co.jp: Amazon Music Unlimited

 

秀逸なアートワークで知られるドイツの名門ジャズ・レーベル「ECM Records」には、チック・コリアの『Return to Forever』を始め、美しい野鳥写真をあしらったジャケットのレコードがいくつもありますが、こちらもそんな一枚。――などと言いながら、ジャズにもアート・フォトにも疎いわたしは、ECMの「野鳥ジャケ」にどんな逸話があり、フォトグラファーはどんな人物(人物たち?)なのかもわかっていません。この方面に精通した方で、拙文を読んでいただいた方がいらっしゃいましたら、ぜひコメントやフォームからご教示下されば幸いです。

 

【当ブログの「Birders' Songs」および、音楽、野鳥観察についての記事一覧はこちら。】