ソトブログ

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自然観察教室で低山登山。眼前に拡がる自然に目を凝らしながら歩く、自然観察で役立ったアイテムを紹介します。――和歌山田辺・龍神山にて【前編】

 

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先日、よく晴れた5月20日の日曜日。当ブログで何度も紹介している和歌山県田辺市、ひき岩群国民休養地「ふるさと自然公園センター」 の自然観察教室で、地元の霊峰として知られるその名も「龍神山」(りゅうじんやま、ではなく「りゅうぜんさん」と読む)への登山に行ってきました。龍神山は496mの低山で、比較的ビギナーにも登りやすい山だということで、小学生を中心に参加するセンターの自然観察教室でも、毎年1、2回、こちらへの登山が企画されているのですが、私も長男とともに、彼が小学校1年生だった2年前から毎回、参加しています。

 

 

とはいえ元来全くのインドア派で、登山はおろかアウトドア初心者だった私は、これまで服装や自然観察の最低限の荷物だけで、安全面も含めたちゃんとした装備を考えていませんでした。自然観察教室に繰り返し通うようになって、息子もだんだんと自然に対する知識をつけて来るのに伴って、やっぱり親であり、大人である私自身も、折角の機会。責任と自覚を持って、しかし愉しく自然を満喫できるように、正しい知識を身に付けたいもの。特に今回は低山といっても常に危険がつきものの登山であって、熟練した先輩たちや先生方がいてくれるお陰で安心して頼っている部分もありますが、自分で学んでこそ「自然観察教室」だと思いながら、少しずつ意識して取り組むようにしています。

 

「自然観察教室」ですから主催者から案内とともに、当日のルートの書かれた地図も配られますが、今回、自分でも当地の地形図を用意して、コンパス片手に確認してみたりしました。まだまだ地図の読み方もままならないですが、少しずつ学んでいきたいと思っています。

 

というわけで今回は、子どもに事前に慣らした上で登山靴を履かせてみたり、地図やコンパスを自分で用意してコースを確認してみたり、山頂で食べるその日の昼食だけでなく、非常食や行動食を用意して望んでみました。本来ならそうした準備・装備についてもここで触れてみたいのですが、生半可な知識で書いてしまって、(影響力なんて全くない小さなちいさなブログとはいえ)間違った情報を流してしまっては元も子もありません。

 

ここではそんな準備とは別に、龍神山の山歩きで行った<自然観察>で役立った、筆記用具を中心とした道具たちについて、触れてみたいと思います。

 

野帳(観察ノート)は書きやすさと取り回しのしやすさを両立したものを。


観察ノートはいつものコクヨ測量野帳ではなく、リヒトラブの「クリップファイル」(A5サイズ)マルマン「クロッキーリーフ」を挟んで持ち歩いてみました。

 

 

 

「クリップファイル」は見開いた右側にメモ用紙やルーズリーフをクリップして書き込むことができ、左側はクリアポケットになっていて、ちょっとした資料を挟んでおくことができます。野外での機動性、という意味では新書サイズ、コンパクトな測量野帳に劣りますが、今回、地図をポケットに挟み込めることと、いつもの午前中いっぱいで終わる自然観察教室と違い、登山では昼食を挟んだ長時間となるため、道みちで取るメモも多くなるだろうと思い、測量野帳より筆記面の大きなA5サイズであることから、この「クリップファイル」を選んだというわけ。

 

結果、「クリップファイル」は非常に薄く取り回しやすいのに、しっかりと用紙をクリップして強度もあり、書きやすいメモボードでした。「クロッキーリーフ」はラフなイラストを描くのに適しているということで、野外スケッチなども描いてみたかったのですが、今回は観察メモ(というより見たものの名前)を書くので精一杯。しかしながら、柔らかな風合いのクリーム色の用紙はボールペンも鉛筆も走らせやすく、不安定な場所で立ったままで書くというシチュエーションでも書きやすいものでした。

 

クリップファイルは、360度折り返せて筆記しやすく、上部のクリップ部分も最低限のサイズなので、筆記面を十分に取れるのも魅力です。

 

屋外での筆記具(ボールペンと鉛筆)は、どんな体勢、状況でも書けるものを。

 

筆記具はボールペンと鉛筆を1本ずつ。

 

 

 

ボールペンは以前当ブログでも「使ってみたい」と触れていた三菱鉛筆の<加圧式>ボールペン、「パワータンク」。上向きでも濡れた紙でも氷点下でも書ける、という加圧式ボールペンの特性は、野外でのフィールドワークに最も適したボールペンではないでしょうか。実際に前述したようなシチュエーションになることはありませんでしたが、左利きの私にとってもかすれたりすることのないパワータンク。書き味はいたって普通というか、かなりオールドスクールな趣きで、現在主流の低粘度油性ボールペンや、ゲルインクに慣れた手にはかえって若干の違和感もありますが、「書けないということ」がほぼない、という安心感は、何ものにも代え難いのもまた、事実。

 

鉛筆はこちらも以前記事を書いた、デザインフィルのブラスペンシル。野外ということで、クリップのついたキャップに収納できるごくコンパクトな鉛筆として、こちらも重宝しました。鉛筆ということで、こちらは折れさえしなければ書ける、書けなくなることはないのですから、ボールペンとともに、こういうシチュエーションで持っていて損はないと思います。――というか、万が一のことを考えれば、鉛筆削りも持っていた方が良かったかも、と思いました(それか、やはりナイフかな)。

 

 

 

今回、背中のリュックとは別に、上記の筆記用具やLEDのハンディライト、コンパス、スマホ等を入れて持ち歩くのに使っていたのは、上記写真右の自転車柄が目立つ京都の和装ブランド、SOU・SOUとle coq sportif(ル・コック スポルティフ)のコラボグッズであるサコッシュ。現在はこのナイロン地のサコッシュは販売終了していて、麻帆布のものになっています(下記リンク)。より本格的な登山なら、もっとふさわしい装備があるかもしれませんが、自然観察でノート等を持ち歩く際、これくらいのサイズで、コンパクトで嵩張らないショルダーバッグとして使えるサコッシュは、非常に重宝します。

 

 

次回は龍神山登山後編。実際に登山で出合った生き物、植物たちを紹介したいと思います。

 

【後編はこちらです。】

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【以前の記事から:子どもとの自然観察、とりわけ野鳥観察で持ち歩いているカバンの中身について。】

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