2020年4月の愉しい日々。――あるいはフキンシンな脳内レジャー、手書きブログのススメ実践編。三菱鉛筆“EMOTT”と、マルマン“Mnemosyne”N182Aを用いて。

「カユイところはないですか？」

テクノロジーやネットワークに囲まれてかつそれらを謳歌して、生きていながら。正直なところ手放しでそれらが好きか？　と問われれば少し躊躇してしまうところが、わたしにはなくはありません。けれど、なんとなく、正面切って「嫌い」「苦手」とも云えない。

4歳になるわたしの次男の髪をフロで、流してあげていて、「カユイところはないですか？」と冗談交じりに訊いてみると彼は決まってきっぱりと、「ここ！」とピンポイントで指さす、そんなふうなストレートさ、率直さをわたしも持ち合わせてみたい。

ところが昨夜（2020年4月6日）寝るまえに、わたしのスマートフォンから通知があって、フォローしている、そしてファンであるミュージシャン、FINAL SPANK HAPPYのインスタライブ。スマートフォンのInstagramアプリの、縦の画面いっぱいの、アラカン男子とアラサー女子であるBOSS THE NKとODの軽妙かつ洒脱な、そしてフキンシンなトーク。からのBOSSによる未曾有のカラオケ・タイム（郷ひろみ「よろしく哀愁」！）。ハピネスとピースにあふれた無限にも思える数十分に、アーティスト／エンターティナーの凄みを感じて嬉しくなったわたしは、テクノロジーもネットワークやっぱり悪くないな、と思い返します。

mint exorcist

発売日: 2019/12/01
メディア: MP3 ダウンロード

FINAL SPANK HAPPYの1stフルアルバム。CDはオンラインでは、ビュロー菊地SHOPのみにて販売。

とはいえ、それを使って発信しているのは生身の人間で、聴いているのもわたし（モチロン、生身の人間）。そして今回のこの「ソトブログ」もまた、手書きで、ノートに、そう、前々回、前回と紹介したマルマン「Mnemosyne（ニーモシネ）」N182Aに書いています。使っているペンはまた、三菱鉛筆「EMOTT（エモット）」のブラック。行動変容を促されている事態のなか／あるいは先の見えない事態のなかをサヴァイヴするには、正確かつクリティカルな情報をキャッチアップし行動する「冷静さ」も必要だけれど、アドレナリンを放出してポジティヴに愉快に過ごすこともまた、重要だと思います。

アタマのなかで考えているスピードに「追いつかずに」文章を書いていくこと。

その手段が、

「手書きでそれなりの長さの文章を書くこと」

な人はあるいは、そう多くないかもしれません。

しかもわたしはたったいま、「これを日課にしてみよう」と思いついたりしています。手書きで、PCでタイピングするようにはアタマのなかで考えているスピードに「追いつかずに」文章を書いていくことは、意外なほど心地がよいものです。まとまった量の文章を書くのに、いま、PCのキーボードやスマートフォンのフリック入力、あるいは音声入力といったものを使わずに、ノートにペンで書く。しかもそれを日課にしている。という人は、文房具や筆記具それ自体を趣味にしている人であっても、実はけっこう少ないのではないでしょうか？　そういうときに向いているノートやペンを紹介するようなテキストに出合う機会も、あまりないような気がします。

わたしには、（前々回、前回からの繰り返しになりますが）エモットやcentropen「HANDWRITER」のような細字のサインペンと、ニーモシネのような上質なノート、というのがとてもフィットしています。ニーモシネの、「A5横長上綴じ」なN182Aのいいところは、リングノートでありながら上綴じであるためにリングがジャマにならないということ。そして、方眼がオモテのページにしかないこと。裏写りもあまりしない印象の用紙ですが、片面しかないことで、普段から「片面しか書かない」わたしのノートの使い方でも、罪悪感があまりありません。そしてめいっぱい書いてもこれくらいの文量で1ページが終わる。