ソトブログ

映画と本、自然観察(あるいは30代後半、2児の父の日常)

レビュー

映画『ダンケルク』――物語らない、あるいはノーランと田中小実昌。船底の穴と寝台の穴。

ダンケルク原題:Dunkirk製作年:2017年監督:クリストファー・ノーラン クリストファー・ノーラン監督の新作『ダンケルク』を観て、ダンケルク海岸で死んだ兵士も、生きて帰った者も、この映画によって、「今もあの時間のなかで生き続けている」ことになっ…

映画『ズートピア』――過ちを認めうること/"Try, Try, Try"

ズートピア原題:Zootopia製作年:2016年監督:リッチ・ムーア、バイロン・ハワード あらすじ:どんな動物も快適な暮らしができる環境が整えられた世界。各々の動物たちには決められた役割があり、農場でニンジン作りに従事するのがウサギの務めだったが、ウ…

ホラー嫌いのためのホラー映画選「“ブルー・マンデー”だけは投げないで!」

『ゾンビランド』Zombieland 私自身、元来「ホラーというだけで観ない(恐いから)」というホラー映画(食わず)嫌いだったのですが、映画を日常的に観るようになってくると、「どうも映画好きの人ほどホラー映画が好きらしく、ホラー映画には映画本来の魅力…

映画『わたしは、ダニエル・ブレイク』――悪夢的不条理に立ち向かう、私たちの“スーパーヒーロー”。

わたしは、ダニエル・ブレイク 原題:I, Daniel Blake 製作年:2016年 監督:ケン・ローチ あらすじ: イギリス北東部ニューカッスルで大工として働くダニエル・ブレイク。心臓に病を患ったダニエルは、医者から仕事を止められ、国からの援助を受けようとし…

使用3ヶ月目のChromebook C202SAレビュー。―落ち着いた個性。デイリーユースにおいて不具合や不満の少ない、ベターな日常の道具。

私にとっての初めてのChromebook、ASUS C202SAとの日々もはや3ヶ月が過ぎ、少し落ち着いて使用感を振り返り、評価してみようと思います。とはいえ基本的なスタンスとしては、購入時に他機種と迷ったものの、基本的には始めから惚れていたし、今もそれは替わ…

「2017年の夏に、“けもの”のニューアルバム『めたもるシティ』がリリースされた。」という奇跡的で幸福な事実について。

今年の夏、いちばん聴いた「CD」であり「アルバム」が、SSW、青羊(あめ)さんのソロプロジェクト、“けもの”のニューアルバムにして、初メジャー作となったこの『めたもるシティ』です。 2017年SSという時を刻んだけもの『めたもるセブン』 このブログでは、…

映画『キツツキと雨』――歓びが生まれる瞬間を何度でも。

キツツキと雨製作年:2012年監督:沖田修一あらすじ:とあるのどかな山村に、ある日突然、ゾンビ映画の撮影隊がやってくる。ひょんなことから撮影を手伝うことになった60歳の木こりの克彦と、その気弱さゆえにスタッフをまとめられず狼狽する25歳の新人監督…

映画『ストレイト・ストーリー』――おもいどおりにうごかない(またはデヴィッド・リンチはいつだって私たちの隣人)。

ストレイト・ストーリー原題:The Straight Story製作年:1999年監督:デヴィッド・リンチあらすじ:アメリカ・アイオワ州に住む73歳のアルヴィン・ストレイトは、娘のローズと二人暮らし。ある日、10年来仲違いしていた76歳の兄ライルが心臓発作で倒れたと…

洋画サントラ10選、楽曲リンク集【2010年以降編】その2

Teenage Fanclub(映画『ヤング≒アダルト』に楽曲提供) sotoblog.hatenablog.com 上記記事の楽曲リンク集、その2です。『キャロル』以下の5作品。 …余談ですが、今回取り上げたサントラ、リンクした楽曲はポップソングの体裁をとったものが多いですが、サン…

洋画サントラ10選、楽曲リンク集【2010年以降編】その1

『はじまりのうた』Begin Again sotoblog.hatenablog.com 上記記事で紹介したサウンドトラックの楽曲への、各アルバム1曲ずつのリンク集(YouTube)です。記事ではちょっと無粋かな、と楽曲へのリンクは貼らなかったのですが、聴かれなかったら意味がないか…

洋画サウンドトラック10選―デヴィッド・ボウイ"Modern Love"にのせて彼女は走る。【2010年以降編】

『フランシス・ハ』Frances Ha ここ最近、とくに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のヒット以降、映画のサウンドトラックがまた面白くなっています。また、『シング・ストリート 未来へのうた』など音楽そのものがテーマになった映画の場合、劇中の人…

映画『ことの終わり』――“神”というオールマイティカード。

ことの終わり原題:The End of the Affair製作年:1999年監督:ニール・ジョーダン原作:グレアム・グリーン『情事の終り』(Graham Greene "The End of the Affair")あらすじ:1946年、ロンドン。小説家のモーリス・ベンドリックス(レイフ・ファインズ)…

こんな文章が、書けたなら――。片岡義男『彼らと愉快に過ごす ―僕の好きな道具について』

文章を書くうえで、おおきな影響を受けた作家が何人かいます。はじめに、高橋源一郎。小説や、文章で表現できること(してもいいんだ、ということ)の可能性の拡がりを教えてもらった。そして、リチャード・ブローティガン。「針の穴を通して世界を見る」よ…

夏の映画、邦画編「他の誰でもない、私(だけ)の記憶。」

夏の映画、邦画編を選んでいたら、90年代の作品ばかりになってしまったのには、理由がないわけではありません。90年代に10代だった私にとって、夏の映画は青春映画であって、「私だけの映画」でした。大衆娯楽である映画作品を「私だけのもの」と思えるのは…

夏の映画、続・洋画編「トホホな人生にも、等しく夏は来る。」

夏の映画!というとサマーでヴァケイションなハイテンションもしくは甘酸っぱいお話を想像、期待するけれど、映画人というのは、あるいは映画ファンの観客もまた、業の深い人種なのでしょうか。私の思い入れのある夏映画はどれも、イケてない人のイケてない…

夏の映画、洋画編「うだるような暑さのなか――。」

はてなブログの、今週の『特別お題』が夏の作品、(映画・ドラマ・アニメ)、ということで、乗っかって色々考えてみたのですが、今日は1本の洋画について。 狼たちの午後 [DVD] 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ 発売日: 2011/12/21 メディア: DVD…

映画『恋するふたりの文学講座』――ロマンティックコメディの皮を被った「俺たち」ムービー。

恋するふたりの文学講座原題:Liberal Arts製作年:2012年監督:ジョシュ・ラドナーあらすじ:「ハッピーサンキューモアプリーズ ニューヨークの恋人たち」のジョシュ・ラドナーが監督・脚本・主演を務め、ヒロイン役に「GODZILLA」のエリザベス・オルセンを…

映画『ミスター・ノーバディ』――人生のあらゆる分岐を全て、私は経験した。

ミスター・ノーバディ 原題:Mr.Nobody製作年:2009年監督:ジャコ・ヴァン・ドルマルあらすじ:「トト・ザ・ヒーロー」「八日目」で知られるベルギーのジャコ・バン・ドルマル監督が、人生の選択によって生じるさまざまな可能性を、複数のパラレルワールド…

映画『とうもろこしの島』――静かな緊張感と、エロティシズム。

とうもろこしの島原題:Simindis kundzuli 製作年:2014年監督:ギオルギ・オヴァシュヴィリあらすじ:ジョージア最西端に位置するアブハジアが独立を主張してジョージアと戦争を開始した1990年代初頭。両者の間を流れるエングリ川の中州にできた島に老人が…

ASUS Chromebook C202SAの魅力をもう少し。気軽で、気楽で、気安い「気分」。

ポケットに多様性サバイバルキットミネラルウォーター既読されないLINEは玄関に置き去りのまま (けもの「めたもるセブン」の歌詞より) Chromebookにおいては、Chromeウェブストアのウェブアプリにより、LINEが使えます(通話はできません。為念)。これは…

ASUSのChromebook、C202SAを購入、約1ヶ月使ってみて。――「軽快でかわいくて、最高じゃないですかっ」

ASUS Chromebook C202SA | Laptops | ASUS USA 画像は上記ASUSのサイトから ディスコがあるらしいの わたしは踊りたい 殺されたって構わない それから ステレオを買いたいの でも彼はね 本ばかり買う それはいいの (けもの「第六感コンピューター」の歌詞よ…