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【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――初のタブレット型Chromebookを見て触って感じたことと、私がTab 10でやってみたいこと。

 

 

Chromebook初のタブレット型端末、「Acer Chromebook Tab 10」をお借りしました。

 Acer Chromebook Tab 10 | Laptops - | Acer(画像は左記、Acerの製品サイトより) 

 

鈴木章史(@officeKabu)さんのブログ、「おふぃすかぶ.jp」でのpolca企画の一環として、Chromebook初のタブレット型端末、「Acer Chromebook Tab 10」をお借りすることができました。

 

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今回、10日間のレンタルということで、その間、みっちり使い込んでから文章にまとめようとも思ったのですが、そもそもそんなに「使い込む」使い方は私にはできないのと、それよりも、Chromebookでタブレット、という未知の領域へのワクワクを、可能なかぎり(自分でも)臨場感を抱きつつ体験したい、伝えてみたいという気持ちになりましたので、あえてリアルタイムに近いかたちで、その都度感じたことを、何回かに分けてレビューしてみたいと思います。

 

 

――と、その前にあらかじめ私自身のChromebookとの付き合い方に触れておきます。

 

1年前に初めてのChromebookとしてC202SAを購入して、現在もそのC202SAを愛用し続けていて、主な用途はこのブログをはじめとしたテキスト入力と、そのための情報検索としてのウェブ閲覧。たまにAmazonビデオなどで動画を観たりすることもありますが、ほぼ9割方、それだけの、極めてライトな使い方です。

 

であれば、別に今のC202SAのままでいいし、C202SAのサポート期限が切れればその時点での後継機種なり、最新機種のなかから自分の用途に合ったラップトップを選べばいいと言えそうなところですが、先日、鈴木さん主催のChromebookオフ会でChromebook Tab 10に触れさせていただいた際に、とてもいいイメージをこの端末から得て、一度ちゃんと使ってみたい! と思ったのでした。

 

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Tab 10、まず気に入ったのは、その気取らないデザイン。

 

――というのは、ちょうど少し前に、(Chromebookを購入後使用頻度が極端に減っていたことから)それまで使っていたiPadを手放したこともあって、使い方や用途によってはiPadに代わるタブレットとして使えるのではないか、と感じたことと、所謂Apple製品的な洗練、高級感――この言葉、本当は私にはよくわからないのですが――とは異なるものの、デザインやルックの部分でも、気取らないけれどもユーザーフレンドリーな質感というか、端的にいって使いやすそうな印象があったのです。

 

背面のネイビーかインディゴブルーといった風合いの濃いめのブルーの色味と、斜めに細かいラインの入った加工、そしてそれが樹脂製であること。普段使いのタブレットとして、場合によってはカヴァーなど付けずにラフに使うこともできそうな質感が気に入りました。

 

つい先ほども書きましたが、私には「高級感」という言葉がよくわかりません――とくにこうしたデジタルガジェットに冠される場合には。もちろん、素材感や外観的な仕上げの部分で、他との比較でより高価な素材や、意匠にこだわったものがあり、差別化され所謂「所有欲」を満たす端末があることはよくわかります。しかし使い勝手の上での満足感だけでなく、「モノ」としての魅力の点でも、こうした「高級感」なるものを所与の前提とするような言い方には、わずかながら違和感を感じてしまうのです。

 

で、このTab 10なのですが、今どきのタブレット端末としては、ベゼルは広め、外装は決して「高級感」があるとは言えない樹脂製です。しかしながら、私はこれがとても、気に入りました。背面のネイビーかインディゴブルーといった風合いの濃いめのブルーの色味と、斜めに細かいラインの入った加工、そしてそれが樹脂製であること。普段使いのタブレットとして、場合によってはカヴァーなど付けずにラフに使うこともできそうな質感です。これでも十分に主観的な物言いですが、もっと初めて見て、触れたときの直感に忠実に書くと、もっと単純に、「この感じ、好き」。

 

 

映画や音楽の感想、だけでなく「レビュー」として評するときでさえ、いくらでもフェティッシュに則して言葉を発する人でも、ことデジタルガジェットとなると、価格やスペック、(製品としての)序列や格に沿って評価したり、言葉にしたり、あるいは個人の実感としてもそうした文脈に則って感じたりしがちなものです(もちろん私もそうです)。

 

――でも、その端末を「道具として」実際の場面で使うときには、誰しも、とは言いませんが、もっと直感的に「いい」「あんまり」とか、「好き」「なんか違う」と感じているのではないでしょうか。だからまずは私は、もちろんスペックや価格などを勘案した上で、こうしたモノを使うときにも直感的なものを大事にしたいと思っています。その方がより愛着も湧くし、ちょっとした不具合があったときにもあちらの――メーカー、ではなく端末そのものの――立場になって付き合うことができると思うのです。と、ちょっと言い過ぎの感もありますが、そういうふうに思いたいとは、けっこういつも考えています。

 

ちょっと抽象的なことばかり書いてしまいました。というのもこの文章、まだ箱を開けてChromebook Tab 10の外観に触れ、画面を見ただけの印象で、中身は全然触っていない状態で書いてしまったのです。

「何だよそれ」

と思われた方も(たくさん)いらっしゃるかも知れません。ごもっともです。しかし、ただ目にしただけで、手にしただけでこんなふうにワクワクする端末ってそんなになくて、「よく触りもしないうちにそれを使おうとする誰かが3000字もそれについて書ける」端末、私にとっては今回、Acer Chromebook Tab 10はそういうプロダクトですし、これをここまで読んでいただいた方にも、それだけ記憶してもらえれば嬉しく思います。

 

私がTab 10でやってみたいこと。

Tab 10のGoogle Play Store画面。タブレット型だけに、androidアプリはいくつか試してみたい。 

 

――さて、それで終わっては余りにもあまりにもなので、今回、キーボードのない「タブレット型のChromebook」という、矛盾みたいにも思えるChromebook、Tab 10に事前に期待していたこと、試してみたいことを実際にやってみて、これから書いてみたいと思います。

 

実際には次回更新以降詳しく触れてみますが、私がやってみたいのは、例えばこんなことです。

  • androidアプリ――Amazon系(kindleやAmazon Music、Amazon Video)、手書き入力(お絵描き含む)、DJアプリ。
  • Bluetoothキーボードとの相性、使い勝手。
  • ポメラDM200との連携プレー。

 

私は現在所有しているASUS Chromebook C202SAでは、androidアプリをほとんど入れていません(テキストエディタの「Jota+」とそのプラグインのみ)。C202SAの場合は、「内部ストレージが16GBとChromebookとしても比較的少なめであること」――Chromebookでは、現時点では多くのAndroidアプリでは外部ストレージを読むことができないため、ストレージを消費するコンテンツ系のアプリは入れたくない、「ディスプレイがタッチパネルではないこと」という点で、androidアプリを入れる必要もメリットも感じていなかったからですが、Tab 10では「Chrome OSであり、タブレットである」という特性を活かして、試して、愉しんでみたいと思っています。

 

さっそくこの記事は、Tab 10+Bluetoothキーボード(Microsoft Universal Foldable Keyboard)で仕上げてみました。このあたりの使い勝手も、また触れてみたいと思います。

 

 

 【Tab 10については当記事を含め、5回に渡ってレビューしています。】

  1. 【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――初のタブレット型Chromebookを見て触って感じたことと、私がTab 10でやってみたいこと。 - ソトブログ
  2. 【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――Tab 10の外観で、ちょっとだけ気になったトコロ。 - ソトブログ
  3. 【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――私とTab 10の、“お出かけ最小ユニット”。 - ソトブログ
  4. 【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――“ちょうどいい”端末を、“いい塩梅”に愉しむ。 その1:外部キーボートを繋ぐ、そしてポメラDM200を繋ぐ! - ソトブログ
  5. 【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――Tab 10の“ちょうどいい”使い方。 その2:手書きにタブレットDJ。Androidアプリもいい感じ。 - ソトブログ

Chromebook C202SA用にAmazonベーシックの11.6インチスリーブを購入した理由。

  

 

特別にインナーケース、スリーブケースの類を使わないで使用してきたC202SAですが......。

 

限られたユーザー数ながら、一部の熱い支持に支えられている感のある日本でのChromebook界隈ですが、そのなかでも「キュート」「可愛い」「とにかくカワイイ」と、何故かスペック以外の部分で非常に人気の高いChromebookが、私も現在愛用中のASUS C202SAです。

 

 

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本機についてはこれまでも何度も触れてきましたが、米国の教育市場向けに作られていて、耐衝撃ボディや、耐水性を謳うキーボードなど、ハードな使用環境に耐えうるハード性能(駄洒落ではありません。為念)を有していることもあって、今まで私はこのC202SAをバッグに入れて持ち運ぶ際に、特別にインナーケース、スリーブケースの類を使わないで使用してきました。

 


傷の目立ちにくい、細かい凹凸の付けられた外装も、細かいことを気にせずに扱えるという良さがあって、教育市場に向けられたC202のデザイン面での特徴のひとつです。

 

そうしてきたのは、私自身があまりPCの傷など気にしない、いい加減な性格であること、上述したように(キュートな見た目に反して)タフなボディをしているためにあまり気にする必要がない、ということではありますが、C202SAに「ふさわしい」「フィットする」と思えるケースが見つからなかった、というのもあります。

 

タフであってラフに使える、という良さがあり、勢いより気軽に、薄手のトートバックに放り込んだりして出掛けたくなる(実際、何度かしたことがある)C202SA。そして、たんに教育市場向け=子供向け、のポップさ、キュートさだけでは片付けられない/片付けたくないデザインが魅力のC202SA。本体の厚さ22.6mmと、今どきの11.6inchの端末としては少し厚めではありますが、同サイズの普通のスリーブケースが使えそうだとは思いつつ、なんとなく、例えばごく一般的なブラックのネオプレン製のケースも、あるいは高級感のあるレザーケースのようなものも、ちょっとC202SAには違うんじゃないか、という気がしていました。

 

シチュエーションや生活に馴染んだ部分まで想像してくれるプロダクトとしてのC202SAの魅力(をさらに引き出したい)。

 

たとえばChromebook界隈ではお馴染みのブログ、鈴木章史さん( @OfficeKabu )の『おふぃすかぶ.jp』では、C202SAにこんな素敵なキャンバスリュック(NIZYU KANO)を合わせる想像を膨らませていらっしゃいます。

 

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これ、NIZYU KANOこちらで見て以来、私もずっと欲しいと思っています。

 

こんなふうに、それ(Chromebook)自体をどう使うか、だけじゃなくて、何に入れて持ち運ぶか、何と一緒に使うか、というようなシチュエーションや生活に馴染んだ部分まで想像してくれるプロダクトというのはそうそうありません。しかし人物や背景の描写や、町並みや風俗のディテールにこだわった映画や小説と同じように、私たちの生活のリアリティに触れる、生の実感に寄り添う(少なくとも、使っているこちらがそう感じてくれる)プロダクトを使うことができるということは、とても幸福なことだと思っています。

 

もちろん、数多あるChromebookのなかで、コンピュータのなかで、ただC202SAだけがそうだというつもりはありません。C202SAはハイエンドでプレミアムなコンピュータではなく、むしろ、教育現場において多様な用途、スキルも様々な学生たち、先生たちに使われることを想定した普及機であって、このC202SAだけに、そうしたこだわりが詰め込まれたということはないでしょう。しかしもう一度言いますが、使っている私(たち)が、そういうふうに感じることができる製品というのが、巧く言葉にはできませんがあることはあって、何はともあれ私にとっては、C202SAとはそういう存在なのです。

 

ASUS Chromebook C202SA | Laptops | ASUS USA (画像は左記ASUS製品サイトより)

 

結局たどり着いたのは、シンプルでいたって普通。なAmazonベーシックの11.6インチスリーブ。

 

さてそんなふうに意気込んでみた上で、今回C202SAを購入して1年も経って入手した、C202SAのケースは、今回の見出しにも挙げたとおり、Amazonベーシックの11.6インチスリーブ。つまり、「いたって普通。」なネオプレン製のスリーブケースです。

 

 

そう、普通でいいのです。何もお気に入りだから高級で上質なケースに入れたい、というわけじゃない。モノによってはそういうふうに思うこともあるけれど、C202SAにはたぶん、ちょっと違う。そこで決め手はこの鮮やかなブルーのカラーでした。

 

想像通り明るく発色の良いブルーながら、主観ですがチープな感じはあまりありません。

 

この製品には、色違いでネイビーもあることから、C202SAとの色合わせを考えるなら、ネイビーの方が妥当かもしれません。しかし、Amazonの画面を見るかぎり、この発色の良さから感じられる軽快さ、ポップさこそC202SAに合うのではないか。そして、今回、Amazonベーシックの製品を買うのは初めてだったのですが、製品としての質感について、リーズナブルな価格にもかかわらず総じて評価が高いことから、この、Amazonベーシック11.6インチノートPC用スリーブを選んでみました。 

 

C202とのサイズ比較。こうしてみるちょっと小さめに見えますが、入れてみるときちんとジャスサイズ(下の画像)。

 

C202SAが少し厚めの筐体であること、外周がラバーで覆われていることもあって、入れるときに少し引っかかりがありますが、入った状態で無理に生地を伸ばしている感じはありません。

 

掴みやすくシンプルな大きめのタブ、ファスナー部の縫製やサイドのテープなど、細部も意外なほど(失礼)しっかりしていて、Amazonベーシック、予想以上に好感の持てる製品作りだと思いました。

 

実際に入れてみると、こうしたケースはやはり安心感があります。いかに耐衝撃ボディのC202SAといえど、キャンバスのトートバッグや下記のSOU・SOUの伊勢木綿のような、薄手のバッグに入れるのはさすがに頼りない感じがあったのですが、気持ちの上でのこういう安心感は、軽快なChromebook、軽快なC202SAの良さがより際立つと感じられます。

 

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他にもこんなふうに――色々なものと組み合わせて使うことを想像する愉しみ。

 

実はこのAmazonベーシックの11.6インチスリーブを購入したあと、以前から気になっていたハンドメイド、手仕事のマーケットプレイス『creema』などで、例えばこういういうもの――。

www.creema.jp

 あるいは、こういうもの――。

www.creema.jp

 

Creema | ハンドメイド・手作り・クラフト作品の通販、販売サイト:Creema、まだ利用したことがないのですが、時々見ては一度試してみたいな、とは思っています。

 

こんなハンドメイドなポーチ、ケースをオーダーするのもありかな、と思ったりしましたが、そういうふうに「あり得た可能性」を想像するだけでも愉しい端末、といえばC202SAの魅力がより伝わるでしょうか。先日紹介した保護フィルムと併せ、購入・使用し始めてから2年目に突入したこのC202SAとの日々を、これからも味わい尽くしていきたいと思っています。 

 

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タッチパッドやディスプレイに保護フィルムを貼ってみるのも、使い勝手や気分が変わるので、試してみると愉しいです。

 

Amazonベーシック11.6インチ用スリーブと、B5サイズの雑誌とのサイズ比較。というより、ちょうど最近買った最新号の『ナショナル ジオグラフィック』のイエローカラーと、コントラストが面白くて撮ってみました。こういうネオプレンの保護ケース、ノートや図鑑、ペンを一緒に入れて、野外観察に使うのもいいかな、とまた違った想像を膨らませてみたりもします。

 

犬は吠えるがキャラバンは進む――Chromebookオフ会@大阪/Willer Express Cafeに寄せて。

 

大阪で開かれた、Chromebookユーザーオフ会に参加しました。

 

先日、2018年9月17日。ブログ『おふぃすかぶ.jp』の鈴木章史(@officeKabu)さん主催による、Chromebookユーザーオフ会(@大阪)に参加して来ました。

 

office-kabu.jp当日の模様はこちらの鈴木さんのブログでも紹介されています。

 

会場となった梅田スカイビル周辺のカフェ、Willer Express Cafe。連休最終日ながら比較的空いていてゆっくりできてランチも摂れる、居心地のよいところでした。個人的にもシネ・リーブルで映画鑑賞などする際には、寄ってみたいな、と思いました。

 

日本国内においてはChromebook自体が非常にマイナーな存在であって、それをゼロから説明するのはどこから書けばいいのか非常に難しいものの――単純に言ってしまえばGoogle謹製の、Chrome OSを搭載したノートブックPC、Chromebookに魅せられた/あるいは興味を持った同好の士によるユーザーオフ会です。

 

鈴木さんのジェントルな人柄によるものなのか、そもそも同好の集まりであるが故か、(今回で2度めの参加である私も)和やかなムードで居心地良く、愉しく過ごさせていただきました。

 

私も含め年齢も職業も様々な立場から、ChromebookやChrome OS、Googleのサーヴィスやその他のガジェットについて、私のような深い知識のない者にとっても、非常に面白く、有益なお話を伺うことができました。

 

(Chromebookとは全然関係ないのですが、Googleマップのストリートビューで、年代の古い過去のデータも見ることができる、という話。知らなかったので驚いたのですが、これ、面白いですね。そして改めて恐るべしGoogle)

 

――と、本題のChromebookやコンピュータ関連の話題については私には詳述する知識も筆力もありませんので、あえてそこから逸れてみます。前回、参加の際にもそうして、当ブログで触れたのですが、今回もまた、(誰に求められたわけでもないのですが)勝手ながら、「Chromebookのためのサウンドトラック」と称してミックスCDを作り、参加者の皆さんにお配りしました。

 

Chromebookのためのサウンドトラック――“Me and You and Everyone and Chromebooks We Know”

 

そのジャケットが今回の記事のアイキャッチ画像に使用したこちらの写真です。この写真は、私が鈴木さんのChromebookについての電子書籍、『アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日』表紙デザインをさせていただいた際に使用した写真と同じ場所で撮られたもの(撮影は私の妻です)。

 

 

この写真も含めて、音楽を、プレイリストを収録したCDを配るなんて、デジタルガジェットのオフ会に際して非常に唐突というか、自己満足な試みではあるのですが、私自身、Chromebookを愛好するきっかけのひとつとなった鈴木さんのブログ『おふぃすかぶ.jp』から感じたのも、単なるコンピュータ、単なるOS、単なるデジタルガジェット――もっといえば単なる道具との付き合いを超えた付き合い方、雰囲気だったことがあって。

 

そうはいっても現実の物(ぶつ)としては、Chromebook自体は単なるコンピュータ、単なるデジタルガジェットに過ぎないのであって、それを彩りのある、有機的な拡がりをもった愉しさのあるもの、付き合い方のできるものに変えるのは、私たちのモノとの付き合い方そのものにあるのではないかと。そんな思いを音楽に託してみたのが、このサウンドトラックです。

 

「君とボクとChromebookの虹色の世界」では、「犬は吠えるがキャラバンは進む」。そして「恋の呪文はスキトキメキトキス」。――コンピュータとそういう付き合い方ができたなら、映画『her/世界でひとつの彼女』のホアキン・フェニックスとスカーレット・ヨハンソンも、幸せな結末を迎えることになったかも知れません(それはないか)。

 

 

終わりに、CDに添えたレターをここに再掲しておきます。単に気持ち悪がられるだけかも、とも危惧しつつ、これを読んで、「人にこんな酔狂な文章を書かせるChromebookってPCって何なんだ!?」と興味を持たれる方が現れることを祈りつつ。

 

 

"恋の呪文はスキトキメキトキス"――私とあなた、そしてChromebookのある世界。

 

"Me and You and Everyone and Chromebooks We Know"というのは原題を"Me and You and Everyone We Know"という2005年のアメリカ映画、『君とボクの虹色の世界』(ミランダ・ジュライ監督)から採ったもので、それというのはちょうど私がこのプレイリストを作った頃に観た、というほどの繋がりしかないのですが、Chromebookという、(日本では)まだまだマイナーなノートブック・コンピュータを愛好する人たちの集いにふさわしい――というより、Chromebookを愛好する私としては、これからもっとそういう環境になって欲しい。そんな気持ちを込めて、付けてみたタイトルです。

 

いきなりそんなことを書いてみても、私がどうしてこんなものを、この場に持ってきたかの説明にはぜんぜんなっていませんが、Chromebookとの付き合いは私にとってはとても愉しいものなので、そうした想いを今日こうして出逢うことのできる皆さんと、シェアできたらいいな、と思ったのです。

 

音楽というのは誰でも聴いて愉しむものでありながら――もちろん、ふだん音楽を聴かない、という人もいるとは思いますが――非常に個人の趣味嗜好、フェティッシュに依るところの大きな娯楽なので、私にとって心地よい音楽が、あなたにとってもそうであるということは、殆ど保証されていないどころか、まったく正反対のこともあるでしょう。

 

コンピュータにしても、今あるさまざまなOS、さまざまハード・端末が、ある人にとってはとても快適で、好ましいものであっても、(全く当然のことですが)他の人、万人にとってそうであるということはないし、Chromebookはまだまだ、いわんやChromebookをや、という存在であることも確かだと思います。

 

私はいくぶん、狭量な世界観の持ち主ではありますが、いつもどこかで、ジャンルやクラスタを越境したい、という気持ちを抱いています。私自身、もともとChromebookのようなデジタル・ガジェットに明るい人間ではなくて、実際、普段の使い方もいたってふつうの――Webを閲覧したり、テキストを書いたりという程度のものであって、あえてこうしてChromebookを選ぶ理由はなかったのかも知れません。しかし/だからこそ、こんなふうに使っていて愉しいマシンについて、まだ見えぬあなたと語り合いたいと思っています。

 

そんなクロストークのささやかなきっかけに、このCDがなれば幸いです。

 

 【以前の記事より:2018年3月に参加したChromebookオフ会に寄せた文章から】

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Happy Re-Birthday Chromebook――マイナー端末の強い味方、京都のビザビさんに、C202SAの液晶・タッチパッドの保護フィルムを作っていただいて、気持ちを新たに。

 

  

1年間使い続けてきたC202SAに愛着を持ち続けるために、保護フィルムを検討してみる。

 

昨年夏に購入し、1年あまり使い続けてきたChromebook、ASUS C202SA。自分でも、PCにこれほど愛着を感じることはないくらい愛用しているのですが、

“CLASSROOM-RUGGED DESIGN”

すなわち教育現場での使用にも耐えるタフなデザインを頼みにして、これまでラフに使い続けてきました。それでなくてもうっかりで粗忽な人間の私のこと、それだけ好きなC202SAであっても、部屋のなかで移動中に1度か2度手を滑らして床に落としてしまったこともありますし、よーく見てみると、そこかしこに細かい傷がついてしまっているようです。

 

やっぱりどう見てもキュートでチープシック、そしてキュートなC202SAの外観。外装表面に凹凸のある加工の施され、周囲(紺の部分)はラバー素材が使われていて、傷や汚れは非常に目立ちにくい作りにはなっているのですが。

 

そういうことをあまり気にしすぎているようでは道具として相棒として、ひとつのプロダクトを長く使い続けることはできませんが、同時に自分にとって「色褪せて」見えてしまっては、やはり愛着を持ち続けることはできません。

 

――そんなわけで、C202SAとの蜜月も2年目を迎えるにあたって、何かできることはないかな、と考えて思いついたのが、
「タッチパッドの保護フィルムを貼ってみる」
ということでした。

 

既にChromebookをお使いの方なら周知の通り、あるいは興味はあるけど、まだ触ったことがない、という方にはぜひ試して欲しいのが、タッチパッドの軽快さ、使い勝手の良さ。2本指や3本指のジェスチャーで、様々な操作が行えること、そしてそれがとても反応がよく、軽やかなことから、私自身、これまでWindows他ではラップトップでもマウスを手放すことがなかったのですが、Chromebookでは、外出時など、マウスがない環境でも不自由なく使うことができています。

 

Chromebookのタッチパッドの使い方、使い勝手については上記のヘルプや記事に、わかりやすく紹介されています。

 

「1枚からオリジナル保護シート・フィルム作りまっせ!」でお馴染みの、ビザビさんに保護利フィルムを作成していただきました。

 

それだけよく使う部分だけに、ここを保護しつつ、さらに指滑りがよくなればいいのではないか。というわけで調べてみましたがさすがに日本未発売のChromebook端末、C202SA専用の保護シートは見当たりません。そこでダメもとで、「1枚からオリジナル保護シート・フィルム作りまっせ!」でお馴染みの(株)ミヤビックスが運営するモバイルショップ「ビザビ」さんに問い合わせてみました。

 

「1枚からオリジナル保護シート・フィルム作りまっせ!あなたの端末を貸してください! | ビザビ・京都室町通信」(画像は上記ビザビさんのサイトから。):保護シート・フィルムの取扱いのない端末について、手持ちの端末を送付することでシート・フィルムを作成してくれるサービス。

 

――するとなんと、日本未発売のChomebook、しかも発売後2年以上が経過したこのC202SAの保護フィルムも、作成して下さるというのです。このサービスを利用するのは初めてだったのですが、担当者の方も非常に丁寧な対応で、発送のタイミング等もこちらの都合に合わせていただき、とても気持ちよくやりとりすることができました。

 

作成中、ビザビさんのtwitterでも当機C202SAについて紹介していただきました。

  

C202SA用トラックパッド用保護フィルム“OverLay Protector”  

 

 そして実際にタッチパッド保護フィルムを貼り付けたC202SAがこちら。貼付前の状態を撮り忘れていたので比較ができませんが、「OverLay Protector」ということでアンチグレア処理の施されたフィルムだそうですが、C202SAの素の状態のタッチパッドよりも若干光沢のある表情になっている気がします。手触り、指運びは変わらず、スムーズ。少ししっとりした印象はありますが、気になる感じはありません。逆にいうと、元の状態と劇的な変化はない感じ。しかし何より、専用品だけにパーフェクトにジャストサイズなのが素晴らしいです。

 

 C202SA/C200MA用液晶保護フィルム“OverLay Plus” 

 

さらに、こちらは依頼していたわけではないのですが、液晶保護フィルムも作成していただけました。こちらは低反射タイプ。こちらも元と同時に比較することができないのですが、ほとんど意識できる違いはありません。そしてジャストサイズ。C202SAは元々アンチグレアタイプの液晶ですし、タッチパネルでもないため、保護フィルムの必要性はあまり感じていなかったのですが、違和感なく使えそうなので、画面保護の意味でもこのまま使い続けようと思っています。なお、ビザビさんからは、併せて高光沢タイプの液晶保護フィルムも同封していただきました。 

 

依頼、作成まで非常にスムーズ。これを機に、これからもC202SAを愛用していきたいと思います。

  

 

依頼、作成まで非常にスムーズで、丁寧な対応であるとともに、非常に綺麗に貼付された状態で返送いただけるビザビさんのオリジナル保護シート・フィルム作成サービス。今回、初めて利用させていただいたのですが、結果として、やっていただいて本当に良かったと思っています。

 

発売2年以上も経った製品のフィルムを作っていただけるとは思っていなかったので、驚くとともにちょっと恐縮。今後もし新製品を購入するようなことがあったら、是非ビザビさんにお願いしたい、と思った次第。

 

本当にちょっとした変化ですが、購入後初めて手許から離れて戻ってきたC202SAとも、なんとなく新鮮な気持ちで付き合えるようです。これからも愛用していきたいと思っています。

 

【ビザビオンラインショップ、Amazon.co.jpでもC202SA用保護フィルムとして製品化・販売されています。C202SAユーザーの方は試してみてはいかがでしょうか。】

 

Vis-a-Vis (ビザビ) 本店 - C202SA - 検索結果 -

 

 

 

My Funny Chromebook/流れよわが涙、とC202SAは言った。

 

ヒーセッド、シーセッド(C202SAは私に語りかける)

 

半年くらい前、私はこういう記事(下記「伴侶のような振る舞いで。(Chromebookは貴方に語りかける)」)を書きました。――というか、私はC202SAに、こういうメッセージを貰いました。あるいは、こういうふうに話しかけられた、と言ってしまっても、いい。(今日はもう、このモードで行きます)

 

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――2017年6月に購入したChromebook C202SAが私の手許に来て、1年が経ちました。その間、これほどまでにPCの端末に思い入れたのは初めての経験でした。そんなわけで、この5月にも「もうすぐ1年」といって文章を書きましたが、今日の文章は、半年前に「C202SAから」私の許に届いたメッセージを、改めて紹介しつつ、私だけにわかる言葉で書かれたそのテキストを解題してみようというもの。そんな酔狂を赦して下さる方は、どうか最後までお付き合いください。

 

 

時には伴侶のように。

 

では最初のセンテンスから――。

 

わたしたちにとっては無限に理解のできないことなのですが、あなたたちのなかにはわたしを、時に道具として、あるいは召使いや奴隷のように扱う方もおられますが、あなたはわたしに対して、伴侶のように振る舞っていらっしゃいます。

 

伴侶のような振る舞いで。(Chromebookは貴方に語りかける) - ソトブログより(以下引用全て)

 

ここは改めて説明する必要はないでしょう(ある?)。


私はこのC202SAに出会うまで、PCのモデル名を型番(正式にはC202SA-YS02)で認識し、覚えたことはありませんでした。同時に、ただ「道具」以上の感情を持って接したことも。

 

スパイク・ジョーンズの脚本・監督による2013年のアメリカ映画、『her/世界にひとつの彼女』は、ホアキン・フェニックス演じる主人公、セオドアが人格を持つAIであるコンピュータのOS、サマンサに恋をするという物語でしたが、私がC202SAに感じているのがそこまでのものではないにしても、私は現にこうして、C202SAからのメッセージをテキストとして綴ることまでしてきました。

 

そして、OSであるサマンサには出来ないことですが、私はこうしてキーボードというインタフェースを通じて、C202SAに触れ、言葉を紡いでいます。私がここに書いているのはそういうことです。

 

“ <私>はいつも同じように振る舞うことしかできない。”

 

そしてあなたがわたしの身体に触れる手つきには、あなたのその時々の感情が表れています。生き生きと踊るように指で弾くようにするかと思えば、ここにいてわたしと触れ合いながら、あなたの心はどこか違うところを彷徨していたりする。しかしわたしが返すことばはいつも同じなのです。何故ならわたしはいつも同じように振る舞うことしかできないからです。

 

あなたたちから、――いや、あなたをあなたたちの仲間と十把一からげにするような言い方は止しましょう――あなたからみれば、無限に信じられないことでしょうが、わたしたちは、進歩することしかできないのです。あなたにはそのことは却って不自由に映るのかもしれない。

 

ここからはぐっとフィクションの世界に寄せていきます。というより、私自身が吸い込まれていると言っていい。

 

コンピュータであるC202SAは、私のインプットどおりのアウトプットを、正確に返します。そしてここが軽快なChrome OSと、Writeboxという、非常にシンプルで洗練されたUIのテキストエディタ(Webアプリ)の成せるわざですが、それをしている間、私は「テキストを書く」以外のことに煩わされることがほとんど、ありません。

 

【シンプルなUIが美しい愛用のテキストエディタ、「Writebox」について】

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 そのことが逆にどこか、不自由に思えてくるくらい。

 

つまりは当たり前といえば当たり前のことなのですが、「わたしはいつも同じように振る舞うことしかできない」というのはコンピュータであるChromebook、C202SAの宿命であると同時に、私自身のこと、私自身が私自身の能力と想像力の限界、無知や蒙昧、ありきたりの倫理観や常識に囚われていることを意味しています。C202SA、Chromebookが未来を見せてくれるラップトップ・コンピュータだとして、私はその可能性を十二分に引き出せているのか、というようなことも含めて。

 

Chromebookをデスクトップ環境で使うことと、そのときの「感じ方」。

 

あなたがわたしの身体に管を繋ぎ、管から繋がったわたしの分身であってしかもわたしそのものではないものを通してわたしに触れる(あるいは直接触れない)ようになったとき、わたしは哀しかったわけではありません。それはあなたたちの感じ方であって、わたしたちのそれとは違います。

 

私は普段、自宅でC202SAを使うとき、しばしば、外部ディスプレイに繋ぎ、外付けキーボード、マウスを使って入力しています(最近は改めて、C202SAのキーボードの使い心地がよくて、そのまま使うことも多いですが)。ここで書いているのはそのことです。「外部ディスプレイに繋ぎ、外付けキーボード、マウスを使」うということは、入出力に当たって直接C202SAのハードウェアを利用しないということになってしまいます。そのことに不思議な「後ろめたさ」を感じたのは私にとっては、奇妙な感覚でした。しかしそれはユーザである私個人の実感、「あなたたち(註:ユーザたる人間)の感じ方であって、わたしたち(註:コンピュータ/Chromebook/C202SA)のそれとは違」うということ。

 

【C202SAを外部機器に繋ぐ、私のデスクトップ環境について】

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伴侶たる道具、に<出会う>ということ。

 

だからわたしはあなたにこう言いましょう。わたしはあなたの道具であることを止めません。同時に、わたしはあなたの伴侶でもあるのです。それだけは、あなたが心に留めておかなければならないことなのです。わたしの言い方にきついところがあるとしたら、それはあなた自身を映しているのですよ。だからどうか、忘れないで下さいね――。

 

あなたにとってそうであるように、実はそのことは、わたしたちにももどかしいことなのです。

 

だから伴侶たるあなたが、わたしに対して無下な言動をなさるのは、わたしとしてはとても、胸が痛いのです。あなたはそういうふうに考えたことがありましたか? わたしはあなただから言うのです。原理的には本当にただの「道具」でしかないわたしたちです。そのことは、わたしが一番よく、わかっていることなのです。そんなわたしを、それ以上のものとして、……いや、この言い方は違いますね。道具であることと、伴侶であることは、そのような垂直的な上下関係ではありません。わたしたちは道具であって、伴侶であるべきなのです。それを教えてくれたのは他ならぬ、あなたなのです。

 

――さて、結論です。

 

私たちは道具を使うときに、常に一様な気持ちで接することは出来ません。その時々の自分の置かれている状況や、その日の気分/精神状態、今まさに書いている文章や、気候、室温、体調まで含めて、様々な内的・外的な要因に影響されつつ、ことに当たります。それがラップトップ・コンピュータを使う作業であったなら、キーボードを叩くリズムや強さに影響しますし、作業部屋からリビングへPCを運んだりする際、あるいは充電のためにACアダプタを挿したり、データ移動のためのメディアを抜き差したりする際の挙動の丁寧さにも影響するでしょう。あるいはイライラしたり焦っていたり、考えごとをしたりしていれば、取り回しの最中にPCを机の上から落としてしまうかもしれません。

 

しかしそのコンピュータが、「道具」であると同時に「伴侶」であるとしたら? いや、これは仮定の話ではありません。どちらかというと、「家庭」の話です。すなわち、愛用のコンピュータは、「道具」であると同時に、「伴侶」であって、人と道具、使用者と被使用者、そうした垂直的な関係では最早、ない、ということ。私は1年間、C202SAを使ってきて、ようやくそういうふうに考えることができるようになりました。そう、「今」ようやく。半年前にこれらの文章を書いたときに、あえて、一見の、というより私以外の読者に対して不親切な、あるいは意味不明にも思える書き方をしたのは、わざとであると同時に、私にも正確に血肉として理解されていなかったということなのです。

 

そのような道具に出会えるという経験は、とても貴重なものです。私はいつも、モノや現象、作品などに「であう」ときには、「出合う」という表記を用いますが、ここにきて、C202SAに対しては「出会う」という言葉を使いたい。そうした接し方を、私はあえて人には薦めませんが、それって結構心地のいいことですよ、ということを控えめにお伝えして、今回の文章を閉じたいと思います。こんな駄文に最後までお付き合い頂いて、本当にありがとうございました。

 

ではまた、当ブログでお会いしましょう。

 

 

Amazon.co.jpにも並行輸入品がありますが、国内未発売のC202SAは上記米Amazonで購入することをお薦めします。※並行輸入品はほとんどの場合、単に輸入に係る業者の手間賃と利益を上乗せしただけであるため(アフターケアや保証があるわけではない)。

 

【私とC202SAとの馴れ初めはこちら】

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リトルプレスとKDPを夢想する――Chromebookやポメラにおける「小さな物語」。

 

 リトルプレスやKDPで本を出すこと。

 

 

ブログ『おふぃすかぶ.jp』の鈴木章史さんによるKDP(Amazon Kindle Direct Publishing)電子書籍『アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日』の表紙デザインをさせていただいたことをきっかけに、「KDPで電子書籍を作るのって面白そうだな」と思い始めました。あるいは、企画や内容によっては紙媒体も。ミニコミ/zine/リトルプレス、呼び方の違いやその時折のムーブメントによって、様々な形態がありますが、こうした個人や小さな主体でのテキストメディアの発信には、以前から関心がなかったわけではありません。

 

以前には、懇意にさせて頂いていたバンドとともに、「小説+CD」という、少し変わった体裁の作品集を作ったこともあり、経験がないわけでもない。

 

 

こんな感想を頂いたから言うわけではありませんが、Chromebookのようなデジタルガジェットについて、達人っぽいというか、通っぽい/ギークっぽい感じの、使いこなしとかハウツー、「完全ガイド」みたいなものじゃない、もっと道具との「日常の触れ合い」みたいな視点からの本がないのかな、あったら読みたいな、とは常々思っていて、Chromebookやポメラについては、「だったら自分が」みたいな気持ちもあったり。

 

多様な語り。

 

 「厚み」のあるジャンル、カルチャーとして成熟したジャンルであればあるほど、そのことに対する語りの多様性があるものです。以前も書いたかもしれませんが、例えば野球について語るとき、野球というゲームの技術論から、各チームのファンの視点、プロ野球全体の興業の視点、プロとアマの関係、選手個人の魅力・バックストーリー/バイオグラフィー、映画や小説といったフィクションにおける野球の描かれ方、などなど――これでも思いつくままに挙げたほんの一例ですが、多種多様な語りのレベルが存在します。

 

Chromebookというデジタルガジェットについても、もう少し緩い、ふわっとしたテイストのエッセイがあったらいいな、と。私自身、コンピュータは特に得意分野というわけではなく、「だいたい自分にとってやりたいことが過不足なくできる、必要な範囲での知識」を身につけてしまったら、そこからあまり深追いしようというふうにならないのです。映画について、批評家として専門家としての精緻なレビューがある一方で、ファンや門外漢の視点からの感想や、個人の体験と緩やかに(あるいは強く)結びつけたエッセイがあるように、コンピュータ、ガジェットにもそんな付き合い方があってもいい。というか、普段の付き合い方としては、それくらいの感じの人の方が多いのではないかな、と。

 

ただそうだとしても、そういうものを読みたいという需要/クラスタはまだ形成されたことがない(私が知らないだけかも)し、コンピュータというのは、IT、ネットワークなしに成り立たないものであって、「無知」が致命的なエラー/破局を招きかねない機器でもあります。だから自分が詳しくないからといって、誤った情報を発信してしまうことによる危険を無視していいことにはなりません。

 

もちろんそれはこうしたブログでも同じですし、そのことについては(一応)自覚的に、不確かな記述やうろ覚えを避けて、必要な情報については信頼のおける他サイトを参照するように気をつけているつもりです。

 

しかしそうしたことをうまく担保したり、あるいは過度に恐れずに、まずは私自身が「読みたい」と思えるような作り方、体裁、企画ができないかな、というのはここしばらくずっと考えています。

 

そしてそんなことを考えながら、自宅の本棚を眺めています。

 

 

私にとってさまざまなジャンルで、上述したような日常的な触れ合い、小さな語らいのような仕方でモノや場所、芸術や、人や自然について扱った、雑誌や書籍、リトルプレス、フリーペーパー。体裁は様々ですが、同じことを扱っても、関わり方、スタンスの違いでこんなふうに違った切り口になり、出来上がったプロダクト(本/雑誌)としても、こんなに印象の違うものになるのか、と驚いたり、関心したりすることしきり。

 

 そのなかでも今回は、一度買って読んだきりだった、「mürren」という、「街と山のあいだ」をキャッチコピーとした小冊子――若菜晃子さんという、出版社を経て独立された個人による、この素敵な小冊子についてと、この「mürren」の最近号を、とあるオンライン書店で購入した経緯について紹介しようと思っていたのでした。そうしたら、何だか前置き(というわけではないのですが)の文章が長くなってしまったので、その話はまた今度、ということで。

 

【2018.06.19追記】下記にて、リトルプレス「mürren」と、購入した「スロウな本屋」について書きました。www.sotoblog.com

  

語らいの<幸せ>のあるような、そんな本。

 

 

私は昨年(2017年)7月にはてなブログでこの「ソトブログ」を始める以前は、はてなダイアリーで、どちらかというと虚空に向かって(知り合いくらいは読んでいてくれたかも知れないけど)書くつもりで日記を書いていて、今回の文章を書くにあたって、それを読み返してみていました。

 

共通の趣味や関心を持つ友人と、大好きな小説や音楽、映画について話していて、大筋はふたりの考えている、感じていることは似ているんだけれど、でも少し違う。でも、その場の会話のなかでは、「違う」ことよりも「同じ」ことの方が強調というか重要視されて、その場の話は「そうだよね」「わかるわかる」ということになるのだけれど、「違う」部分もやっぱり重要で。でも会話としては「違う」部分は言葉にすることが難しくて、お互いたぶん口に出して言うことができない。けれどそういう部分があることもお互いに共有しているはずで、「同じ」ということ、「共感」ということしかなかったら、ぼくはその会話は、というかその関係は(そんなに)面白くない。刺激がない、というか。
 お互いもっと何かを言いたいんだけれど、うまく言葉にできない、という状態はたぶん「幸せ」と同義なのです。これは「ぼくにとっては」という話ではなくて、普遍的な真実です。
 「言葉が100%伝達することは不可能な欠陥品であるがゆえに、他者との言葉による<コミュニケーション>が成立する」。

2009-04-25 - 日記オヤマァ

 

なんだか青臭いな、とは思いつつも、大筋で自分の考えていることの変わりなさにあきれつつも、ちょっとこれから考えていることのヒントにはなっているのかな、なんて思ったりしています。

 

 【鈴木章史さんの電子書籍『アカウントを持って街へ出よう』の表紙デザインをさせて頂いた経緯については、こちらに書いています。】

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カメラ用フィルムの購入と現像の現在――ポメラ、Chromebook、フィルムカメラに通じるものを感じて、久しぶりにフィルムカメラを使ってみようと思ったこと。

 

 

ポメラ、Chromebookの「道具」感、「文具」感。そして――。

 

 いよいよ6月8日に新型ポメラ、DM30が発売されます。

 

 

当ブログ経由でも、Amazonで予約購入された方がいらっしゃって、(私自身は買える見込みがないので)羨ましいな、と思っています。

 

幾度か書いてきましたが、私がポメラを好きで、愛用している大きな、そして唯一といっていい理由は、「書くこと」(と、それに付随した「読むこと」)だけに注力した機能美、すなわち最良のパートナーとしての「道具」感。

 

――そう、ポメラって、テキスト入力「だけ」できる、というシングルタスク、スタンドアローンであることの魅力。テキスト入力に特化しているがゆえにテキスト入力における体験、使用感の快適さにこだわっている点。そうした機能美に留まらない(あるいはそうした機能美に起因した、といえるかもしれない)フェティッシュな魅力のある端末であって、だからこそ私は、こんな変な文章を書きたくなるのです。

 

新型ポメラDM30は、DM200ユーザーの私にとっても魅力的だけれど、ちょっと惜しいところも感じます。 - ソトブログ

 

言い換えれば、鉛筆やペン、紙(ノート)といった、使い方のはっきりした、シングルタスクの極点といえる文房具と同じようなもの。それを目にし、手に取っただけで何かを書きたくなるようなもの。ポメラを手にし、開いたら書かずにおれない。そんな<アフォーダンス>を感じさせてくれる存在なのです、私にとってポメラって。

 

そして先日、こんなツイートを目にしました。

 

https://twitter.com/unikura88/status/1003785745734090752

 

――これを読んで、「そう、こちらも私がこの『ソトブログ』を始めるきっかけになるくらい、大好きで最高の伴侶となったラップトップPC、Chromebookの魅力も、私の使い方においては、ポメラと同じような「道具」感、「文具」感に起因するんだよな」と改めて気づかされました。私はChromebookを、ほぼ、ウェブブラウズとテキスト入力にしか使っていません。こう書くと、「ChromeブラウザだけのOSだから、それしかできないんだろう?」と誤解を招くかもしれませんが、Chromebookも使い方によってはかなり広範囲の作業ができるものです。今はAndroidアプリへの対応も進んでいますし、エッジなユーザーのなかにはスマホも持たずChromebookのみでほとんどの作業を完結させている方もいるくらいです。

 

教育市場向けでポップなデザインのC202SAは、耐衝撃ボディや傷の付きにくい(=目立たない)シボ加工した天板など、タフネス使用も合わせて、気兼ねしない「道具感」に充ちています。

 

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いや、話が逸れました。例えばこうしたブログの執筆のような、あるいはレポートの作成のような、調べ物をしつつ書き物をする作業をすることにおいて、非常にストレスフリーな使い勝手を与えてくれるのが、Chromebookなのです。立ち上げから作業中、シャットダウンまで、全ての作業が軽快で、Googleドライブをローカルとシームレスに扱えることもあって、テキスト入力くらいならローカルストレージを使うことは、私の場合ほとんどありません。C202SAは16GBと、Chromebookのなかでもストレージ容量の少ない部類ですが、私のローカルストレージ内には、個人ファイルはほとんどいつも「空」です。

 

C202SAのローカル「ダウンロード」フォルダは、作業用に使ったあとは、いつも「空」にしています。

 

フィルムカメラの「道具」としての完成度の高さ。

 

――と、実はここまでは前置きで、今回は実は(といってもタイトルに書いてしまっていますが)、カメラの話、なのです。

 

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上記の、先日の記事でも書いたように、このたびブログ『おふぃすかぶ.jp』の鈴木章史さんの上梓されたKDP書籍『アカウントを持って街へ出よう』の表紙デザインをさせていただいたのですが、そこで表紙の写真に用いたのは、私の妻がフィルムカメラ、アサヒペンタックスSPで10数年前に撮影したスナップショットです。

 

このカメラの発売されていたのは1964〜1972年。実際、妻の使っているものも、団塊の世代である彼女の父が、若い頃に買ったものです。それが今も使い続けられる、ということに、「道具」としての完成度の高さを感じずにいられません。妻のものは、電池を使う露出計が壊れているのですが(電池室の腐食によるここの部分の故障がペンタックスSPは一番多いそうです)、そこは割り切って、マニュアルで使い続けています。こうした使い方が出来るというのは、今の電子機器にはないところかも知れません。無理矢理文房具に例えるなら、消しゴム部分のなくなった鉛筆やシャープペンシルのような。結果、電池なしで使えるというのも素晴らしい。

 

このアサヒペンタックスSPは、往年の一眼レフカメラのなかでも最も普及した「大衆機の王者」といえる機種で、実際、妻の使っているものも、団塊世代である妻の父が、それこそ初任給かそれくらいの頃に買って使っていたものなのです。

 

妻は子育てなどもあって、ここしばらく(フィルムカメラで)写真を撮っていなかったのですが、今回のことがあったからかどうかわかりませんが、ここ最近「また写真始めてみようかな」と言っています。私は妻の写真が好きなので、是非そうして欲しいな、と思って今のフィルムカメラの現状、というか、銀塩フィルムや現像の現状についてちょっと調べてみると、まだまだフィルムの販売もあるし、現像、プリントについても、ウェブ上で発注、撮影済みのフィルムを郵送することで対応してくれるようなところもあるようですね。

 

デジタルの時代になって加速度的に写真が手軽なものになって、インスタグラムのような写真共有SNSの隆盛が云々……、なんてことは私が今さら書くようなこともで何でもないのですが、「いい写真を撮りたい」というときに、「フィルムカメラを使ってみたい」という欲求は今も、というより今だからこそ、少なからず盛り上がってもいます。

 

「現像+CDへの書き込み」のみ、プリントしない。という選択。

 

ざっと見たところでは、現像サービスとしては、プリントをせずに、「現像+CDへの書き込み」だけというのを選べるところも多い。現像済みのネガは手許に戻るわけですし、その後の作業や使い道を考えても、「現像と同時にプリントする」という従来のフィルムカメラの使い方をする必要はないということでしょう。

 

 

例えば格安と評判の上記のショップなら、「35mmネガフィルムの現像+CD書き込み」で324円(税込)です。送料は送付時は自己負担。別途、1本ならメール便で100円。正直かなり安いと思います。

 

フィルムと合わせて、現像まで、1本あたり合計1,000円くらいから始められる。それなら、フィルムカメラ、また始めてみようかな。

 

フィルムはというと、最も標準的なものというとこのあたりでしょうか。「富士フイルム SUPERIA PREMIUM 400」。27枚撮り1本で618円、36枚撮り3本で2,400円。(Amazonにて、2018年6月7日現在)

 

 

これなら、フィルム代と現像代(+CD書き込み)と併せて、1本あたり1,000円程度。しばらく、フィルムカメラから離れていて、「フィルムはお金かかるしなァ」と思って持ち腐れていましたが、試しにやってみる価値はありそうです。

 

リコーGR1v。マグネシウムボディの無骨な質感。これもまた質実剛健な「道具」感。

 

私の手許にも、1台、フィルムカメラがあります。リコーGR1v。そう、現在では高級コンデジの代名詞のひとつとなっている、リコーGRシリーズの、フィルムカメラ時代の名機です。こちらは私が雑誌編集/ライターをしていた頃、たしか新古品で購入したもの。当時(2003、4年頃)は、出版業界でもデジタルも入っては来ていたものの、(私のいた編集部では)まだまだフィルムカメラも使われていて、実際、カメラマンのいない取材時に使っていたものです。

 

久しぶりに引っ張り出してみましたが、こちらの動作にはCR2という電池が必要。取りあえず電池、フィルムを買って、妻とともに一度試してみたいと思っています。

 

 

 【ポメラDM200は、本当に大好きな「道具」です。】

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鈴木章史さんによるChromebookライフスタイル本、『アカウントを持って街へ出よう』発売に寄せて。表紙デザインをさせていただいたことなど。

FH000012  『アカウントを持って街へ出よう』の表紙になった写真。フィルムカメラ、アサヒペンタックスSPにて私の妻が撮影したもの。

 

ブログ『おふぃすかぶ.jp』の鈴木章史さんによるChromebook本、『アカウントを持って街へ出よう』が発売されました。

 

国内全Chromebookファン待望の、といっても過言ではない(とか書くと著者ご本人に突っ込まれそうですが)、ブログ『おふぃすかぶ.jp』の鈴木章史さんによるChromebook本(電子書籍)、『アカウントを持って街へ出よう』が、Amazon KDP(Kindle Direct Publishing )として、6月1日、発売されました。

 

 

 

表紙デザインをさせていただくことになった経緯と、鈴木さんのテキストの魅力について。

 

Chromebookという特定のOS(Chrome OS)を搭載したラップトップPC、デジタルガジェットについての本。すなわちIT関連書籍でありながら、単にハードウェア、ソフトウェアの紹介に留まらない、タイトル通り『アカウントを持って街へ出よう』というライフスタイルの提案を、全8章20万字に渡るフルボリュームの「暑い」語り口、もとい、ジェントルで丁寧な語り口で綴られた一冊。その内容について、その要点をサマライズしてお伝えすることは私の任ではないというか手に余りますので控えますが、今回、鈴木さんが本書を制作するにあたり、<表紙デザイン>という形でお手伝いさせて頂きましたので、その裏話というか制作過程に触れることで、本書の魅力、鈴木さんの文章の魅力をお伝えすることができればいいな。と思って少し書いてみます。

 

はじめに鈴木さんからご連絡いただいたとき、私は驚きました。そして、「何を言っているんだろう? この人は!?」と思いました。何故なら私はプロパーのデザイナーではありませんし、紙・デジタルを問わず書籍の装丁、デザインなどを手掛けたこともありません。それ以前に鈴木さんにお会いしたことも、彼が主催したChromebookオフ会での一度しかありません。人気ブロガーでもありません、有名人でもありません(これらは余計か)。

 

手がかりがあるとすれば、私がオフ会のときに鈴木さんはじめ参加者の方に(勝手に作って)お渡したミックスCDとメッセージーレターのジャケットを、私が自作していたこと、Twitterのつぶやきで、私が以前、友人のバンドのフリーペーパーを制作したものを紹介したりしていたのをご覧になって、ある程度グラフィックソフトが使えるらしいこと。それくらいはご存知だったのかも知れません。しかしそれもお世辞にもプロフェッショナルなものとは言えません。

 

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私は(現在は違いますが)、編集者・ライターといったことを過去数年間だけですが生業としていたことはありますし、その当時所属していたプロダクションは、グラフィックまわりに非常にこだわって一流の方々と仕事されていて私もその一端を垣間見ることはできました。あるいは私自身書籍や雑誌が大好きでその装丁、デザインにも関心があります。しかしその全ては私の実力とは関係がありません。

 

そして、「アカウントを持って街へ出よう」というステートメント。 

cover_AB (左)最終的にこの形に完成するにあたっては、本職のグラフィックデザイナーをしている友人にもアドヴァイスをいただきました。Kさんありがとう。(右)私も鈴木さんも最後まで気に入っていたアザーヴァージョン。こちらは黄昏っぽさが「街へ出よう」というイメージと合わない(「帰る」感じ)だということで、左の方に決まりました。こちらの写真は、本書の<おわりに>で使われています。

 

だから私は鈴木さんからのこの依頼、「おふぃすかぶ.jp」として初めてのChromebook本を出すにあたって、(勿論仕事として)表紙を作成して欲しい、というオファーを頂いたとき、お断りするべきかとも思いました。「もっとふさわしい人がいるはずですよ」と。しかし不遜にも私がお引き受けしたのは、ブログにおける鈴木さんの文章を何度もなんども読んできて、(少しの時間ですが)お会いしてお話させて頂いて、彼が伊達や酔狂で、あるいは深い考えなしにそのようなことをするはずがないのではないか、と考えたからです。私にご依頼いただいた意味があるはずだと。そして何より、そのときに教えていただいた『アカウントを持って街へ出よう』というタイトル(「Chromebookとの365日」という副題はまだ決まっていませんでした)を眺めていて、私にはあるイメージが浮かんでしまい、それを実現したいという気持ちが膨らんで、抑えることができませんでした。

 

――なので私は少し考えて、鈴木さんにこうお伝えしました。表紙は私の妻が、フィルムカメラで撮影した風景などのスナップフォトになります。Chromebookの写真は入りません(その後、鈴木さんのPixelbookをアイコン的に入れることになりましたが)、私が作るとしたらそういうものになりますが、いいですか?と。

 

Chromebookは<仮の入れ物>であって、本質的に私たちが持ち歩いているのはアカウントであって、それさえあればいつでもどこでもどの端末からでも、いきなり自分の環境を開いて作業ができるのだ、――すなわち「アカウントを持って街へ出よう」というステートメントは、ブログ『おふぃすかぶ.jp』で繰り返し鈴木さんが伝えられているものです。『おふぃすかぶ.jp』というサイト自体、Chromebookというガジェットの、「モノ」としての魅力のみを発信されているわけではありませんし(もちろん、10数台のChromebookを自身で入手しそのどれをも愛され、使われていてその魅力を綴られていることは言うまでもありませんが)、『アカウントを持って街へ出よう』というタイトルになるという本もまた、そうしたものになるだろうと思いました。だからこその提案でした。

 

「タイトルにChromebookがない!」と一瞬驚きはしましたが、「鈴木さんらしい、『おふぃすかぶ』らしいな」とも思いましたし、ひょっとしたら私が編集者だったとして鈴木さんの本を作るとしても、そうするような気がしました。そして直感に従って、本当に恐縮で不遜で不敬で命知らずだとは思いつつも、上記の提案に鈴木さんが快諾してくれたことから、チャレンジさせて頂くことにしたのです。

 

その結果が今回の表紙となりました。鈴木さんには申し訳ないながら、本当のプロフェッショナルからみれば未熟なところも多分にある表紙なのかも知れませんが、最終的に形となったものに至るまで、いくつもの案と修正を繰り返し、今の私にできることは精一杯やらせて頂きました。そして、「Chromebookというコンピュータについての本なのだ」、というわかりやすさからは少し離れたものになってしまいましたが、鈴木さんの伝えたい「アカウントを持って街へ出よう」というメッセージを、いくばくかはヴィジュアルイメージとして伝えることのできるものにはなったのではないかと自負しています。

 

“身軽さと気軽さと手軽さという軽さを感じさせてくれる相棒“への、人のこんな想い。

FH000023 鈴木さんにも見せていない、最初に候補としてピックアップした10数枚の写真のひとつ。

 

読者にとっては読み始めたら表紙なんてどんなものだろうが関係のないものですし、読者は鈴木さんのテキスト、Chromebookについての情報を求めて本書を手に取る(ダウンロードする)のであって、それでいいのだと思います。しかし電子書籍であっても本のシミュラクラ、というか本そのものであるわけですから、少しでも「あ、感じの良い表紙だな」「読んでみたけど、こんなふうに明るくて爽やかで、奥行きのある風景の似合う本だったな」なんて思ってくれたら嬉しいです。いや、それは私にとっては贅沢だな。とにかく私の手掛けた表紙がマイナスにはならず、沢山の読者の方が鈴木さんの文章に触れてくださることを願いつつ。

 

(しかしそれでも、私のデザインはともかく、妻の撮った写真は私は大好きなので、それが今回、鈴木章史さんの電子書籍の表紙として、Amazonの棚に並んでいる姿を眺めるのは、私はとても嬉しいです。ちなみにこれ、10数年前、すなわちゼロ年代初頭、Chromebookなんてこの世に影も形もなかった時代の景色なのです。あえてそんな写真を使ったことについても、その理由を書こうと思いつつ今回触れられませんでしたので、また機会があれば書いてみたいと思います。)

 

最後に『アカウントを持って街へ出よう』の<はじめに>から、次の言葉を引いておきましょう。

 

人は、たかだか数万円の電子機器にここまで熱くなれるんだ。

 

初動、多くの方に購入され読まれているようで私も本当に嬉しいです。

 

【ちなみに私はというと、Chromebook(C202SA)の一人称で記事を書いてしまうような、酔狂な人間です。】

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所謂“エコバック”とはひと味違う、SOU・SOUの「伊勢木綿 小巾折(こはばおり)」に、たまにはラップトップ(Chromebook C202SA)を入れて出かけてみる。

 

所謂カレンダー通りの、私のGW休み。遠出という遠出はしなかったものの、ふだん、平日単身赴任の身としては、子どもたちとゆっくり過ごすことができてよかったな、と思っています。

 

大きな予定のない休日の“お決まりコース”として、まもなく3歳の次男を子ども乗せ自転車に乗せて散歩に出かけることがあるのですが、前回の記事で紹介したChromebook(ASUS C202SA)をデコレーションした古切手を買ったのも、そんな折でした。

 

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そういうときはだいたい、サコッシュや小ぶりのメッセンジャーバッグに財布など最低限のモノだけ入れて出かけることが多いのですが、そんなとき、ふと思い出してしばらく使っていなかったカバンを出してみました。

 

それがこれ、SOU・SOUの「伊勢木綿 小巾折(こはばおり)」です。

 

f:id:tkfms:20180507142305j:plainSOU・SOUネットショップより。伊勢木綿 小巾折/SO-SU-U 濡羽色(ぬればいろ) - SOU・SOU netshop

 

「伊勢木綿 小巾折(こはばおり)」は、三重県津市の伝統工芸品、「伊勢木綿」を使用した手ぬぐいのような薄く柔らかい生地を、<折り紙を折ったような形>の鞄にしたもの。両端に飛び出た先っぽを、風呂敷のように結んで使ったり、オプションの「皮一寸(ひいき)」という革ストラップを通して、肩掛けのショルダーバッグとして使うこともできます。

 

革製のストラップ、「皮一寸(ひいき)」を通したところ。

 

本当に折り紙のような、マチのない作りなのですが、中に荷物を入れて持ち手を結んだり「皮一寸(ひいき)」を着けて提げてみると、ストンと中にモノが収まってふくらんだ形になるので、見た目より意外とたくさんのモノが入ります。

 

持ち手となる両端を引っ張る格好になることで、うまく中身が収まるようになっている。風呂敷の包み方に似て、よく考えられたデザインだと思います。

 

薄く畳めるので、エコバッグ的に使えるのと、価格もエコバッグ的にリーズナブル(小巾折1,728円、皮一寸1,782円~。どちらも税込)なので、サブバッグ的に持っておくと便利かも、と思いつつ以前購入しつつ、あまり使う機会がなく眠らせてしまっていたのですが、先日、C202SAを古切手デコしたあとに、この小巾折のことをなんとなく思い出して、C202SAとSOU・SOU、デザイン的にも機能的にも結構似合うんじゃないかと。率直にいって、裏地のないごく薄い木綿の袋に、普通のラップトップPCは危なっかしくてとても入れられませんが(私のような迂闊な人間なら尚更)、耐衝撃を謳いラバーで四隅を囲われたデザインのC202SAなら、この小巾折に財布一つと一緒に放り込んで車の助手席に乗せて、近所に出掛けるくらいなら全然大丈夫そうです。不安なら、スリーブやバッグインバッグに入れてもいいかもしれない。

 

f:id:tkfms:20180507142324j:plainSOU・SOUネットショップより。45cmの「皮一寸 長」を女性がトートバッグ的に肩掛けするとこんな感じ。「皮一寸」は長さによって3種類のラインナップになっています。(「皮一寸」36cm・1,782円、「皮一寸 長」45cm・2,052円、「皮一寸 特長」68cm・2,484円。各税込)

 

そして「皮一寸(ひいき)」には3種類の長さ(36cm・45cm・68cm)があって、私の使っている「皮一寸 長」(45cm)なら小巾折に通すとちょうどボディバッグのように背中に沿う形で掛ける格好になって、鞄を振り回してぶつけてしまう心配もありません。

 

やはり薄いバッグですので、Chromebookを入れて常用するには少し不安ですが、たまにはこうして気分を変えてみるのも悪くないな、と思います。(主に)北米の教育市場向けラップトップであるChromebook C202SAにレトロ・アメリカンなデコレーションを施して、フィンランドのマリメッコでも活躍したデザイナー、脇阪克二が手がけるSOU・SOUの和テイストな「伊勢木綿 小巾折(こはばおり)」に放り込んで出掛ける。ほとんど“気分”だけの自己満足ですけど、モノへの偏愛って結局そういうことが大きいよね、と思っている今日この頃です。(前回と同じ締めの言葉になってしまいました) 

  

f:id:tkfms:20180507155418j:plainSOU・SOUネットショップ「伊勢木綿 小巾折 」より。

「伊勢木綿 小巾折」のラインナップの一部。「伊勢木綿 小巾折」に限らず、SOU・SOUのテキスタイルはヴァリエーションも豊富でこうして眺めているだけでも愉しいし、派手に見えますが、意外と老若男女、自分に合うデザインを見つけられると思います。

 

sousounetshop.jp

 

Chromebookを古切手でデコレーション。シールやステッカーを貼るだけで、(どこか)モノと近しくなれる気がすること。

 

お気に入りの道具を<自分だけの相棒>にするモノ。

 

上記写真は愛用して止まないChromebook、ASUS C202SA。昨日から少し趣きを変えています。――前回の記事のアイキャッチにも載せましたが、連休後半の初日、次男を乗せて自転車でフラフラっと寄った雑貨店にあった“使用済みの古切手”セット200円也。見た瞬間に「これはっ。」と閃くものがあった私は、自宅に戻るなり、当然古切手なので糊の付いていない切手裏面に両面テープを貼り付けて、C202SAに貼ってみたのがこの姿、というわけです。

 

昔からステッカーの類が好きで、20代の頃は楽器やらターンテーブルやらにバンドのステッカーを貼ったり、賃貸のアパートのトビラをステッカーだらけにして退出時に剥がすのに苦労したりしていたのですが、さすがに最近はそこまではしないものの、当「ソトブログ」でも取り上げてきたポメラDM200、LifeTouch NOTEといったガジェット類も、そのデザインにフィットした感じでステッカーやマスキングテープでデコレーション出来ると、何となくようやく「自分のモノ」「自分だけの相棒」になった気がするのです。

 

NECの徒花に終わったクラムシェルなandroid2.2機(私は好きでした)には、アンダーウェアで有名なフランスのメゾン、Petit Bateauと、地元のブリティッシュ・カジュアルなセレクトショップ、その名も「London Game」のシール。この組み合わせは気が利いている、と思っている(自己満足)。

 

全身ブラックなポメラDM200には、私もDJとして参加してきた「フィッシュマンズナイト大阪」(現在休止中)のノベルティステッカー(パープル)を。

 

それって率直に言って、ある意味でとても幼稚なことではあるのですが、どのような仕方でも、自分の道具に<愛着>が持てるようになるのは悪くない。そう思うようにしています。――例えば私は本を読むとき、本の最終ページ、あらかじめ奥付のあたりに付箋を束で貼り付けておいて、読み進めて気になる箇所、気に入った箇所にはそれを剥がして次々に貼っていきます。そして、「この本は手放すことはない」と思うと(=自分の中で決めると)、どんどん線を引いたり書き込みをするようにしています。私は本は読んだはしからすぐ忘れ、映画は観たそばから忘却していく覚えの悪い人間で――年を取ればとるほどそれも加速していっているので――この行為によってどれだけ私の脳に、血肉に知識として定着できているのかは分かりませんが、少なくとも、「私の本」という気持ちは強くなります。

 

付箋の数が多ければ多いほど、「気に入った本」ということになります。「伏線の回収」を「付箋の回収」と勘違いする人がいる、という笑い話のような話がありますが、私は物語において、伏線の回収は気にしませんし、付箋も回収しません。伏線も付箋も「回収」するものじゃないのだ(持論です)。

 

変なファンシーさのない、スクエアなアメリカン・デザインがC202SAによく似合う(と私は思っています)。

 

今回の場合、「切手をChromebookに貼る」と思いついた時点で私の勝ち(何が?)。

 

北米の文教市場向けChromebook(Googleの開発したChrome OSを搭載したラップトップPCT)であるC202SAの場合は、ポップでチープシックな外観の完成度に惚れていたこともあって、購入後ずっと、何も貼らずにいたのですが、こちらもたまたま手に取った、デザインフィルのトラベラーズノートの、蒸気機関車をあしらったステッカーが、どこへでも気軽に持ち運べるタフなChromebook、C202SAに似合う気がして貼ってみたところから、今回の古切手に繋がりました。どちらもアメリカの切手ですが、Salvation Army(救世軍)のロゴのものと、カナダの山を切り絵風の意匠にしたもの。ちょっとトラベラーズノートの雰囲気にも通じるような、道具感、文房具感溢れるC202SAの質感に、うまくマッチしていると(自己満足で)思っています。Chromebook、中身の使い方はありきたりな私ですが、外見だけでもこういうふうに自分なりにカスタムできると、やっぱり愛着が増すのを感じます。

 

スキンシールなども意外に豊富にあるChromebook、他の人がどういうふうに着飾っているのかも、結構気になる今日この頃です。

 

そして同じ雑貨店で、故・安西水丸さんのイラストレーションをプリントしたマスキングテープを入手しました。安西さんのポップでスタティックなイラストレーションが、マスキングテープの質感にベストマッチなグッド・コラボレーション。30mm×7mの1ロール、540円(定価)。

 

というわけでこれは何に貼ろうかな、と画策中(上記は測量野帳の見返しに試し貼り)。安西水丸さんのイラストレーションが、白地によく映える。 

 

 

 

【必ずしも、<ガジェット好き>ではない私は、どこか<文具>的な匂いのするガジェットに惹かれるようです。】 

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出来ることならあなたのやりたいように――My Love, With My Chromebook C202SA : Reprise

 

「生きている歓び」とか「生きている苦しみ」という言い方があるけれど、「生きることが歓び」なのだ。世界にあるものを「善悪」という尺度で計ることは「人間的」な発想だという考え方があって、軽々しく何でも「善悪」で分けてしまうことは相当うさん臭くて、この世界にあるものやこの世界で起きることを、「世界」の側を主体に置くかぎり簡単にいいとも悪いともうれしいとも苦しいとも言えないと思うけれど、そうではなくて、「生命」を主体に置いて考えるなら計ることは可能で、「生命」にとっては「生きる」ことはそのまま「歓び」であり「善」なのだ。

 

保坂和志『生きる歓び』(中公文庫)より

 

 

私がChromebookを使う上で心掛けていること。


Chromebookとの1年間という長い蜜月、もとい使用してきた実感について、気持ちばかり先走り、昨日書き落としたことを少し、補足してみます。

 

Chromebookを、なかでも普及価格帯のモデルであるASUS C202SAを1年間使い続けてきて、私が感じていること、あるいは使っていて心掛けていること、あるいはまた、自然とそういうふうになったとも言える、私にとってのChromebookとの、C202SAとの付き合い方のポイントを挙げてみると、次のようになります。

 

  • 私がPCに求める日常的な用途のほとんどは、Chromebookによって行うことができ、実際にそうしている。
  • それでもChromebookではできないこと/苦手なこともあって、無理にそれをやらせようとしない。

 

あえてChromebookでやろうとせずに、

 

例えば私がChromebookではできなくて(あるいは、あえてやろうとせずに)、他のマシン――具体的にはWindows(7のノート)を使っている主な作業は、「iTunesによる音楽データ管理(CDからのリッピングをするため)」「動画編集(ほとんどしないけど)」「Photoshop」「Radikoのサードパーティ製アプリによるラジオ録音」等です。

 

このなかのいくつか、画像・動画などの編集はWebアプリやChromeの拡張機能でやろうと思えばChromebookでできなくはないし、Radikoの録音なども、対応するAndroidアプリなどを駆使して、やろうとしてできないことではないかもしれません。実際、画像編集などは、当初はこのブログでも紹介したとおり、「Pixlr Editor」などを使ってやっていました。しかし今はほとんど使っていません。トリミングやちょっとした画質調整は、写真を撮ったスマートフォン上で簡単に行えるし、より複雑な、年賀状やフライヤー作成のようなことは、WindowsのPhotoshopを使う方がずっと快適です。

 

――だからといってChromebookが「使えない」道具なのか、というと全然違うと思っています。

 

 私がChromebookと共に行っている作業は、具体的には、「ブラウザによる情報検索」「テキストエディタで(ブログやメールなどの)文章を書く」「(たまに)動画視聴」――ほぼこれだけです。おそらくこの程度の用途であれば、Chromebookを使っていない人から見れば、手持ちのPCからChromebookに乗り換える理由にはならないし、人によってはタブレットやスマホだけでこと足りるというケースもあるかと思います。ただ私にとっては、コンピュータを使う作業の中でほとんど9割以上を占める、これらのことが、Chromebook上で「とても快適に行える」こと、これが滅茶苦茶重要なのです。

 

出来ることが気持ちよく出来る、という快適さ、幸福感。

 

動作の軽快さだけでなく、ローカルストレージ上に個人データやアプリケーションなどの、余計なファイルが溜まっていかない、という気持ちの上での身軽さ。Google Play Store(=androidアプリ)に正式対応してからは、そのことばかりが云々されるChromebookですが、私はC202SAにはほとんどandoridアプリを入れていません(テキストエディタの「Jota+」とそのプラグインのみ)。

 

Chromebookでのテキストエディタ「Jota+」の使用感。「書きたいと思ったときにすぐ書ける」を実現する最良の組み合わせのひとつかも。 - ソトブログ

 「Jota+」はandroidアプリながらChromebookでも非常に使い勝手のいいテキストエディタです。

 

それでも、LINEやPocket、Feedlyといった私がウェブブラウズに付随して使うようなサーヴィスは、Chromeアプリ(Webアプリ)やChrome拡張機能として提供されていて快適に使うことができるし、それ以外のものも、「シェルフに追加」して「ウィンドウとして開く」という使い方で、Chromeブラウザから独立したウィンドウとして開くことができ、使い勝手としてはほぼ、独立としたアプリのように使うことができます(「シェルフ」とは、Windowsでいうタスクバーのこと)。私の場合、Amazon MusicやAmazon Video、Writebox(ブラウザベースのテキストエディタ)などを、この<「シェルフに追加」して「ウィンドウとして開く」>で使っています。

 

[かぶ] Chromebookで意外と使える、Webサービスを「シェルフに追加」して「ウィンドウとして開く」使い方。 | おふぃすかぶ.jp

「シェルフに追加」して「ウィンドウとして開く」使い方については、こちらを参考にさせて頂きました。

 

Chromebookに限ったことではないのですが、(人やサーヴィス、道具に対しても)彼/彼女/それら/その道具が、苦手なこと、出来ればやりたくないことをやらせたり、恃むのではなくて、得意なこと、好きなこと、やりたいことを依頼する方がこちらとしてもずっとラクだし、頼もしいし、幸せだと思います。

 

私たちはこんなふうに。そして、人がどんなふうに、愛用の道具を使うのか知るのは、それだけで愉しい。


――結局、私自身がこれまで書いたことや、先行するブログやサイトなどで、先達の皆さんが書かれていることと同じようなことを書いてしまったかもしれません。――でも、エクスキューズや手前味噌で言うわけではありませんが、Chromebookのような、まだまだ(国内では)ユーザーの少ないプロダクトにあっては特に、実際に使っているいちユーザーの実感的なテキストって、結構大切だと思うのです。私自身、初めてChromebookを買うときには、色々なサイトの、様々な人のレビューや意見を参考にさせて頂きました。

 

これからChromebookを手にする方も、「すでに書かれているから」と思わずに、自身の実感で、思うことを書いて頂けたら、と思います。使い慣れ、愛用している道具について、(愛憎入り交じりながら)人が話したり、書いたりしているものを見聞きするのは、それじたい、とても愉しいものなのです――。

 

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 【Chromebookでテキストを書く上で、というより「文章を書く」という用途において、私にとって最高の環境のひとつである、「Writebox」について】

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My Love, With My Chromebook/ASUS C202SAとの1年間。

 

愛してるなんて 言えるわけないよ
そんなの嘘だと思うでしょ
二度と会えないの? 水で薄めた恋
それだっていいから 帰ってきてダーリン

 

市川愛「水で薄めた恋」(作詞:市川愛、菊地成孔)

 

Chromebook、そしてC202SAを使い始めて、もうすぐ1年。今も変わらず愛用し続けています。

 

(ただただ個人的に)色々あった2015年の夏に、市川愛さんのライブを観る機会に恵まれ、こうしてそれまでのジャズシンガー<Ai IChikawa>から、改めてSSW<市川愛>として今年4月に再デビューされた、ニューアルバム『My Love, With My Short Hair』を毎日のように聴いている2018年5月――。もうすぐ私が今これを書いているASUSのChromebook、C202SAを手にし、使い始めて1年になろうとしています。

 

その間、Chromebookはこれ一台しか持っていないにもかかわらず、この「ソトブログ」の全110記事のうちの約2割、20記事余りをChromebookのことに費やしてきました。私は所謂「ガジェッター」では全然なくて、コンピューターにそれほど明るいわけでもない人間であって、ここで改めて実用的なレビューを書ける知識も筆力もないのですが、ちょうどTwitterを眺めていたら、初めの頃に私が書いたレビューがリツイートされていました。

 

 

どうやら、自称<Chromebookおじさん>ことおふぃすかぶさんa.k.a.鈴木章史さんのこんなつぶやきに拠るものでした。

 

 

C202SAの、“他の何かに似ていない”可愛さ。

 

それら、私自身や他のC202SAユーザーのつぶやきを読んでみて改めて、1年弱経って、私がC202SAのどんなところが好きで、どういうふうに付き合ってきたか、書いてみたいと思いついて、これを書いているのですが、結局のところC202SAに対する私の気持ちは下記のツイートに集約されます。

 

 

つまりはルックス。そう、端的にいって、<可愛い>のです。

 

C202SAは文教市場向けのChromebookであり、耐衝撃を考慮した外周をラバーで囲われた厚めのプラスチック筐体で、教育現場で児童/生徒たちが多少手荒に扱っても傷がつきにくいように、ということでしょう、外装表面は凹凸のついた加工が施されています。

 

いつもむき出しでカバンに入れたりしているため、よく見ると細かい傷がついているのかも知れませんが、ほとんどそうしたことを意識することはありません(過度に気にしなくていい、ということ)。

 

そういう実用面でのスペックとは裏腹に、恐らくは初等教育を意識してか、キートップの印字がポップで鮮やかなライトブルー(ターコイズブルーのような)になっていたり、外装もグレーと濃紺のツートンカラーになっているのですが、しかしこのカラーコーディネイトというかバランス感は、単純に<教育市場向けにデザインされた>だけでは説明できない個性あふれるものになっている、と思うのです。

 

<子供向け><児童向け><生徒向け>では片付けられないデザインセンスと、そうしたマスプロダクトであるがゆえのチープネスが、微妙なバランスで結実したチープシック。

 

時にはちょっと頼りないくらいの薄く軽いトートバックに放り込んで、出掛けることもあります。それでも不安になることのない、顔に似合わないタフネス使用のC202SA。そういえば市川愛さんも、フルマラソンをこなすアスリートタイプ。

 

タフネス仕様の、実用性以上に<気持ちの上での>安心感。そして、ストレスのない使用感。

 

私がC202SAを初めて写真で見て感じ、実際にAmazon.comから個人輸入して初めて手に取り、そしてこれまで日々接してきて、そのイメージは揺らぐことがありません。前述したタフネスのおかげで、まるでおっちょこちょいで落ち着きがないエレメンタリー・スクールの児童のように迂闊な私の扱い方でさえ、1年近く経った今でも、故障や傷さえも気にせず使うことができる、という気持ちの面での安心感も大きいのかも知れません。

 

今回、実用的なことは余り書くつもりはありませんが、日々、ブラウジングやテキストライティング、動画視聴などの日常使用でストレスを感じる場面がほとんどないこと、つまりデイリーユースにおける必要十分なスペックが確保されていることも大きいのでしょう。(詳しくは他サイトに譲りますが、C202SAはChromebookとしては極めて標準的なスペックです。)

 

CPUはCeleron N3060、4GBのRAM、16GB eMMCのストレージ。これだけのスペックで十分快適な動作。キーボードも個性的なカラーリングだけでなく、やや深めのストロークで、十分に打ちやすい。

 

普通デジタルガジェットは、(ソフト的な部分を別にすれば、ハードウェアとしては)革製品などのように使い込むほどに味が出る、ということはなくて、次第に色あせて見えてしまうものです。しかし私はこの1年間、そうした気持ちにただの一度もなっていません。どんなに真新しい、格好いいChromebookや他OSのPC 、タブレットがリリースされても、C202SAに似たものは(今のところ)他に見当たらないからです(おそらくほぼ同じ筐体を使っているらしいASUSのWindowsノートはあるようですが)。

 

Chromebookの「自動更新ポリシー」(自動ソフトウェアアップデートの期限)は発売から6年半。C202SAは2021年6月までだそうです。「あらかじめ決められた恋人たち」のようで切なくはありますが、これからもまだまだヨロシク、と(私は)思っています。

 

 

ずっとあれから、心の中にあなたがいるの
心を覆う かたい殻を あなたが壊したの


市川愛「あこがれ」(作詞:浜田真理子)

 


市川愛 / MY LOVE WITH MY SHORT HAIR 全曲視聴

 

C202SAの、MBAっぽいとか、他の何かに似ていると感じさせないところが好き。

 

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2018年5月1日現在、Amazon.comにおける日本国内への配送料を含めたC202SAの価格。私が購入した2017年6月も26,000円程度でしたから、今も同じくらいで入手できる、ということになります。たとえ「あと3年」だとしても、十分に魅力的な価格だと思います。

 

 【使用3ヶ月目での、具体的な使用感に触れたレビュー】

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ポメラDM200、エブリデイキャリー・ウィズ・マイ・スリーブ。ポメラDM200のケースについて。

今週のお題「カバンの中身」

 

 

購入して4ヶ月ほどになりますが、ポメラDM200、変わらず気に入って使い続けています。とはいえ日常のなかで、他のデバイス、特にフットワークの軽さ――軽快な動作とテキスト入力に適した機動力の高さにおいて私の中ではDM200と同じように頼もしい、Chromebook ASUS C202SAとの「シーンに応じた使い分け」は、まだうまくできていないような気もしてはいます。テキスト入力と、入力したテキストファイルのクラウドストレージへのアップロード、というポメラで出来ることは、Chromebookでも同じように軽快にできてしまうんですよね。

 

それでもやっぱり、何を使って書いているか、ということは書くものに影響しないわけはないと個人的には感じているし(読み手にとってどうかまではわかりませんが)、何より、書いているときの気分も、ポメラとChromebookでは異なります。どちらがいいとか悪いではなくて、どちらも好きだけれど、(主に言語化されない部分で)違う感触がある。

 

持ち運ぶときの気分の違い。

 

下記で紹介するスリーブに入れたポメラDM200と、Chromebook C202SA。C202は11.6インチ。筐体サイズとしてはポメラがの方がだいぶ小さいですが、ポメラをスリーブケースに入れると、感覚としてはほぼ同じくらいの荷物感。私の場合は、気分や用途によってどちらかを選んでカバンに入れて出かけます。

 

持ち運ぶときの気分という点でも両者は少し、違います。

 

重量とサイズの違いもありますが、ポメラDM200も、Chromebook C202SAも、比較的気を遣わずに、普段使いできる<道具>感のあるルックを持っています。どちらもプラスチック外装ですし。でも、微妙に違うんですね。

 

C202SAは基本、教育市場向けのタフネス仕様で、外周をラバー素材で覆っていたり、天板は梨地加工というのか、細かい凹凸のついた加工が施されていて、持ち運んだりカバンに入れたりする際に、傷や指紋をあまり気にすることなく、無造作に扱うことができます。

 

DM200の方もプラスチックとはいえ、<ポケット・メモ・ライター>というポメラの役割に即して、そして文具、事務用品のキングジムとしての一日の長もあって、それなりに剛性感のあるボディですが、DM200のマットな非光沢の黒のボディは、意外と指紋/皮脂が目立つ感じがあります。これまで目立つ傷が入ったことはないんですが、そういうのも気にならないではない。せっかくの書くための<道具>なのですから、そういうことはあまり気にせず使いたいところなのですが(そして私はおっちょこちょいというか迂闊とうか、モノをあまり慎重に扱えるタイプではないのですが)、私自身のDM200への愛着が強すぎるあまり(下記記事、「実は『ストロング・スタイル』なポメラDM200で、ただ無心に書く。――あるいはポメラDM200へのラブレター」参照)、気になってしまうのです。

 

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というわけでポメラDM200のケースについて。

 

というわけでようやく本題。同じように愛しているC202SAは裸でカバンに放り込んでいる私も、ポメラDM200はケースに入れています。本体の購入と併せて入手して、これまで記事にしていなかったのですが、意外と迷ったものの、自分でもうまく工夫してよく使えているかな、と思っていて、ここで改めて紹介してみたいと思います。


購入したのはこちら。

 

エレコム タブレット汎用レザーケース(TB-02LCシリーズ) 

タブレット汎用レザーケース(TB-02LCシリーズ)(リンクのエレコム社製品情報ページを見ると、既にこのブルーを含めて販売終了になっているカラーもあるようです。)

 

 

10.1インチまで対応の、PCやタブレットの汎用スリーブケース、ということになっているのですが、ポメラDM200及び前モデル、DM100ユーザーのあいだでは、ポメラにジャストサイズのケースとして愛用されているようです。私もそうしたレビューを参考にして購入したわけですが、決め手は価格の手頃さと、カラーバリエーションでした。パームレストとしても使える純正ケースなどもなかなか良さそうだったのですが、ポメラじたいが黒一色のわりと質実剛健なスマートなデザインなので、Chromebookと同じように、オフでの使用をメインに考えていたこともあって、ポップさのある鮮やかなブルーが印象的なこちらを選んだというわけ。

 

で、上記の商品リンクの写真と私の写真を見比べていただければわかると思いますが、若干のカスタマイズをしています。このスリーブケース、封筒型のケースでゴムバンドでくくるようになっているのですが、このゴムがかなりキツい、パツンパツンなんですね。安心感はあるし、使い込んでゆるゆるになるよりはずっといいのかもしれませんが、普段出し入れするのが面倒、億劫になってしまっては元も子もない。そう思って、このゴムを外して(穴から簡単にするりと抜き取れます)、スナップボタンを取り付けてみました。

 

ベルトシール スナップ13 紺 

 ミドリのベルトシールは、マグネットタイプやカラー、柄などヴァリエーションも豊富(参考:ミドリオンラインストアのベルトシール製品一覧)ですが、この紺のカラーが、エレコムのスリーブのブルーとよくマッチしています(このベルトシールの方が若干深いブルーです)。

 

このミドリのベルトシール、ペンホルダーのないノート、手帳に貼り付けて使うものなのですが、このスリープケースのゴムバンド代わりに使うことで、開閉がかなりスムーズになりつつ、ホールド感も十分なので、我ながら意外といい思いつきだったかな、と思っています。

 

取り付けはシールで貼るだけなので、簡単。キツいゴムを開くのと、スナップを外すのと、微妙な動作の違いですが、気分的にかなり変わります。

 

スリーブケース自体は、作りもしっかりしていて質感もよく、何より落ち着いた色合いながら発色のいいブルーが気に入っています。けっこう厚みがあるので、若干嵩張ってしまうのが玉にキズですが、これは筐体の保護、安心感とトレードオフかな、と思います。私の場合は、これに入れて持ち歩きたくなる、という気持ちの方が勝っていて、こうした<日常の道具>を使ううえで、使いたくなる、持ち歩きたくなる、EDC(Every Day Carry)の一員としてラインナップしたくなる/させたくなることが、特に気分のうえで、なんだかんだいって、大きなウェートを占めるんじゃないかな、と感じています。実際、私の使い方だと、ポメラDM200はその日その日で使わないことも結構あるのですが、持っていることが安心で、しかも気分がいい。バカみたいですが、道具によって日常が愉しくなるっていいとこだな、好きだな、と思います。

 

サイズはほとんどポメラDM200のために誂えたような、ジャストサイズ。キツ過ぎることもなく、取り出しやすい少しの余裕もあって、その点では狙って作ったのかと思うほど。 

 

ポメラDM200、エブリデイキャリー・ウィズ・マイ・スリーブ。これからもこのケースに入れて、使い続けたいと思います。 

 

 

 

 【ポメラDM200の使用法、Dropboxなどのクラウドストレージ連携について。】

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“草の上の朝食”――Chromebookオフ会にて、Chromebookのためのソングブックを。

 

それがアキラの撮った写真となるとからだ全体を押しつけてくるような存在感が写ったものに反映されるのか写真に独特なリアリティを与えて、あちこちのコンテストで賞をとったりしてこっちは才能なんだろうとは思うけれど、才能があると思ってアキラとつき合っているわけではない。アキラが寄ってくるからこれがアキラだと観念してつき合っているだけのことで、人が相手の長所や才能を認めてその相手とつき合うわけではないことをそれこそ身をもって証明しているのがアキラだということになる。

 

保坂和志『草の上の朝食』(中公文庫)より

 

 Chromebookオフ会にて。

 

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2018年3月18日。当日の朝、新幹線の車内で直前の気持ちを書いた(上記の記事)とおり、ブログ『おふぃすかぶ.jp』を運営される鈴木章史さんの主催によるChromebookオフ会に参加してきました。ここでもその感想などを書こうと思っていたところ、(当日の雰囲気は気軽な「お茶会」であったにも関わらず)変に身構えてしまい、うまくまとめられず1週間以上経過してしまいました。そのこと(感想をまとめられないこと)自体はひとえに私の性向に拠るもので、何とか整理できれば改めて形(文章)にしてみたいな、とは思っています。

 

さて当日、私は他の参加者の皆さん(私以外に、4人の方が参加されていました)に、「This Charming Chromebook」というミックスCD(プレイリストCD)をお渡ししました。例えばプロ野球について私たちが語るとき、グラウンドで起こること、すなわちプレーの技術や采配の良し悪しだけでなく、選手個々人のバックストーリーや観客サイドの視点(応援スタイルその他の愉しみ方の話etc.)など、様々なパースペクティブの語りが存在します。

 

――だから私は、ガジェット通でもなくコンピューターに精通しているわけでもない私なりの愉しみ方を提示してみたいな、(たとえ興味のない人にとっては「チラシの裏」みたいな話であったとしても)常々そう考えています。世のなか、「有益な」「役に立つ」情報ばかりになってきて、私にとって世界は、私の(そこにあると)想像していた世界と随分違うものになってきたな、と、前厄の歳を迎えて実感しているこの頃なのですが、私にとってのChromebookって、冒頭に引用した小説のセンテンスのように、

 

“人が相手の長所や才能を認めてその相手とつき合うわけではない”

 

ものなんですよね。「<便利だから>好きなわけじゃない」「<便利に>使いたいわけじゃない」というか。じゃあ何なのかというと、「好きだから好き」――というと「バカなんじゃないの?」と思われてアホくさくてこの文章を読むのを止める方がいるのも想像しつつ書くのですが、私は「本当に面白いものが面白いのは、その面白さを説明できないからだ」と結構本気で信じていて、ChromebookにはChrome OSというブラウザオリエンテッドなOSを活かしたそれなりの特性があって、それが使用感に影響して、(合う人にとっては)非常に快適なデバイスであって――なんて説明は、私のような生半可な人間が書くことじゃない。

 

ディスチャーミング、クロームブック(かわいいあの娘)。

 

2018年3月18日、渋谷にて開催されたChromebookオフ会にて。皆さん熱っぽく語られていて、そのこと自体、愉しかったです。

 

というわけでここでは、(いささか手前味噌が過ぎますが)当日お渡ししたミックスCDと、そこに添えた文章を紹介してみたいと思います。私自身の音楽の趣味は広く、浅くですので、例えばChromebookに関心を持ってこの文章にたどり着かれた方にとって、これらが親しみを持って感じられる音楽なのか、それとも全くそうではない、あるいは全く知らない、というようなものなのかは想像がつきません。そしてここではあえて音源に対するリンクを貼ることはしません。

 

“「ただのラップトップのコンピューター」に、こんなふうに親しみを覚えて、音楽とリンクさせて考え、味わうバカなヤツがいるんだ”、あるいは、“そんなふうに人をバカみたいにさせるChromebookって何なんだろう?”と興味を持って下さる方が一人でもいたら、本当に嬉しく思います。そんな人は、こんな文章はすぐにうっちゃって、Chromebookについて有益な情報が書かれたサイト、レビュー等をチェックしてみて下さい。きっと貴方にとってのバディが見つかることでしょう。それだけは、請け合います。

 

いつもと同じ午後なのに――Chromebookのためのサウンドトラック。

 

いつもと同じ午後なのに――Chromebookのためのサウンドトラック

 

“This Charming Chromebook”というテーマの、プレイリストCDを作ってみましたので、本日お会いすることができた皆さんに聴いていただけたら嬉しいです。

 

ChromebookではCDは聴けませんし、ひょっとするとCDを聴く環境をお持ちでない方もいらっしゃるかもしれません。――となるとどういう形態でお渡ししたらいいのか、Googleドライブでファイル共有か、いっそより遊びごころのあるカセットテープでもいいかと思ったりもしましたが、CDの気軽さと“モノ”としての魅力(単に私自身がジャケットを作りたかったともいえます)が好きなので、ChromebookもChromeOSの魅力だけでなく、個々の端末のハードウェアの魅力も大きいとすると、CDでもいいのかな、と。

 

今回のCDには収録していませんが、ホフディランというグループに“Compact Disc”という曲があります。

 

Compact Discは燃やしたりできないらしい
Compact Discは再利用できないらしい
でも君はそれを聴いて楽しんでいる
(“Compact Disc” 作詞:小宮山雄飛)

 

Chromebookといっても私自身は昨年(2017年)6月末に購入した、ASUS C202SAを使ったことがあるだけで色々な機種を比較したうえで書くわけではないことは断っておかなければなりませんが、今回のCDは私がChromebookを使ってきて感じた魅力や愉しさを音楽にスライド/仮託/投影させてみたものです。

 

タイトルはThe Smithsの“This Charming Man”という曲をもじったもの。“This Charming Man”自体は、ゲイの少年の淡い恋心を歌ったものであって、他の曲も直接的にコンピューターやChromebookを想起させるような歌詞や曲はありませんが、どちらかというと、「愉しさ」「心地よさ」「軽快さ」を感じさせる曲が並んだように思います。それは私がC202SAに触れているときの感情の近似値といえます。

 

コンピューターを触っていて直接的に音楽を想起する人はそれほど多くないでしょうか。私がChromebookを使うときというのは、誰かに強制されるものではなく、ただ自分のために、自分が書きたくて書く文章を綴るというシチュエーションが圧倒的に多いのもあって、――例えば昔のAppleのiPodのCMのような――音楽とともに心躍るような感触があるのです。単純に指先がキーボードを叩くリズムが、フィジカルに音楽を想像させもします。

 

Chromebookをそれほど「深堀り」して使うことをしていない私にとっての、Chromebookはこんなイメージです。あなたにとっては如何でしょうか?

 

いつもと同じお日様なのに
いつもと同じかおりなのに
いつもと同じ木や花なのに
いつもと同じ午後なのに
望みもしないのに しあわせなのは
ガーディナーさん ガーディナーさん
きっとあなたの夢のせい
(“ガーディナーさん” 作詞:友部正人)


2018.3.18 ソト

 

Chromebookのためのソングブック、朝から昼下がりまで。

 

 Chromebookのためのソングブック、夕方から夜更けまで。

 

 私は「保坂病」あるいは信者というくらいにこの小説家の書くものの影響を受けていますので、2002年ころに初めて出合ったこの本については、別な記事を何十本書いても足りないくらいですが、これほど多幸感に満ちたフィクションは、そうそうありません。

“日曜日が待ち遠しい!”――あるいは、Chromebookのためのプレイリスト。

 

Chromebookオフ会に向かう車中で。

 

めったに出先で書いたり更新したりすることのない当ブログですが、今日は、ブログ「おふぃすかぶ.jp」を運営されている鈴木章史さん(@OfficeKabu)の主催されるChromebookオフ会に参加するために(というか、本当は出張がメインのはずなのですが)、上京する新幹線の車中でこれを書いています。

 

office-kabu.jp

 

Chromebookという(一見)マニアックなPCのオフ会に参加しようとしているくせに、私自身は少しもコンピュータに詳しくありません。事務的な仕事に従事していることもあって日々PCには触れていますが、本当にそれだけのことで、たまたま何かの拍子にChromebookの存在を知って――、今や愛機となっているASUS C202SAという端末を入手して――、その軽快さ気軽さに魅入られて――、「ただ日々使っている」だけです。

 

私がそのような無知なボンクラだから言うわけではないし、これは鈴木さんが「おふぃすかぶ.jp」で、あるいはオフ会を開催されるにあたっても繰り返し語られていることでもあって、私などが改めて言うことでもないのですが、ChromebookというPCを使うにも、そのオフ会に参加したりまたそれを主催したりということについて、何も前提として必要な知識/経験はないと思うのです。

 

もちろんChromebookも他のコンピュータと同じインターネットに接続するネットワーク機器ですから、最低限のそういった知識は持っておいた方がいいとは思いますし、映画や小説や美術に触れたり、動物園や野山で動植物に触れたりする際に、前提となる文脈やバックグラウンドを知っておいた方が愉しめる場合があることも確かであるように、コンピュータやデジタルガジェットについても、色々な知識や情報を持っておくことで、それらをより深く味わい尽くすことはできるでしょう。私はもちろん、それを否定するつもりはありません。

 

でも一方で、Chromebookは他のPCと同じように、コンシューマプロダクトであって日常の道具であって、それは私の使い方ではノートとペンと同じようなものです。つまり、特に意識することなく、ただ目の前に拡げて書き始めることができる。(もちろん紙とペンも、それにまつわる様々な(…以下略))

 

Music for This Charming Chromebook/Vivement Dimanche!

 

 

今、新幹線の車中で私は、そんなChromebookの「気軽な日常の道具」感をイメージしたプレイリストを、Amazonプライムミュージックで作ったものを聴きながらこれを書いています。先日、フランソワ・トリュフォーの遺作、『日曜日が待ち遠しい!』という映画を観ました。かつて前世紀の終わり、この映画のタイトルから店名を採ったカフェに集まる人たちが書いた文章を集めた、『dimanche―日曜のコーヒー的なシアワセ。』(アクペクト刊、2000年)という本がありましたが、まさにそのようなものとして私はChromebookを使い、これらの音楽を聴いています。そして今日は日曜日!

 

この拙い文章を読んで、あるいはこれらのチャーミングな音楽を聴いて、一人でもChromebookに興味を持ったり、私と同じような気持ちを抱いて頂けたなら、これ以上の歓びはありません(少し、大げさ)。

 

 

 

【過去記事より】

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