ソトブログ

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Nikon P900デビュー戦:新しいカメラを持って新しい体験、初めての場所での探鳥会。大阪府堺市、大泉緑地にて。

 

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(自分にとって)新しいカメラを持って、(自分にとって)新しい体験、初めての場所での探鳥会に参加しました。 

 

先日私が購入した、Nikon Coolpix P900というカメラは、2015年発売の超望遠コンデジ。という非常にニッチで、新しいわけでもないカメラではあるのですが、テレ端2000mm、光学83倍ズーム機というピーキーな特徴が自分にとって非常にマッチしたことから、使っていてとてもワクワクします。

 

 

そのデビュー戦となったのが、去る2019年2月10日に参加した、大阪は堺市の大泉緑地での探鳥会でした。この日の探鳥会は、日本野鳥の会・和歌山県支部主催のもの。少し前に県支部の「お試し会員」に入会して以来、開催案内を見て参加した初めての探鳥会でもありました。

 

 

そして大泉緑地に来たのも初めて。普段、和歌山は紀南地方に住んでいて、自然に囲まれた身の回りで鳥見をしているとわからなかったのですが、こうした大泉緑地のような都市公園にヴェテラン・バーダーの方々と一緒に訪れて気がついたのは、こういう場所だからこそ、様々な種類の野鳥が凝縮して一堂に会しているということ。朝から昼過ぎまでの半日ほどの時間のなかで、それまで自分たちでは出会うことの叶わなかった鳥も含めて、たくさんの鳥を見ることができました。また、ヴェテランの皆さんの情報収集や知識、写真の撮り方やその際の鳥への近づき方(あるいは近づきすぎないこと)など、参考になることも多くありました。

 

そして前回の記事でも触れたように、最近カメラを触りはじめた小学生の息子にとっても同様に胸躍る探鳥会になった様子。

 

大泉緑地(大阪府堺市)。2019年2月10日の探鳥会にて。

間近で見る身近な鳥たちの意外な生態。

後ろ姿のモズ

 

林の落ち葉の上を歩いて、獲物を探すシロハラ

 


大泉緑地のシロハラ。(2019.2.10)

 

倒木の隙間を縫うように飛び交い、歩き回るシジュウカラ

 

モズやシジュウカラ、シロハラといった、自分たちでもこれまでに何度も見たような身近な鳥も、大泉緑地のような都市公園の、わりと見通しのよい、至近距離の視界の中で捉えることができると、じっくり写真を撮ったり、生態を観察することができます。「ツーピツーピ」「ツィピツィピ」とよく響く甲高い声でさえずるシジュウカラの鳴き声も、今回改めて、体感として記憶できたように思います。

 

初めての鳥たちを初めて画面に収める歓び。

小さく(全長12cm)地味めな見た目ながら、稀な冬鳥、オジロビタキは初めて見ることができました。かわいい。

 

これまでのカメラではなかなかその姿を撮るができなかったエナガ。小さく動き回る小鳥は、Nikon P900としても得意な被写体とはいえない(そしてまだまだカメラをうまく取り回せてもいない)のですが、後ろ姿とはいえなかなか雰囲気良く収めることができました。

 

とあるポイントで、樹上からじっとこちらを睥睨しているオオタカの若鳥。休日のこの日はたくさんのバーダーが大泉緑地に来園していて、カメラや双眼鏡、スコープでこのオオタカを観察していたのですが、むしろこちらが見下されているような、余裕の表情に見えてしまう猛禽の雄姿。

 

そして嬉しかったのはやはり、オジロビタキやエナガ、オオタカといった、これまで見てはいても写真に撮ることができなかったり、見ることが叶わなかった鳥を観察することができたこと。単純な理解としては「都市のなかの公園だからこそ、鳥たちがピンポイントの自然のなかに集まっている」ということになるのですが、都市のなかの自然である都市公園は、鳥にとっては都市そのものとも言えるわけで、「ああここは鳥たちの大都会なのか。」と思うと、こちら側こそがそのテリトリーにお邪魔している闖入者に思えてきます。

 

都市公園を作ったのは人間で、人間の憩いの場所としての公園ではあるのですが、鳥たちの貴重な住空間でもある。人工的な場所だと片付けるのは簡単ですが、里山だって人工物、人の営みが作ったものの極致であるのと同じように、都市公園も今の形でそこにあるいじょう、鳥たち(――あるいは虫や他の生き物たち、植物など)にとっては動かしがたい自然で、こういう場所が簡単に失われないように、それを丸ごと愉しみたいな、と思ったりしました。

 

細部まで格好良い鳥たちの魅力。

こちらも初めて写真に撮ることができたアカハラ

 

東屋の上から飛び立つ寸前のアオサギ。折り畳まれた頸が飛び出すギミックが美しく、格好良い。

 

水かきがなく大きなバンの脚! 

 

婚姻色(繁殖羽)の白い頭部の美しいカワウ。巣作りをしていました。 

 

ダイバーシティを感じるきっかけとしての野鳥観察。

 

会の最後には鳥合わせ。その日観察することのできた鳥を報告します。2019年2月10日、大泉緑地の鳥たちは以下のとおり。

 

メジロ/ヒヨドリ/シジュウカラ/コゲラ/アオジ/ジョウビタキ/キジバト/ハシボソガラス/カワラヒワ/トビ/イソヒヨドリ/スズメ/シロハラ/オジロビタキ/オオバン/ヤマガラ/ヒドリガモ/カワウ/カルガモ/エナガ/ミサゴ/カイツブリ/コガモ/オカヨシガモ/ホシハジロ/バン/ハクセキレイ/アオサギ/ハシブトガラス/オオタカ/ウグイス/シメ/イカル/カワセミ/アカハラ/ダイサギ/コサギ/モズ/ツグミ/マガモ 以上40種

 

 

折しも先ごろ発表された米アカデミー賞でも、ダイバーシティへの本格的な潮流を反映した作品が並びましたが、こんなふうに非常に身近な自然のなかで、たった半日でこれだけの野鳥たちが暮らしているのをこの眼で見ることができるというのは、ほんの少し前まで全く鳥に興味を持っていなかった私にとってはとても驚くべきことです。「ほんのすこし前まで全く興味を持っていなかった」あるいは「関心を持たなかった」という言い方をすれば、世の中を、周囲の環境、状況を見回してみれば、色々なことがみつかりそうです。野鳥観察、自然観察に息子たちと勤しみながら、そういう想像力を絶やさないように暮らしていけたらいいな、と思う今日この頃です。

 

 

 【過去記事より:息子と愉しんでいる鳥見、鳥撮りについて。】

www.sotoblog.com

 

【当ブログの野鳥観察についての記事一覧はこちら。】