【レビュー】Acer Chromebook Tab 10――Tab 10の“ちょうどいい”使い方。 その2:手書きにタブレットDJ。Androidアプリもいい感じ。
Acer Chromebook Tab 10 | Laptops - | Acer
- 手書き入力の使い心地――「Squid」での想像以上の書き心地に感動、実用的であり、愉しい「手書き」端末として使えそう。
- AndroidのDJアプリ、「djay2」も不具合なくプレイできました。外部ストレージが使えればなお良し、なのだけど...。
- 私の用途では既に実用的で、しかも愉しめるタブレットに仕上がっている「Chromebook Tab 10」。Chromebook/Chrome OSでこの路線の端末も続いていって欲しいと思います。
Acer社とGoogleが、Chrome OS初のタブレット端末として今春(2018年)リリースしたAcer Chromebook Tab 10のレビュー。今回で、5回目です。前回までも触れましたが、こちらは、私自身が購入したのではなく、ブログ「おふぃすかぶ.jp」の鈴木章史(@OfficeKabu)さんの企画に参加してお借りしたもの。Chromebook/Chrome OS界隈では、Google謹製のディスプレイ+キーボード&タッチペンなデタチャッタブル端末、Pixel Slateなども話題ですが、このTab 10もなかなかどうして素晴らしく、使い勝手も良く、何より愉しいプロダクトです。
- Acer Chromebook Tab 10について、これまでのレビュー
今回は、私なりに「タブレットとしてのChromebook」でやってみたかったことについて、実際に試してみた感触を書いてみたいと思います。
手書き入力の使い心地――「Squid」での想像以上の書き心地に感動、実用的であり、愉しい「手書き」端末として使えそう。
そしてそれ以上に、「愉しめて、しかも実用的」だったのが、内蔵された「Wacom feel EMR」対応のスタイラスを利用した、手書きノート、お絵描き端末としての使い方です。お借りした10日間のうち、(隣県で平日単身赴任、という生活をしているために)週末の間だけ、Tab 10を小学生と3歳の二人の息子たちと一緒に使うことができたのですが、この「手書き」端末としての使い心地は、予想以上にいいものでした。とくにAndroidアプリ、「Squid」での使い心地――について書こうと思っていたのですが、事前の想定以上に(キーボード、ポメラに熱くなりすぎて)長くなってしまったので、そのあたりについては引き続き、次回改めて書いてみたいと思います。
前回、上述のように予告した通り、このたびお借りして試用させていただくにあたって、いちばん愉しみにしていたのが、この「ペンによる手書き」の使い心地、使い勝手です。というのも、このTab 10の所有者である、鈴木さん主催のChromebookオフ会(このオフ会自体については、以前の記事で触れています)に参加した際に試し書きさせていただいて、「あ、これ、ちょっと気持ちいいかも。」と感じたからでした。
もともとは、タブレットでスタイラスで筆記、入力するということについては、私は全然興味も関心もありませんでした。「手書きなんだから紙とペンが最高であって、それにどれだけ似せてみても、少しの違和感があれば使い続けられないよ。」というような、保守的な――でも本格的に手書き入力を使ったことがない人なら、なんとなくのイメージで持ってしまいがちな「先入観」を持っていたのです。
しかしながらこういうのは、本当に使ってみないとわからないもの。実際、しばらく使ってみて、お遊びの子どもとのお絵描きも、ちゃんとしたメモ書きも、何の違和感もなく、「紙の代わり」を超えた「デジタルデバイスならではの心地よさ」で描く/書くことができるのに改めて感動しました。
Androidアプリ、「Squid」の(私にとっての)書きやすさ、追従性の良さ。
手書き入力をするにあたって、個人的には私的にいちばん相性の良かったアプリは、Androidの手書きメモアプリとして既に評価の高い「Squid」というアプリでした。
私がTab 10で今回試した用途としては、
- 子ども(3歳)とのお絵描き遊び。
- 一般的な紙とノートと同様の、単色(黒)でのメモ書き。とくに、野外でのフィールドノートとして。
です。すなわちお絵描き用としても、メモ用としても、筆圧検知とかペン先の種類とか細かい描き分けよりも、単純に、
- 紙に鉛筆やボールペンで線を引くのと同等に、スラスラ(追従性が高く)書ける/描けるか?
――ほとんどこの一点のみが焦点だったのですが、その点で、「Squid」は素晴らしかったです。おそらくペン個別の相性などもあると思いますが、Tab 10標準のメモアプリとして搭載されているGoogle Keepではこの追従性の点で若干(私には)微妙だったのですが、「Squid」関しては全く違和感がありません。どころか――まだ「画面に書く」ということが私にとって目新しいということも作用しているとは思いますが――、紙に書くのとはまた違った、「デジタルならではの心地よさ」さえ感じることができました。
小学生の長男との自然観察におけるフィールドノートとして、観察記録を付けてみたもの。(字の読みにくさは私自身の問題として)いつもの紙の野帳と比べても違和感なく、書くことができました。
デジタルメモは運用上も書いたものをクラウドに保存すればどこでも、どの端末からでも閲覧、編集できるという特性がありますし、手書き端末として、愉しく、非常に有用な端末であることを知ることができただけでも、今回Tab 10をお借りした甲斐があったというもの。
――もちろんこの程度のことは、何もChromebook Tab 10に特有のことではなく、既にiPadをはじめとした様々なタブレット端末で実現している使い勝手、クオリティかもしれませんが、個人的には、Chromebook、Chrome OSの端末としてこの書き味が実現しているのはなかなか嬉しい出来事でした。Tab 10は9.7インチのサイズ感やタブレット機の機動性を活かして、「手書き端末」として、(私の用途では)既に一線で活躍できるポテンシャルを持っているのではないかと思いました。
こちらは3歳次男が「Squid」で描いたお絵描き。こちらもそのクオリティはともかくとして、下の手描きと比べても――、
ほとんど同じような絵(?)を描くことができますし、3歳の手の感覚としても、全然違和感がないようでした。
AndroidのDJアプリ、「djay2」も不具合なくプレイできました。外部ストレージが使えればなお良し、なのだけど...。
個人的にiPadを手放すときにいちばん名残惜しかったのが、これまたiOSやAndroidのDJアプリとしてお馴染みの「djay2」。ちょっとしたDJ遊びや、友人のバンドのイベントの転換BGM的な簡易DJとしても、十分に使えていたアプリでした。このところそういう機会もあまりなかったので、思い切ってiPadは手放してしまったのですが、ChromebookでもAndroidアプリが使えるということで、タブレットタイプのTab 10でもこの「djay2」が使えれば、かなり実用的ではないか、というのも期待していたポイントでした。
こちらは、結果としては、普通に全然使えます。タッチ感度も良好で、操作上不具合を感じることは全くありませんでした。
子どもたちも物珍しさから、スクラッチやミックスを(ぐちゃぐちゃに)愉しんでいました。
ただ、ひとつだけ残念なのは、「Chromebook(Chrome OS)では現在のところ、Androidアプリにおいては端末の外部ストレージにアクセスすることができない」ということ。そのためローカルに音楽データを置いてプレイする場合、内部ストレージ(Tab 10は32GB)に保存することになります。この点、動画等大きなデータを扱う他のアプリでもそうなのですが、できれば対応が進んで欲しいところではあります。
私の用途では既に実用的で、しかも愉しめるタブレットに仕上がっている「Chromebook Tab 10」。Chromebook/Chrome OSでこの路線の端末も続いていって欲しいと思います。
その他、試したAndroidアプリとしてはAmazon系のKindle(電子書籍)、Amazonビデオなど。これらもTab 10では、純粋なAndroid機と遜色なく、違和感なく使うことが出来ました。ただしもちろんこれらも、外部ストレージへのアクセスは(現在のところ)できないことは注意が必要です。
手書き入力については、内蔵のペンだけでなく、「STAEDTLER Noris digital」といった市販のEMRペンを使うなど、微妙な道具の違いで使用感も違ってくるでしょうし、DJアプリは十数曲を入れて試してみただけなので、実際に、例えば数百曲、数千曲と入れて使うとなると厳しい場面も出てくるかもしれません。10日程度の試用ではそこまでの使い勝手をお伝えすることはできませんが、少なくとも、こうした程度の用途においてはタブレットとして、既存のAndroidタブレット、iPad等とも遜色なく使えそうだな、と感じることができました。
国内ではGalaxy Note8対応、として発売されたSTAEDLER Noris digitalですが、同じEMR(電磁誘導方式)ペン対応のTab 10でも使うことができます。でこちらも前述のオフ会で触らせていただいたのですが、鉛筆ライクな持ち心地、使い心地。より快適にペン入力ができそうなスタイラスです。
これに前回レビューしたような、「Chromebook」タブレットとしての、テキスト入力端末としての使い方と組み合わせることで、これまでのChromebookに実用性や快適さ、愉しさを感じているユーザーにとっては、用途を上手く考えればより一層愉しく、心地よく、しかも「使える」端末として、Tab 10は機能するのではないか、と感じられました。
ちょっと今のところ自分では購入したり、入手するあてがないのですが、Pixel Slateなど、Chrome OSをタブレットとして使うことのできる端末の選択肢も拡がりつつあります。今後ともChromebook/Chrome OSでの、この路線の端末も、継続的に開発・発売されていって欲しいな、と期待しています。私もタイミングさえあえば、このTab 10、ないしそれに続くChromebook Tab/Chrome OSタブレットが出てくれば、本格的に使ってみたいと思っています。
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【以前の記事から:Acer Chromebook Tab 10について】
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