映画
いつも読ませていただいているブログ、「Life Style Image」における下記の記事をきっかけに、ほぼ初めて、ちゃんとフィル・コリンズを聴いています。(…)
映画レビューをいくつか書いていると色々と考えることもあり、自分のアタマのなかを整理する意味でも、読んでいただいている方に、「どういうつもりで書いていて、どういうふうに読んでもらいたいのか」ということがいくらかでも伝われば――という思いもあっ…
“恋愛したらスクールカースト三段落ち”――真偽の程はアラフォーの私は知る由もないし知る気もありませんが、そんなことさえ囁かれる世のなかであって、20年も前の、アメリカの片田舎を舞台とした、「流れ者の中年男と有閑マダムの不倫恋愛映画を観る意味がど…
私も毎週聴いているTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」で、明日、10月21日の放送において、リスナー投票で選出する“一番好きなスピルバーグ作品”を選ぶ『第1回スピルバーグ総選挙』が開催されるとのこと。私はスピルバーグ全作品…
エドガー・ライト監督作品は、映画を日常的に観るようになったのがここ数年のため、ほとんど後追いですが『ショーン・オブ・ザ・デッド』から『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』まで、あるいはそれ以前のテレビドラマ『SPACED ~俺たちルームシェ…
先日ノーベル文学賞の受賞が決定した日系英国人の作家、カズオ・イシグロがオリジナル脚本を担当した作品。カズオ・イシグロというと私は『わたしを離さないで』の原作小説とその映画版を観たきりで、どちらもとても面白かったのですが、SF的ともいえる虚構…
映画『ダンケルク』に物語がない、というのは実はウソというか、雑な言い方で、端的な語り口の問題だと思います。しかしながら、戦争を題材にしたフィクションには(少なくとも私の好きな作品には)、物語を逸脱していく傾向があって、戦争というテーマをフ…
はじめて観た彼女の出演作は何だったか、パトリシア・クラークソンは日本のタレント・女優のYOUにすごく似ています。見た目だけでなく、雰囲気、喋り方まで、互いに入れ替わっても違和感のないくらい。とくに、エマ・ストーンの母親役を演じた『小悪魔はなぜ…
夜見る夢のなかでは、学生に戻っていたり、会社の同僚に今はもう会うこともない学生時代の友人たちがいたりして、それについてどう解釈するべきなのか、私にはわかりませんが、私は大人になって、「学生時代に戻りたい」と思ったことはありません。“リア充”…
自分の子どものことだからといってこういうところに何でも書いてしまうのは、子どもに対してフェアじゃないような気もして少し気が引けるので詳細には書かないけれど、先日の日曜日は運動会で、小学2年の長男は「風邪をひくか怪我でもして休めればいいのに。…
クリストファー・ノーラン監督の新作『ダンケルク』を観て、ダンケルク海岸で死んだ兵士も、生きて帰った者も、この映画によって、「今もあの時間のなかで生き続けている」ことになった、あるいは、「今もあの時間のなかで生き続けていることが証明された」…
先日私は自身で書いた祖母の告別式での挨拶を引用し、祖母の思い出について書きました。そこで私は、祖母と同世代の作家たちが晩年に書いた小説について触れています。(…)
昨年の公開時、興行的にも批評的にも大きな評判を呼んだ本作。当時、“欠点がないのが唯一の弱点”といった評も耳にしつつ、私は今日まで、この『ズートピア』を観ていませんでした。「観たら絶対面白いし、感動することもわかっているのだけど……。」そう思っ…
私自身、元来「ホラーというだけで観ない(恐いから)」というホラー映画(食わず)嫌いだったのですが、映画を日常的に観るようになってくると、「どうも映画好きの人ほどホラー映画が好きらしく、ホラー映画には映画本来の魅力の本質が詰まっているらしい…
「官僚機構の不条理」というと使い古された常套句ですが、ここまでひどいと笑うしかありません。 心臓発作のためにドクターストップがかかり休職中の大工、ダニエル・ブレイクは、国からの手当を受けようと役所に行きます。しかし、面談の結果、「就労が可能…
役所広司扮する林業に従事する寡夫の克彦。朝、ひとり黙々と朝食を済ませつつ昼食の弁当を詰めて妻の遺影に手を合わせます。山林で黙々とチェーンソーを振るい木を切り倒す。夜は同業の仲間たちと酒を飲み、家ではいい年をして無職の長男といつもの言い争い…
1999年に公開された本作は、デヴィッド・リンチ監督作としては異色の人情物だと言われています。しかし、デヴィッド・リンチの映画が感動のヒューマン・ドラマでなかったことは一度もなかったのではないか。私は『ストレイト・ストーリー』を観ながら何故か…
ここ最近、とくに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のヒット以降、映画のサウンドトラックがまた面白くなっています。 また、『シング・ストリート 未来へのうた』など音楽そのものがテーマになった映画の場合、劇中の人物(バンド等)の作品がそのま…
『第三の男』を書いた英文学の巨匠、グレアム・グリーン原作とあって、先に小説を、と思い『情事の終り』を読んだのが一年以上前で、面白かった記憶はあるけれど、内容も何もすっかり忘れ去っていました。映画を観ていなかったのにはとくに理由はないのです…
夏の映画、邦画編を選んでいたら、90年代の作品ばかりになってしまったのには、理由がないわけではありません。90年代に10代だった私にとって、夏の映画は青春映画であって、「私だけの映画」でした。大衆娯楽である映画作品を「私だけのもの」と思えるのは…
夏の映画!というとサマーでヴァケイションなハイテンションもしくは甘酸っぱいお話を想像、期待するけれど、映画人というのは、あるいは映画ファンの観客もまた、業の深い人種なのでしょうか。私の思い入れのある夏映画はどれも、イケてない人のイケてない…
はてなブログの、今週の『特別お題』が夏の作品、(映画・ドラマ・アニメ)、ということで、乗っかって色々考えてみたのですが、今日は1本の洋画について。(…)
邦題と、“35歳の独身男性と19歳の女子大学生の出会い”というプロットから、いかにもなロマンティックコメディを想像しますが、この手の、低予算のアメリカ製ドラマ映画は注意が必要です。タイトルからも日本版ソフトのパッケージヴィジュアルからも、映画の…
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督作品を観るのは、『神様メール』『トト・ザ・ヒーロー』に続いて3本目(そして後日、『八日目』も観てみました)。どれも一筋縄ではいかない作品ばかりで、私には簡単ではないのですが、不思議と肌に合う。と思っています。その…
この映画は、日本においては、同じくジョージアにおけるアブハジア紛争を題材に採った2013年の映画『みかんの丘』とともに、岩波ホール他で2016年に上映された作品です。その『みかんの丘』も少し前に観たのですが、ヘヴィなテーマながら、美しい自然や、人…
この数年、息抜き、箸休めみたいなつもりで、これまであまり観なかったコメディ映画、それもアメリカを中心としたコメディ映画をしばしば観るようになり、これが見事に自分にハマりました。面白いのです。とくにアメリカン・コメディは、人種問題や地域紛争…