ソトブログ

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【レビュー】ソニーの『魔女の宅急便』ライクなポータブルラジオ ICF-51は、機能美と可愛さを兼ね備えた優等生。

 

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「“キキみたいなラジオ”が欲しい!」――3歳の次男のリクエストに応えて。

 

 3歳になった次男の誕生日プレゼントとして、「ラジオ」を買いました。

 

3歳でラジオ、というと本人に(今のところ)使いこなせるはずもないのですが、こちらから誘導したわけではなく、彼自身が欲しがったもの。幾度となくリピート視聴しているジブリアニメ『魔女の宅急便』*1で主人公・キキの聴くラジオから流れるユーミンの「ルージュの伝言」にやられてか――、あるいは同居している義父、子どもたちのおじいちゃんの機械好き、ラジオ好きの影響で長男が買ってもらったラジオを羨ましがってか――、誕生日プレゼント、というとラジオを所望したのです。

 

以前、下記の「ほしい物リスト」についての記事のなかで書きましたが、私も手許に一台、普段使いと災害用を兼ねて、ポータブルで機能性の高いラジオが欲しいと思っていて、色々と探してはいたところ。

 

 

私が欲しいのもソニーのポータブル機、SRF-19。ワイドFMに対応し、LINE入出力を装備した機能性もさることながら、ピンクのボディと、前面スピーカー部の意匠がポップかつソリッドで素敵。

 

それで今回次男のために入手したのがこちらのICF-51という機種。

 

SONY FM/AMハンディーポータブルラジオ ICF-51

 

 本体前面。白で統一され、角をとって、やや内側に丸く反ったボディがスタイリッシュ。112.8gと軽いプラスチック筐体ですが、「安っぽい」というよりも、気軽さ、ポップさを感じます(主観的でごめんなさい)。 

 

気軽さとポップさを感じさせる、手のひらに包めるコンパクトなラジオ。

 

次男のためにこれに注目したのは、手のひらに包めるほどのコンパクトなサイズ感と、2色展開のうちの一色に、『魔女の宅急便』と同じ<赤>がラインナップされていたこと。――とはいえ、子どもには何度も念押しして確認したのですが、結局は店頭で見て気に入ったらしい(というより、赤が置いていなかったので実物が見れずピンと来なかったのかも)、<白>ヴァージョンを選びました。

 

 『魔女の宅急便』のラジオのオールドスクールなルックとは異なりますが、赤ヴァージョンも可愛いです。

 

団塊の世代でソニー好きの義父からみても、今もソニーは良質のラジオを作り続けているということで、品質については心配していませんでした。実際(息子の)手許に来てみると、2,000円台と手頃な価格ながら、非常に手の行き届いた機能美と、チープながら手になじみ、無駄がないのにポップさも感じさせるデザイン。プレゼントした私の方も惚れてしまったので、ちょっと紹介してみたいと思います。

 

迷うことのない操作系のヒミツ。

 

まずいいな、と思ったのが全く迷うことのない操作系。アナログチューニングのラジオ専用機ですから、(少しでもラジオに触れたことのある人なら)難しいことは何もないのはわかるのですが、どうしてこのICF-51の操作に心地よさを感じるのか、初めはピンと来ていませんでした。しかし、細部を写真に撮って、以下のキャプションを書いていて気がつきました。

 

本体上部。FM/AM切替スイッチと、ダイヤルメモリ。「ワイドFM」ことFM補完放送にも対応しています。右側の小さな●は受信を確認する「同調インジケーター」。

 

(写真右)本体向かって右側面。電源スイッチと選局ダイヤル、イヤホンジャック。
(同左)本体向かって左側面には、音量ダイヤル。ストラップホールも付いています(ストラップは付属せず)。音量ダイヤルの表示には矢印の刻印があり、指でさわって音量部であることがわかります。選局用のダイルとサイズ・色を違えているのもわかりやすい。

 

本体裏側。右下が乾電池入れ。電池は単4電池×2本。電池持続時間はFM受信時でアルカリ電池:44h、マンガン電池19h、AM受信時はアルカリ電池:52h、マンガン電池22hとなっていて、家事や作業をしながら聴くような普段使いの用途にも、十分な使用時間だと思います。

 

――すなわち、「ラジオに必要な各操作が、全て独立した操作部になっている」のです。他と同じ操作部となってしまうことの多そうな電源スイッチは、FM/AM切替のスイッチとも、チューニングする選曲ダイヤルとも、音量ダイヤルとも独立しています。そして、操作部は、本体上部および左右の3箇所に分けて配置されているのですが、スイッチ式のものと、ダイヤル式のものは同じ箇所にならないように置かれています。

 

そして基本的に全て日本語表記で、スイッチ類は読みやすい白地にグレーのフォント、ダイヤル類は印刷なしの刻印で表示されています。このあたり、デザイン的な統一感で非常にすっきりしていると同時に、操作に迷いが生じないようにうまく設計されていると感じます。音量部にのみ、音量の大小を示す矢印の刻印がされており、指で触ってわかるようなデザインになっています。これら操作系のデザインは、部屋の中での日常使用はもとより、災害時に限らず野外などの、照明の少ない場面でも、直感的に操作できるように考えられているように感じました。

 

おそらくこのラジオが特別なのではないのかも知れません。ラジオという単一用途の機器であっても、日常使うものであるからこそユーザーフレンドリーな操作系が必要で、このあたりはラジオを作り続けてきたメーカーだからこそ、できることではないかと思います。

  

一家に1台、ひとり1台手許に置いておきたくなる、ポータブルラジオってそんな存在だと思います。

 

3歳児が手づかみできるくらいの、可愛らしいサイズ感(ストラップはセリアでぴったりのホワイトストラップを購入)。 

 

典型的なコンデジが手許になかったので、フィルムカメラのGR1v(デジタルカメラ、リコーGRシリーズの前身で、ほぼ同サイズ)と比較。

 

 そしてICF-51は何といっても、この可愛いらしいルックが魅力です。約101.7×67.8×33.8mmとコンデジと似たようなサイズ感に、112.8gのプラスチック筐体(非常に軽く感じます)と、ぱっと見はややチープ。でも、無駄のないデザインゆえか、「安っぽい」というマイナスのイメージではなく、気軽さが感じられていいな、と思います。というか端的にいって、好き。

 

感度も必要十分といったところで、もともと私たちの住む和歌山のこの辺りで聴ける局はそれほど多くなく、NHK(FMおよびAM第1第2)、AMローカル局1局、コミュニティFM1局といったところが聴取範囲ですが、どれも十分に聴取できます。 

 

FMのロッドアンテナも、このサイズにしては十分に長くて、3歳児に持たせるにはここが一番壊れやすく、危ないところかな、と思いますが、ラジオとしては好印象。価格も実売2,500円程度と非常に手にし易く、たとえ今の時点で子どもがうまく使えなかったとしても、1台手許に置いておいて良かったな、――今のところ次男も、非常に気に入って持ち歩いたり持って走り回ったりして歓んでいるようですので、買って良かったな、と思っています。私自身もやっぱり1台、ラジオ欲しくなってきたな。

 

 

*1:私があえて触れるまでもなく、ジブリ作品の中毒性/リピート耐性は、改めて凄い。