連載「普通の人の普通の日々」
2020年の春から夏にかけては、息子たちと鳥をたくさん見ました。3月から約3ヶ月、学校も幼稚園も休みになって、そんな今年が特別な年だったのか、巷間言われるように“新しい普通”ということなのか、わたしには見通せる力はないけれど、わたしと同時期に鳥見…
週末になるとわたしの足許はスニーカー(もしくは探鳥をするなら、モンベルのトレッキング・シューズ)ということになるのですが、といってもわたしの手許には、2足のスニーカーしかない。ついでにいうと仕事用の革靴も、2足しかない。理由は経済的事情によ…
面白い本について、わたしが読んで面白かった本について語るのは難しい。と、思いませんか? 何故ならとりもなおさず、その本が面白かったからで、面白いということは読んでいるわたしを超えているからです。わたしの知っていること、わたしがすでに愉しんで…
2020年4月。住んでいるこの単身赴任の小さな部屋(もちろんワンルーム)のなかを眺めていると、本棚であり衣装棚であり、ガジェット置き場であり常備薬や文房具まで置いてある、ベッドを除けばこの部屋ほとんど唯一の家具であり収納スペースであるスチールラ…
こういう極めて自己満足に近い――いや、そのものの――ブログであっても、1年半もつづけていると、そのなかで書いている私自身の、この場所に対しての気持ちの浮き沈みというか、親密さの度合いの濃淡があって、「書きたい」という気持ちはあっても、なかなか書…
私の毎週楽しみに聴いているラジオ番組、『菊地成孔の粋な夜電波』が、2018年12月末をもって終了してしまいます。「大好きなラジオ番組が終わっちゃう、私は何を聴いたらいいの?」という(実は)シリアスな相談に乗ってくれた友人が教えてくれたのは、野村…
こういう話はどこから始めていいのか悩むもの。なんて、それが「どういう話」か前置きせずに書き始める私も卑怯者だけれど――、話は可能な限り具体的なところからするべきである。というのが定説です。というわけで今日(月曜日の夜)は、ひとりの部屋で『し…
1998年2月11日、長野オリンピック、フリスタイルスキー・女子モーグル決勝。
テレビで鳥居みゆきを観ていて、ネタをやる直前、足元に放り出されたぬいぐみに一瞬、カメラがフォーカスしたのにちょっと感動した。
なんとなく疎遠になってしまった人のこともよく憶えている。夢のなかにも出てくるし、眠る前の、天井を見つめているこんな時間にも思い出す(豆電球を点けないと寝られないので天井はよく見える)。
(私の妻が十数年前に撮った写真に、私が文章を添える形の連載の2回めです)
観そびれてしまったために未だに観ていなくて、おそらくこれからもしばらく観ない映画というものが誰にでもあって、映画を観ない人だったら小説でもマンガでもゲームでもいいのですが、そういうものは直接に生活に影響しないものだからこそ、その人の人生を…