ソトブログ

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6月のプレイリストは、“雨を見たかい?”――Amazonミュージックでプレイリストを作りましょう、のススメ。2018年6月【前編】

 

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雨の日が愉しくなるCD。

 

6月は私の誕生月です。
6月といえば梅雨、長雨の季節です。
6月には祝日がない。
いつの日からか、因果によって、というか端的に自己の選択の結果として、現在はカレンダー通りに働いている私にとっては、(誕生月だというのに)それほど愉快な月ではありません。
それに雨が降ると、私にとっての週末のお愉しみ、息子と出掛ける自然観察も中止になったりしますしね。

 

しかしながら。

 

当ブログでは何度もなんども書いてきたことですが、“音楽は万能”です。
(このテーゼはその実、私の好きな某ミュージシャンの受け売りですが。)
音楽は万能だから、どんなことも表現できます。
音楽は万能だから、時としてユウウツをエツラクに変換することもできます。「憂鬱」→「悦楽」――といった具合に、言葉という記号を変換しても、紙の上、画面の上という二次元世界の話ですが、音楽は実際に私/あなたの世界を変えます。

 

数年前、知人の小学生の娘さんが、雨の日に傘を忘れて泣きながら帰ってきたのを見て、私は後日、「雨の日が愉しくなるCD」というコンセプトでミックスCD(プレイリスト)を作りました。彼女がそれを愉しんでくれたかどうか、わからないけれど、自己満足かもしれないけれど、私はそれを作るのが、とても愉しかったことを憶えています。――だからAmazonプライムミュージックでプレイリストを作り始めていらい、6月になったら雨をテーマにプレイリストを作ろう、と思っていました。

 

そして今回、Twitterで「<雨>をテーマに、Amazonプライムミュージックでプレイリスト作って、私に送って下さい。ブログで紹介します」と募集させていただいたところ、以下の方々がプレイリストを送って下さいました。本当にありがとうございます。

 

皆さん、プレイリストを作ることじたいを愉しんでいただけたようで、こちらとしても嬉しかったです。まさに我が意を得たり。こんなふうにちょっとずつ、音楽を能動的に愉しむ習慣が拡がってくれたら愉しいな、と思います。

 

ではまず、皆さんのプレイリストを、選者のコメントとともに紹介します。

 

雨(選曲:ワッキー)

 

※以下、選曲は全て、「演者/曲名」で表記しています。
※各プレイリストのリンクをクリックすると、Amazonプライム会員の方は、プレイリストが聴けます。

 

“雨”(選曲:ワッキー)

 

M01. Gene Kelly/Singin' in the Rain(雨に唄えば)※Ost: Singin' in the Rain(邦題『雨に唄えば』)
M02. THE MODS/激しい雨が
M03. 大江千里/雨
M04. サニーデイ・サービス/あじさい
M05. 徳永英明/レイニーブルー
M06. 森高千里/雨
M07. 中西保志/最後の雨
M08. Prince/Purple Rain
M09. Guns N' Roses/November Rain
M10. Carpenters/Rainydays and Mondays(雨の日と月曜日は)

 

www.youtube.com

M05、徳永英明/レイニーブルー(HideakiTokunagaVEVO) 

 

まずはブログ『3104丁目のオタク小屋』ワッキー( @Wacky244 さん。ワッキーさんとは面識はないのですが、私も大好きな「ものんくる」「けもの」といった素敵なバンド/ミュージシャンのファン仲間、と勝手にこちらで親近感を感じている方です。今回のプレイリスト、「王道ソングばっかりの面白みのないプレイリスト」とワッキーさんはおっしゃっていましたが、M05~M07といった、レイト80s~アーリー90s、J-Pop前夜な歌謡ポップに馴染みのない私にとってはとても新鮮でしたし、ジーン・ケリーとガンズ・アンド・ローゼズが「雨」というキーワードでプレイリストで繋がるなんて!――こういう瞬間こそ、「その人ならでは」のプレイリストの醍醐味だと思います。

 

(ワッキーさんのコメント)

M01. 誰もが知ってる名曲ですね。僕ら世代だととりあえずタップダンスしたくなる...雨なのに楽しげな歌。オープニングトラックはとりあえず明るい感じで。

M02. 「雨...」と聞けばまず浮かんでくる一曲です。当時は確かカセットテープのCMにも使われてたような...タイトルそのままの雷雨のような激しいナンバー。雨の日の車中でよく聴いてます。

M03. 新海監督の映画で秦基博サンがカバーし有名になりましたが個人的には大江千里のオリジナルが好きですね。大江千里の何かに焦がれるような声と歌い方が大好きです。M04. 情景を鮮明に感じるような一曲。聴いてると明るい中静かに降る雨の匂いを感じるような気がします。エモいこと言ってますけど大好きです。

M05. 誰もが知ってる名曲。まさに雨の歌のイメージそのままのような名曲ですね。

M06. 誰もが知ってる名曲2。森高千里の声ってどちらかといえば明るい感じの声なんですがこの歌だとその声が逆に強がってる女性のようでグッときます。大好き。

M07. 誰もが知ってる名曲3。ど真ん中直球の雨の別れ歌ですね。こういう「歌謡曲」って歌...歳を取るごとに好きになっていきますね。

M08. 洋楽に疎い僕でも知ってるプリンスの大ヒット曲。実は映画の方は見ていません。でも曲は大好きですし、何より「パープルレイン」って言葉がとても素敵だと思いません? サビ前〜サビの部分を聴くと何故かグッときちゃうんですよね...

M09. ガンズのバラードの超名曲ですね。アクセルが情感たっぷりに歌い上げ、スラッシュのギターもこれまた情感たっぷりに響き渡る大作です。あとPVでスラッシュが独り風に吹かれながらギターをかき鳴らすシーンは世界で最もカッコイイギターソロシーンだと思ってます。大好きです。

M10. クロージングトラックはこれまた誰もが知ってる超名曲でフィニッシュです。ただオープニングトラックと違いブルーでしっとりした感じの曲で終わってみました。カレンの歌声って本当に大好きなんですよね。名曲はどれだけ時が経とうと名曲なんだなぁ...と聴くたびに思います。

 

オレ的雨感じる曲(選曲:ヤッティ)@YattyDrivers

 

“オレ的雨感じる曲”(選曲:ヤッティ)

 

M01. Tom Waits/The Heart Of Saturday Night
M02. The Pogues/A Rainy Night in Soho
M03. Classic Chimes/浮き葉のカエル
M04. The Brian Setzer Orchestra/SEEPWALK
M05. The Silver Sonics/真夏の雨
M06. 吉川晃司/モニカ
M07. 柳ジョージ&レイニーウッド/追憶の六月

 

www.youtube.com

Brian Setzer Orchestra - Sleepwalk - 7/25/1999 - Woodstock 99 East Stage (Official)

 

続いては、ヤッティ( @YattyDriversさん。彼は、私にマンスリーでプレイリストを送ってくれるSSW、スギーリトルバードの元バンドメイト(ウッドベース)。なのですが、二人、全然音楽の傾向が違うのが面白いです。バンドってそういうものなのでしょうか。トム・ウェイツ、ブライアン・セッツァーから吉川晃司、柳ジョージまで。Out of Lawでハードボイルドなラインナップに、各曲ごとにクールなバックストーリーまで考えてくれた彼は、実はワーカホリックで家族想いな家庭人であることを申し添えておきます。

 

(ヤッティさんのコメント)

歌詞には関係なく(まったく関係ないこともないけど)、知ってる曲の中(ジャンル狭すぎですが)で勝手に雨のイメージやストーリー性を感じるものを選びました。そして、勝手な解説を。

M01. バーで飲みすぎ、店を出たら雨。肌寒さが酔い覚ましに心地良い。石畳の路面に街灯が映る。

M02. 路地裏でハットを被った爺さんが、傘もささずに帽子のツバから雨が滴り落ちる。孤独の寂しさを紛らわすための外出なのか。

M03. 梅雨に大粒の雨と、ハスの葉の上にカエル。そのまんまのイメージ。

M04. ウェッティなギターのリバーブが気持ちいい雨を感じさせる。

M05. 夏が終わり、あなたはあの人のもとへ。そんな雨の辛い思い出。

M06. 土砂降りで車から降りられない。ワイパーは全開でも前見えず。

M07. 繁華街の一本はずれた裏通り。雨で窓も開けられない店内は煙草の煙が充満。

 

雨をみたかい?(選曲:スギーリトルバード)

 

“雨をみたかい?”(選曲:スギーリトルバード)

 

M01. 坂本龍一/1919
M02. ススム・ヨコタ/Morino Gakudan
M03. Gonzales/Knight Moves(Chilly Gonzales Solo Piano)
M04. Thelonious Monk/Ruby, My Dear
M05. Ray Bryant/Greensleeves(Live Version)
M06. Bill Evans/Skating in Central Park
M07. Pat Metheny/Brad Mehldau/Summer Day
M08. Pascal Rogé/Poulenc: Improvisation 15 - Hommage a Edith Piaf
M09. Glenn Gould/バッハ:ゴールドベルグ変奏曲 BWV 988 - アリア
M10. 藤原ヒロシ/FIVE X DUB

 

 

ラストは毎月お馴染み、『西瓜糖の日々の泡』、すなわちリチャード・ブローティガンとボリス・ヴィアンのハイブリッドという、私からみれば「そんなのずるい!」というネーミングセンスのブログもやられている、私の盟友、SSWのスギーリトルバード( @sugylittlebirdさん。彼には実はテーマは伝えていなかったのですが、奇しくも同じテーマで送ってくれました。まぁ、6月ですからね。確かに直球です。

 

しかしながら選曲が凄い! ピアノの音を雨粒の音と見立て(!)、ピアノをメインとした、ジャズを中心にしつつジャンルを越境したインスト曲が並びます。個人的にはM01~M04辺りまでの流れに張り詰めたような緊張感、ドキドキを味わいました。聴き手の「雨」というフレーミングによって、楽曲そのものの意味が反転するような、変容するような、時空間の歪み、ゲシュタルト崩壊みたいな。――とはいえBGMとして本を読んだり作業をしながら流すこともできるような。個人的にはセロニアス・モンクが意外と好きな自分に気づけた、という収穫もありました。ちなみに裏テーマはわかりませんでした……また訊いておきます。

 

 (スギーリトルバードさんのコメント)

6月のテーマは直球。 梅雨、雨。
題して 「雨をみたかい?」
「テーマはストレートやけど、それにともなってタイトルや歌詞に「雨」を入れるのもなぁ。」という根っからの意地悪が働きまして、こんな風になりました(笑)
心がけたのは 「音を視覚的に捉えてみること。」
アタマの3曲くらいしかできてないかも、やけど…。
裏テーマはクイズにしておきます(笑)
とりあえず今までで1番の自信作です!

 

――そして、もう少し続きます!

 

 「雨」というテーマに沿っていても、同じような世代の人間であっても(ワッキーさんの年齢は存じ上げませんが)、100万曲単位と他のストリーミングサーヴィスと比べて少ないライブラリのAmazonプライムであっても、こんなふうにヴァリエーション豊かなプレイリストができるのです。

 

次回は続けて、私の6月のプレイリストを紹介します。

 

【そして、その後編がこちら!】 

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Amazon Music Unlimitedの4,000万曲はやはり魅力。いつかそのうちに利用してみたいとは思ってはいるのですが(先月も言ってました……)

 

【5月のプレイリストも最高でした。コトリスさんの、6月のプレイリストも聴きたいな。】 

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