ソトブログ

文化系バーダー・ブログ。映画と本、野鳥/自然観察。時々ガジェット。

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“森の鼻”でクロサギ、シロチドリ。“天神崎”でトビの井戸端会議。

 

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遠出しない休日も、外を歩けば鳥がいるだけで愉しい。

 

小学生の息子との自然観察、バードウォッチングをたびたび紹介してきた当「ソトブログ」ですが、小学1年生だった長男と始めた野鳥観察はそろそろ2年近くになり、野鳥の会などの開催する探鳥会に参加するだけでなく、息子と二人、時にはまだ3歳の次男も加えて、休みになるとカメラを携えて地元の自然のなかに繰り出すことも多くなりました。

 

ヴェテランたち、大先輩方に色々なことを教えてもらうことのできる探鳥会などで仕入れた情報をもとに、こちら和歌山、南紀地方の探鳥スポットに、まだ見ぬ、あるいはまだ写真にその姿を収めていない鳥たちを探すのが、今は愉しくて仕方がありません。

 

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相棒は先日購入した、Nikonの超倍率ズーム機、Coolpix P900。正直にいってカメラや撮影については特別な知識も技術も持ち合わせていませんが、そんな私でも簡単に野鳥撮影ができる“鳥モード“を搭載した本機は、野鳥観察の愉しみを拡げてくれた、私にとっては「名機」。後継機の3000mm相当、125倍ズーム機のCoolpix P1000と合わせ、バーダーたちの支持も厚い機種です(実際、この両機は探鳥会や自然観察会でもよくお見かけします。)

 

Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000 ブラック クールピクス P1000BK

Nikon デジタルカメラ COOLPIX P1000 ブラック クールピクス P1000BK

 

 

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和歌山随一の探鳥地、“森の鼻”で見せつけられた息子の千里眼。 

 

先日は、というよりここしばらくは、週末になるというと、隣町のみなべ町、堺漁港のそばに拡がる岩礁地帯、地元で“森の鼻”と呼ばれている場所に出かけています。

 

 

こちらは和歌山県随一のシギ・チドリ類の渡来地として知られる場所。シギ・チドリ類、バーダーたちが「シギチ」と親しみを込めて呼ぶ水辺の鳥たちは、春・秋に日本に立ち寄る「旅鳥」が多く、彼らの季節はこれから、というところだと思うのですが、息子たちと、シロウトから始めて3年目を迎えたバードウォッチング・ライフも、今年は季節感と、探鳥スポットを意識して知識を深めつつ愉しんでいこう。というわけで、「見るべき時期に見られる鳥を見たい」な、ということを意識して観察できたらな、と思っています。

 

さてそんななか、先日の休日には、ぱっと見は今日は空振りかな、という感じで、岩礁で羽を休めるトビが何羽か見えるくらいだったのですが、何十メートル(数百メートルかも?)先の、岩礁の波打ち際に、小さなチドリが一羽、佇んでいるのをまさに“千里眼”の息子が見つけました。

 

 

肉眼と8倍の双眼鏡だけで、それを見つけた息子の場所から見た、等倍の写真を撮りそびれていて、上の写真でももう、かなり近づいたところなのですが、これでもまだ、(ピントが合っていないこともありますが)私にはかろうじて、「鳥、なのかな?」くらいにしか見えていません。

 

 

そして十数メートルくらいかな、というところまで近づいて、2000mm相当、83倍ズー厶のNikon P900でようやく撮れたのがこちら。おそらくシロチドリだと思うのですが、私も息子も初見、そして初めてカメラに収めることのできた鳥でした。

 

 

そのあと見かけることができたのが、こちら、一羽のクロサギ。海辺の街、そして海へ注ぐ河川の走る南紀の街で、ダイサギやコサギ、アオサギといったサギ類は日常的に見かけるわが街ですが、主に海辺で暮らすクロサギの姿はそれほど多くなく、こんなふうに近距離で撮影することができたのは初めてで、岩礁をあちらこちらと歩き回り、飛び回りながら餌を探すのを、邪魔しないようにそっと近づいて、撮らせていただきました。

 

天神崎でトビたちの“井戸端会議”? 

 

それから、わが街に戻って、以前当ブログで、今冬、近畿地方では珍鳥といえるコクガンが飛来したことを紹介した和歌山県田辺市の自然の宝庫、天神崎へ。

 

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この日は目新しい鳥はいなかったのですが、家族連れの磯遊びや、スキューバ・ダイビングに興じる人たちや、釣り人たちに混じって、井戸端会議ふうに集まる、トビの集団が目につきました。

 

 

トビというと以前(数年前)、とある河川敷で家族でお弁当を食べているときに、サンドイッチを狙われて背後から顔を引っかかれたことがあって、至近距離で見かけると身構える癖がついている私ですが、今は83倍ズームのNikon P900という武器でじっくり観察することができます。こういうときに感じる高倍率ズームのありがたさ。

 

 

それで望遠で近づいて見てみると、和気藹々として見えた集団の中央には、大きな獲物の姿が。大きく羽を広げた真ん中にいる一羽の足許には、しっかりと獲物の魚が鷲掴み、もとい鳶掴みされています。

 

猛禽のなかでは最も身近な印象のあるトビですが、全長60〜65cm、翼長150〜160cmと、タカ科のなかではかなり大型の種類でもあって、近くで見るとかなり迫力があります。私が襲われたときは、背後から飛んできて頬を掠められたのですが、この嘴で直撃されていたらと思うとなかなか恐ろしくもありますが、見ているぶんにはやっぱり格好良いな、とも思います。

 

私たちが暮らしているのはそれまでと同じ、ずっと前からそこにある私たちの街なのですが、こんなふうに鳥見ライフを続けていると、ここは人里であると同時に鳥たちや、他の生き物たちの住み処であって、日常のよしなしごと、あるいは面倒なこともつまらないこともちょっとは飛んで行くような、そんな気がする今日この頃です。

  

 

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