ソトブログ

文化系バーダー・ブログ。映画と本、野鳥/自然観察。時々ガジェット。

ソトブログ

“僕と似た鳥よ”――Birders' Songs(バーダーのためのプレイリスト)005

 

この記事をシェアする

Birders-Songs-005

インドア派バーダーが野鳥とミュージシャンに託す、妄想的音楽シリーズ企画、第5弾。

 

 インドア派バーダー(勿論、フィールドへ野鳥観察へも出かけますが)のわたし・ソトが、バーダーのためのミュージック・プレイリストをAmazon Musicで選曲。という酔狂な企画シリーズ"Birders' Songs"も、今回で5回目であって、自分のなかでは勝手に腑に落ちている、定着していると思ってしまっているのですが、いかがでしょうか。野鳥観察やアウトドア・アクティヴィティの好きな、素敵なカフェや本屋さん、アウトドアショップなんかで、「今日はなんかかけるもの、聴きたいもの見つからないなァ。」なんてときに、この“Birders' Songs”のプレイリストが、わたしの知らないところでかかっていたら――なんて妄想をしてひとりで悦に入っている時点で、破綻しているかもしれないこのプロジェクト。

 

タイトルも音楽も、完璧な「鳥ソング」、折坂悠太「鳥」。

 

 けれど、今回は完全無敵の鳥ソング、その名も「鳥」を見つけてしまったので、もうそれだけで完璧じゃないかと思っております。 折坂悠太さんの「Amazon Musicへの楽曲リンク


 花鳥風月を愛する日本人に限らず、鳥は世界中の文化史のなかで人々の詩情、アイデンティティを仮託するものであったり、芸術的価値を見出されてきたものであると思うのですが、 折坂悠太さんのこの「鳥」は、――苦境に立たされた人たちを描写しながら歌い手の「僕」と重ね合わせつつ、それを「僕と似た」鳥に思いを乗せていく。そんな重層的な心情を歌っているようにわたしには思えるのですが、わたしたち=人間のことを歌っているようでいて――、獲物を目がけて急降下してくる猛禽類。小さな身体に脂肪をたくさん蓄えて、命がけの超長距離の「渡り」をするシギ・チドリたち。それらを尻目に、留鳥の公園のカモたちが水面を悠然と泳ぐ姿。具体的で、だからこそわたしたちにとって「慰め」になるような、そんな光景が、自然と思い浮かぶのです。愉しいことを歌っているとは思えない歌なのに! 音楽というものの「無敵さ」を思い知らされた1曲でした。

 

 今後も、できうる限り「鳥」「bird」といった検索ワードに頼らずに、こうした素晴らしいBirders' Songに出合えるよう、選曲していきたいと思います。「Birders' Songs(バーダーのためのプレイリスト)」という記事シリーズは、毎週月曜更新予定です。次回もお楽しみに!

 

モズ-1106 写真はモズ(2021.11撮影)

 

プレイリスト「2021.12_僕と似た鳥よ」

※以下、選曲は全て、「演者/曲名」で表記しています。
※プレイリストのリンクをクリックすると、Amazonプライム会員の方は、Amazon Musicで聴くことができます。

2021.12_僕と似た鳥よ」(選曲:ソト

M01. Elliott Smith/Between the Bars
M02. Neutral Milk Hotel/In the Aeroplane Over the Sea
M03. LCD Soundsystem/All My Friends
M04. 折坂悠太/鳥
M05. José Gonzales/Heartbeats
M06. Meadows/The Only Boy Awake
M07. Aron Wright/In The Woods
M08. Yosi Horikawa/Gull
M09. Penguin Cafe Orchestra/Lifeboat (Lovers Rock)
M10. Harry Gregson-Williams/Sprouting Potatoes(from "The Martian"(邦題「オデッセイ」): Original Motion Picture Score)
M11. Jayesslee/Officially Missing You (Studio Sessions)
M12. Gabe Bondoc/My Plan
M13. Michael Carreon/The Simple Things

 


折坂悠太×小田晃生による『鳥』ライヴ映像。於 古本酒場「コクテイル書房」。カメラマン・和久井幸一さんの映像も臨場感があって素晴らしく、歌詞字幕も添えられた最高のアーカイヴ。

 

たむけ

たむけ

Amazon

「鳥」収録の折坂悠太1stアルバム『たむけ』(2016年)

 

【当ブログの「Birders' Songs」および、音楽、野鳥観察についての記事一覧はこちら。】