ソトブログ

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“365 Days with Our Chromebooks”――あるいは、あるOSのコンピュータについての、私たちのひそやかな語らい。そしてChromebook Tab 10国内発売を言祝いで。

 

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『Chromebookのある それぞれの365日 Chromebook会報誌』第1号(Day 1)表紙より。

 

 あえて説明的なことを書かないままで書き始めましょう、個人ユーザーとして日本国内でChromebookなんてものを使おうとすると、あるいは買おうとすると、いや、もっとその前に、興味を持ったとすると、避けて通れないサイトとして一部で、すなわちChromebookユーザーのあいだで有名なサイトがあります。

 

そのサイトを運営する鈴木さんという、ありふれたファースト・ネームの、しかしあり得べからざるジェントルネスをお持ちの四十路の、ということは私と同い年の男性が発起人となって、こんな本が出されました。

 

『Chromebookのある それぞれの365日 Chromebook会報誌』

 

 

デジタルガジェットについての、PCについての本としては破格にポエティックなタイトルのこの電子書籍(KDP)は、その名のとおりChromebookについての、個人ユーザーたちのファン・コミュニティ・ジン=会報誌です。

 

Chromebookとの、それぞれの365日のはじまりのはじまり。

 

くだんの鈴木さん(フルネームを鈴木章史さんとおっしゃる彼はしかし、界隈では「かぶさん」という二ツ名で知られています)の前著、Chromebookについての彼の思いを綴った『アカウントを持って街へ出よう Chromebookとの365日』という電子書籍(同じくKDP)の、表紙デザインをさせていただいた私は、その作業の過程で、まだ副題の決まっていなかったこの本の、最初のデザイン案に、勝手に、「Chromebookとの365日」と入れて鈴木さんに提示しました。

 

 

私の何気ない思いつきが、こんなふうに、20名以上の寄稿者と、100名以上のアンケート回答者の方々の思いの込められた「会報誌」のタイトルにまで繋がったことに、ある種の感慨を覚えずにいられません。今回は鈴木さんによって名付けられた『Chromebookのある それぞれの365日 Chromebook会報誌』の第一号に、私は、日本国内ではちょうど今日(2018年12月14日)発売になる、Acer Chromebook Tab 10について書きました。

 

Chrome OS搭載機としては初となる、タブレット・タイプの端末であるこのTab 10を、私自身は所有しておらず、鈴木さんから短期間お借りしていたあいだ、さまざまに試して、この「ソトブログ」でも何回か、その使い心地についてことばにしてきました。

 

www.sotoblog.com

 

Chromebook Tab 10と私の、ある日のスケッチ。

 

 

たくさんの有志による、Chromebookについてのポジティヴで、愉しい語らいの場になるはずだろう会報誌にテキストを寄せるにあたり、わたしはTab 10を愉しんだ2週間弱のあいだのほんのひとコマのスケッチを、書いてみることにしました。例えばこんなふうに。

 

「トォさん、あの借りてるやつで絵、描こうよォ。」――食べることに比較的関心が薄いのか、食事の途中で毎度、飽きて違うことをしがちな三歳の次男が朝食のさなか、私に声をかけました。

 

「食べてからやでー。」
「もうお腹いっぱい、食べんでいい。」と嘯く次男を誘導しつつ、朝食後にソファでChromebook Tab 10を開きます。いや、結局食事中だったかも。そして、Tab 10はラップトップではなくてタブレットですから、開くのではなくて電源ボタンを押してログインするのみ。次男の所望で誂えたフレンチ・トーストを一口ずつ、彼の口に運びながら、一方でAndroidのメモアプリ「Squid」を立ち上げて、罫線やグリッドの違いでいくつかあるフォーマットのなかから、息子にノートを選ばせます。

 

 

出し惜しむわけではありませんが、Chromebookの日本での拡がりの端緒のために、せっかく有料のKDPとして出版されたものの一部ですので、私の拙いテキストとはいえ引用はこれくらいにしておきますが、私の益体もないこんなテキストはともかくとして、同じOSの、しかもChrome OSという、一般には「Chromeブラウザだけの、簡易な、オンラインじゃないと何もできないOSでしょう?」くらいにしか思われていないOSを搭載したコンピュータを使う人たちのなかに、実はこれほどまでに、多種多様な立場の人がいて、シーン、用途、接し方があって、身の回りを見回してもChromebookを使っている人なんてひとりもいないのに、実はこんなにたくさんの人がいて!――なんてことを、すでにユーザーである私自身も驚いています。

 

Chromebookというコンピュータと私たちをめぐる、ひそやかな語らい。

 

 

してみれば、「Chromebook」という存在に興味を持ち始めた人にとっては、どんなふうに映るのでしょう。もし、今、そんな方が、私のこの、やはりこちらも「益体もない」としか言いようのない文章を読まれたなら、ぜひ、『Chromebookのある それぞれの365日 Chromebook会報誌』を読んでみてください。これは悪魔の誘いではありません。映画『いまを生きる』(1989年、原題:Dead Poets Society)の若者たちの宵闇のなかの語らいのように、あなたの人生をささやかながら、豊かにするであろう、ひそやかな語らいです。 

 

 

  • 『Chromebookのある それぞれの365日 Chromebook会報誌』発起人、鈴木章史( @OfficeKabu さんのウェブサイト、「おふぃすかぶ.jp」:https://office-kabu.jp/