“全然鳥がいなくても”――全ての野鳥愛好家に贈る、Best Songs for Birders Vol.2

“バーダーのためのプレイリスト、鳥全然いないヴァージョン”。
ジョニ・ミッチェル「Big Yellow Taxi」の鳥たち。そして世界を鳥の眼で見るように。
プレイリスト「2022.02_全然鳥がいなくても（Best Songs for Birders Vol.2）」

“バーダーのためのプレイリスト、鳥全然いないヴァージョン”。

　“野鳥好きのために鳥にまつわるプレイリストをAmazon Music Primeで作成する”。そんな無茶で、（わたしにとっては）愉しみしかない試みを4ヶ月弱、12回に渡って毎週続けてきたシリーズ投稿「Birders' Songs（バーダーのためのプレイリスト）」。前回（下記リンク参照）は“各回から鳥にまつわる曲だけ（若干の例外あり）を集めたベスト・プレイリスト”を紹介しましたが、今回はその逆。

全ての野鳥好き、バーダーに贈る、野鳥ソングベスト盤的プレイリスト。――“梢のはざまから”（ Best Songs for Birders Vol.1） - ソトブログ

　つまり、“バーダーのためのプレイリスト、鳥全然いないヴァージョン”。いよいよバロック、ロココというか退廃的な趣向ではありますが、アウトフィールドでの探鳥行でも、お目当ての鳥がいないどころか、全く鳥が見当たらない、鳴き声さえしない。そんなことも、ないことではありません。――そしてそんな時こそ、音楽で心躍りたい。そんな気持ちを込めて作ったプレイリストです。そして実際、全然、鳥と関係のない曲ばかり（実は、一部例外あり）。

　これまでの連載からのベスト盤という意味合いから、過去11回（前回のBest Vol.1を除く）から選曲するつもりでしたが、そのままでは面白くない、愉しくない（わたしが）、という前回の「梢のはざまから（Best Songs for Birders Vol.1）」同様、これまで取り上げたアーティスト、曲の別ヴァージョンや別の曲、あるいは繋がりのあるアーティストの曲もセレクトしました。

ジョニ・ミッチェル「Big Yellow Taxi」の鳥たち。そして世界を鳥の眼で見るように。

　するとどういうわけか、というか途中から完全に意識的に、女性アーティストの曲――ないし、フィメール・ボーカルがft.された曲――ばかりを選曲することになりました。無意識に細くピッチの高い、鳴禽のさえずりを音楽に探すように、フィメール・ボーカルの曲を求めていた、というより、出来るだけup to dateな、あるいは昔の曲であっても現代的な意味のある楽曲をセレクトしたい、と考えているうちに、自然にそうなった、という感じ。

　M02、BLACKPINKのアコースティックヴァージョンの「WHISTLE」の口笛は鳥のさえずりを思わせるし、M03、ジョニ・ミッチェルの1970年のアルバム『Ladies of the Canyon』からのシングル「Big Yellow Taxi」は当時から問題になっていた環境問題を取り扱った曲で、都市開発や環境破壊によって鳥や虫たちがその棲処を追われつつあることに警鐘を鳴らしている。やっぱりここにも鳥はいた！

　わたしが気がついていないだけで、他にもこのプレイリストのなかに、鳥たちに、鳥たちとわたしたちの関係に、繋がりのある曲があるかも知れません。野鳥観察も、音楽を聴くことにも、自然界にも人間の営みにも、それぞれの繋がりにも、奥深い世界がもっともっと拡がっている。

　それを探しに、世界を鳥の眼で見るように、「Birders' Songs（バーダーのためのプレイリスト）」もこのブログも、長く続けていきたい、と思っています。

プレイリスト「2022.02_全然鳥がいなくても（Best Songs for Birders Vol.2）」

※以下、選曲は全て、「演者／曲名」で表記しています。
※下記プレイリスト名のリンクをクリックすると、Amazonプライム会員の方は、Amazon Musicで聴くことができます。

「2022.02_全然鳥がいなくても（Best Songs for Birders Vol.2）」（選曲：ソト）

M01. Anna of the North／Dream Girl (Home Made)
M02. BLACKPINK／WHISTLE (Acoustic Ver.) -KR Ver.-
M03. Joni Mitchell／Big Yellow Taxi
M04. HAIM／Gasoline [feat. Taylor Swift]
M05. Blu DeTiger／How Did We Get Here? [Explicit]
M06. Catherine Feeny／Mr Blue (new version)
M07. Mari Pokinen／Maa
M08. 坂本美雨と蓮沼執太クルー／おとぎ話(Live ver.)
M09. Phoebe Bridgers／Kyoto
M10. Daniel Caesar／Best Part (feat. H.E.R.)
M11. La Roux／International Woman of Leisure
M12. Pete Yorn & Scarlett Johansson／Wear and Tear
M13. Feist／1234