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“PC? NO, IT IS MEMO PAD”――キングジムのポメラ(POMERA)生誕10周年キャンペーンに胸熱。

 

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POMERA 10TH ANNIVERSARY キャンペーン | POMERA 10TH ANNIVERSARY | ファイルとテプラのキングジム(画像は左記、キングジム社によるポメラ10周年キャンペーン・サイトよりお借りしました。) 

 

「パソコン!? いいえ、“メモ帳”です。」なポメラ、生誕10周年。

 

すでに1億数千万人のPOMERA(ポメラ)ファンの方々におかれましてはご存知のことかもしれませんが、今年はポメラの生誕10周年。ということで、このマスプロダクトとしては非常に特異な、しかしながら「書く」というシンプルかつ、当たり前の用途のための道具でありガジェットであり、文房具――やはり、このカテゴライズがいちばんふさわしい、と私は思います――である、「ポメラ」という製品を生み出したメーカーであるキングジム社により、

 

“POMERA 10 TH ANNIVERSARY”

 

なキャンペーンが行われています。

 

www.kingjim.co.jp

 

その目玉は、現行ポメラのフラッグシップ・モデル、DM200の「Clear Black Limited Model」、すなわち、限定スケルトン・モデルを10名にプレゼントするというもの。

 

限定といえば「スケルトン」。今年前厄の私のようなアラフォーには自然に受け入れられるロジックですが、だからといって「安直なキャンペーン」という感じがしないのは、上記のキャンペーン・サイトにShitされている当該モデルの圧倒的な美しさ(写真の美しさ、に惑わされているのかもしれないけれど)にばかり拠るのではなくて、このDM200というモデルの、「書くための」道具としての、細部まで気を配られた造形には、唸らされるものがあるからだと思うのです。

 

――とは言いながら、アウトライン編集がどうとか、収録辞書がどうとうか、表示用のモリサワ製アウトライン・フォントが美しいとか、DM200で初めてポメラに搭載されたWi-Fiによるファイルのアップロードの機能がどうとか、細かい論点はいくつかあるものの、結句「ただ書くこと」にフォーカスしたマシンであることから、私のような凡庸な利用の仕方をしているユーザーにとっては、以前書いた下記のレビュー以上に、DM200の魅力を過不足なく伝えることは難しい。とも思えます。

 

 

細部まで考え抜かれたプロダクトだからこそ。

 

 

そんなことを考えつつキャンペーン・サイトのスケルトンなDM200に見惚れていたら、DM200に続いて今年(2018年)になってリリースされた、電子ペーパーを採用したポメラの新モデル、DM30について、その筐体を、ソニーのメカ設計者だったという小田淳さんという方が文字通り「分解」しながら、そのデザインだけでなく、部品構成や構造の妙を解析していく、という記事が書かれていたのを思い出しました。

 

monoist.atmarkit.co.jp

モノづくり技術者専門サイト「MONOist」(モノイスト)より。

 

電子機器の構造に疎い私のような門外漢にはわからないところの方が多いのですが、ポメラのような、他に類をみない、というか、比べたり、参考にしたり、参照することのできる類似製品のない製品を作るということは、「正解のないところに正解を見出していく」作業の連続に他ならないでしょう。そんな製品を、こんなふうに細部まで考え抜かれて設計されていることを垣間見て、感動すら覚えたレビューでした。(ポメラという製品もさることながら、レビュワーである小田さんのきめ細やかな審美眼の素晴らしさ!)

 

もちろんDM200が完璧な製品だとは思いません。もし私が大富豪なら、「ディスプレイをより美しく! 画面の解像度をもっと!」とか、「出来ればメカニカル・キーボードも試してみたい」とか、所謂「ぼくのかんがえたさいきょうの」ポメラを、フルオーダーメイドで作らせてみたい! などと思わないわけではありません。

 

しかしポメラというプロダクトの魅力の(現時点での)ひとつ、そして実は大きな部分として、「これしかない」というのもあるのだと思うのです。PCやスマートフォンであればエントリー機からハイエンドまで、OSやメーカーなど百花繚乱で、自分自身で気に入った、「これだ」と思うものを入手しても、どうしても今持っているこれよりも機能性の高いもの、格好いいもの、美しいもの、可愛いもの――そんなものが目についてしまいます。マスプロダクトとしてのコスト感や価格感を考慮しつつ、拘るべきポイント、押さえるべきところを押さえつつ、極限いっぱいまで突き詰めた結果としてのラインナップが、ポメラでは現行機としては、DM200とDM30の2種ということになります。(過去のラインナップも入手しようとすれば出来るとは思いますが)

 

これが完璧、だとは思わないけれど、褒め、愛したいのは、これからも続いて欲しいから。

 

 

「文章を書く」ということを快適に行いたい。それだけを願ういちユーザーとしてはもちろん、競合する他メーカー、他製品が出てきて、切磋琢磨することも望まれます。しかしこのポメラほど、作り手の「愛」を感じるプロダクトが生まれるだろうか? そしてポメラ自体、そういうものであり続けてくれるだろうか?

 

その答えが「イエス」であって欲しいと願いつつ、「POMERA 10 TH ANNIVERSARY」キャンペーンに乗っかって、私自身も熱い/暑い思いを書きつけて、応募してみました。このテキストを読まれた奇特な、いえ幸福な1億数千万人のPOMERA(ポメラ)ファンの皆さんも、是非。

 

 

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